- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800236142
作品紹介・あらすじ
NYダウが最高値でもシティバンク株は低迷…金は歴史的な上昇期に入った!!「株の暴落」と「金の暴騰」がやってくる!世界一のオイルマネーを運用したファンドマネジャーが金投資の攻略法を伝授!
感想・レビュー・書評
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資本主義の行き詰まりになったらの参考であり発行から5年たったいまもまだ現実的でない。むしろ下がっている
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まだ著者の云う通りになっているとは云い難い相場だが、
目下、進行中の日経平均の下落、円高などを鑑みると、
徐々にそうなっていゆくのではないかと思われるものはある。
もっとも、そういった予測を期待して読むのもよいが、
その予測の根拠や兆候をつかみ取る手法など、
それらの解説こそが本書の醍醐味だと思うし、とても面白い。 -
社会人になった平成元年の頃、お金があれば全部使っていた学生時代の反省を踏まえて、天引預金をし始めましたが、同じお金なので使ってしまっていた私は、ふと広告で目にした「純金積立」を始めました。
当時は金価格は低迷どころか下がる一方で、1年間積み立てても金の重量は増えているにも拘わらず、それを円換算すると変わっていない状況でした。
そのとき、いつか金価格が倍(グラム2500円)になればいいなと夢見ていたのを、この本のタイトル(金はこれから2倍になる)を見て思い出しました。ちなみに、現在の価格は私が夢いた頃の4倍になっています。
金の絶対的価値は変わらないと言われています、最近になってやっとその意味が分かりました。金価格が上がっているのは、私達が使っている通貨の価値が下がっている(インフレになっている)ということなのですね。
勿論、金の需要増や為替の関係もありますが、通貨の価値の変化も見逃せないと思います。そんな私にとって、この本は今後の資産形成を考えるうえで参考になりました。
以下は気になったポイントです。
・金の上がる理由は、1)新興国の地金需要、2)供給面(生産コストは現在価格の6割、生産減少)、3)投資マネー需要、がある(p4)
・専門家の予想は見事に外れ続けている、学校の成績が良いことと、投資の嗅覚が鋭いのは何の関係もない(p8)
・世界の株価は、やがて暴落、アメリカも新興国も。金利は、通貨の信用が低下して、じわじわ上がる。金価格は史上最高値を抜いて、2500ドルへ(p20)
・超金融緩和(政府がお金をたくさん刷る)で、貨幣価値が下がっていく(p25)
・現在の米国では、1900年に比べて、1ドルの価値は29分の1、敗戦した日本は、1500分の1、金ドル価格は、その間に60倍になったが、半分はドルの下落による(p28)
・日本は1997年から給与は下がっている、現在の水準は平成元年レベル、失業率が3%くらいまでは人手不足。4%を超えると過剰感がある(p34)
・金価格が下がるとしたら、大量の資金がゴールドから新しい分野に向かう場合。たとえば、1)革新的な技術の登場で一大ブーム、2)新興国で莫大な需要が生まれる(p43)
・G20から、先進国のG7とEUを除いた12カ国(メキシコ、韓国、アルゼンチン、トルコ、中国、ロシア、サウジアラビア、インド、ブラジル、南ア、インドネシア、オーストラリア)のGDPは23兆ドル(世界GDP75兆ドル)、150兆ドルある世界の金融資産に対しては少ない(p43)
・米国はリーマンショックで受けた傷の修復は進んでいない、米国銀行の株価は底値を這ったまま回復していない。不良債権が減っていないので(p47)
・日本の企業(金融保険除く全産業)は、2013年現在、証拠金率38%で営業している、つまり、38万円の元手(自己資本)で、銀行を借りて資金を100万円にする。純利益が5%ならば、元手が38万円から43万へとなり13%増える計算(p68)
・シェールガスの見通しは、投資家の総意とも見做せる、シェールガス関連の株価(代表として、デボンエネルギー)。これが、ここ数年まったく上がっていない。(p77)
・金がどこまで上がるかは、金利がどこまで上がるかで決まる。今まではお金が余っていたので、金利を下げてお金を借りてもらっていた(p83)
・次回株が暴落するとすれば、救済対象となりそうな、シティバンク、バンカメで、両銀行の負債総額は、リーマンの6倍。(p83)
・金利がどこまで上がるかは、信用度がどこまで落ちるか、と同じ意味(p84)
・金価格が上がりにくい金融政策として、1)ユーロ圏で実施されている政府負担を軽減する、預金者に損を負担させる:大口預金者に40-60%負担、2)永久債を発行する(p94)
・金価格が1260年から1500円の間の最低値から最高値まで2倍以上になったということは、金1グラムで買うことのできるパン、服が2倍以上になったこと。歴史に即した言い方では、金の含有量を従来の4分の1に抑えた金貨に対して、世間がそれまでの半分の価値を認めた(p97)
・金価格は1260年-現在で見ると、1500~1971年までの下降期を経て、上昇期となっている(p97)
・金価格上昇の抑制に動くのが、供給量の3割を占めるリサイクル。日本では、2013年度は、回収された668万台から、200キロ以上の金を再生した(p111)
・先進10か国には、合計19400トン(4-5年分の世界需要)の金準備があり、全世界の金総量の11%、今後はドル暴落も考えると売却は慎重になるはず(p121)
・ドルコスト法で買うよりも、ETF投資がコストが安い。信用できるETF業者としては、最大手の現物交換もできる、「金の果実(三菱UFJ信託):1540」が良い(p203)
・税金を払ううえで、レシートがないと、原価は売価の5%とみなされる。95%分に税金がかかる。200万円超の売買には、本人確認が必要(p211)
・香港の国際空港内には、HSBC銀行があり、日本人の旅行者が口座を開設できる。(p217)
・アメリカは1933年4月に、ルーズベルト大統領が、市民が所有しているすべての金を買い上げる大統領令を出した。購入価格は1オンス20.67ドル。違反者は、禁固刑と、1万ドル(現在価値で1800万円)の罰金、その翌年に金価格を35ドルに上げて、69%の利益を得た(p222)
・かつて世界の70%の金生産をしていた、南アフリカは、現在は6位(200トン弱)で、世界一位の中国の4割も生産していない(p240)
・住友金属鉱山は、菱刈鉱山という世界でも高品質の金鉱山を持っているが、生産量は7トン、売上は300億円、60億円程度の営業利益(p242)
2015年5月31日作成 -
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