迷宮の花街 渋谷円山町

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800234278

作品紹介・あらすじ

路地と坂、石段-ラブホテル街に残る昭和の面影。明治から続く花街は混沌としたエリアに。渋谷の異空間に集まる男と女。東京の異界シリーズ第2弾!

感想・レビュー・書評

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  • 料亭が立ち並ぶ古い街だった渋谷円山町も、時代とともに過去を脱ぎ捨て、ラブホテルの街となり、いまではクラブなどが進出する若者の街になりつつある。変わりゆく円山町を訪ね、昭和の面影を探す、東京の異界シリーズ第2弾。

    渋谷・円山町の歴史はそこそこ興味深かったけれど、相変わらず風俗業従事の女性たちへのインタビューが多かった。とはいえ、ゴビンダ無罪でほぼ迷宮入りした東電OL殺人事件に関する記述はなかなか読ませる力があった。
    (Ⅽ)

  • https://shimirubon.jp/reviews/1678256迷宮の花街 渋谷円山町 | レビュー | 渋谷円山町の歴史〜神泉・芸者・ラブホ・風俗・そしてクラブ | シミルボン

    <目次>
    プロローグ
    第一章 花街の記憶
    第二章 円山芸者
    第三章 丘の上のホテル街
    第四章 風俗の街として
    第五章 十八年目の東電OL事件
    第六章 密会場所に向かう女たち
    第七章 死と再生の街
    エピローグ


    <円山町の老舗の創業>
    ラーメン店『喜楽』 昭和28年
    カレー店『ムルギー』 昭和26年
    『名曲喫茶ライオン』 昭和元年創業、昭和25年再建
    カツサンド『幸要軒』 昭和6年 2000年ごろ閉店
    魚屋『魚重』
    洋食屋『ふたば』
    ステーキ『石川亭』
    うなぎ『平埜屋』
    ロシア料理『サモワール』

    2016.12.10 本書の装丁写真を提供した東良美季氏のシミルボン・コラムより
    2017.01.25 読了

  • <b>異界シリーズ 今度は渋谷円山町</b>

    前回の鶯谷に続くのは、かなりメジャーな渋谷円山町。

    しかし、故森田芳光監督、かなり絶滅危惧種な芸者姐さん、70年代レコード大賞曲は私小説風など、実に興味深い予想外なトピックスから始まる。
    そして有名な著者のルポ「東電OL殺人事件」を振り返る(これは外せない)。
    真相は闇の中だが、私も彼女が立っていたというお地蔵さんに手を合わせたい。
    少々暴露過多で、愛人関係だったという個人事務所社長(当時50代)。
    気持ちは非常に分かる。
    まあ、それなりにドラマチック時間が持ててよかったじゃないか。

    そしてお約束の著者の得意技の風俗、人妻レポートとなる。
    「ニュー(乳)パラダイス」「ちゃんこ」って、おいっ(笑)
    もう彼女らの語る遍歴なんかは、全く渋谷と関係なくなるよね。

    円山町の街って、正直怖いんで、散歩目的には行かないんだよね。
    (喜楽にラーメン食いに一回いった程度)
    今度、お地蔵さんをお参りに行ってみてもいいかもな。

  • 前作がただの風俗ルポだったが本作では東電OLや森田芳光や渋谷のラブホや人妻不倫事情に母乳風俗に芸者と広く扱ってて面白い。それにしても東電OLは気になる事件だ。

  • 著者の本はこれで2冊目になる。

    読んで感じるのは、実際の現場に行って、
    生の声を聴くことの大事なことを感いる。

    今回は、渋谷の円山町のラブホテル街で生活している人々の
    置かれている状況、生き方、町との関わりかたをインタビューを
    中心に異界を表現している。

    1章「花街の記憶」
    花街の円山街の歴史を追っている。

    2章「円山芸者」
    現在残っている4名の芸者にスポットを当てて、
    今の現状を追っている。
    最高齢は小糸姐さんで85歳である。

    3章「丘の上のホテル街」

    4章「風俗の街として」

    5章「十八年目の東電OL事件」

    6章「密会場所に向かう女たち」

    7章「死と再生の街」



    内容(「BOOK」データベースより)
    路地と坂、石段―ラブホテル街に残る昭和の面影。明治から続く花街は混沌としたエリアに。渋谷の異空間に集まる男と女。東京の異界シリーズ第2弾!

  • 仕事がつまらんのでトリップ感覚で一気読みしてしまった。

    昔はネットがなかったから、いろんなところをウロウロしたよね。(単に若かったからかも知れないが)
    新宿をウロウロ、池袋をウロウロ。

    ただ、僕は渋谷にはあまりなじめないので、円山町の思い出は2つだけ。

    1つは大学時代にAVの照明助手のアルバイトをしていた時、円山町のラブホテルで撮影をしたこと。時代としてはバブルの入り口くらいか。
    回転ベットだったかは記憶にないが、壁全部が鏡になっている部屋で、カメラが回っているときは、床に這いつくばって隠れた記憶がある。

    もう一つは、社会人1年目に先輩にストリップに連れて行ってもらったこと。時代的にはバブルが弾けた直後くらい。
    今はなき宇田川町の「龍の髭」で食事をした後にストリップに連れて行ってもらった。ストリップに陰のイメージしかなかったが、意外にもショーアップされて盛り上がっているのに感動した覚えがある。
    それでもストリップにははまらず、「龍の髭」にはまってしまったのだが。

    なんでこんなことを書いてしまうかと言うと、本橋氏のルポに郷愁を感じてしまったから。渋谷ってどんどん変わっていくけど、逆に思い出が深くなって、何かを語りたくなる街なのかもしれない。

  • 学生の頃、宅急便の配達のアルバイトで円山町界隈を担当したことがある。なので結構当時は細かい路地も知っていたし、ラブホテルや、や〇ざの事務所へ配達に行ったこともある。だが、当時それほど、鶯谷のような「異界」という雰囲気は感じなかった。鶯谷のようにいかがわしい感じがせず、もっと生活感のある街のように思えた。東電OL以来ではないだろうか、円山町が特殊な一帯と思われるようになったのは。
    本書は森田芳光監督や三善英史などゆかりの人々のインタビューなどもちりばめられ、渾身のルポであることは感じられるのだが、なぜか内容が円山町独特のものを余り感じさせないのが残念だった。

  • 大好きな渋谷。しかも、不思議で異様な道玄坂・円山エリアもうちょっと掘り下げて欲しかったな。
    今さら東電OL事件て。。

  • 渋谷は私にとっては縁遠い場所でした。
    なんか行ってみたくなりました。

  • まだ流し読みだけど、おもしろい。

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著者プロフィール

1956年、所沢市生まれ。著述家。早稲田大学政治経済学部卒。逍遙と実践による壮大な庶民史をライフワークとしている。著書に『東京最後の異界 鶯谷』、『上野アンダーグラウンド』『迷宮の花園 渋谷円山町』『全裸監督』など多数。

「2018年 『色街旅情 紙礫EX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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