警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2015年1月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800236388
作品紹介・あらすじ
警視庁捜査二課主任代理、郷間彩香。三十二歳、独身、彼氏なし。贈収賄や詐欺などの知能犯罪を追う彩香は、数字に手掛かりを求めて電卓ばかり叩いているため"電卓女"と呼ばれている。そんな彩香に刑事部長から特命が下った。渋谷で発生した銀行立てこもり事件の指揮をとれというのだ。犯人が現場の指揮と交渉役を彩香に任命するよう名指ししたという。彩香は困惑しながら臨場するが…。
感想・レビュー・書評
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警視庁捜査二課郷間彩香シリーズの第一作。何だろうな、このB級感は?でも、主人公の赤裸々な思いや感情が表現されていて、なんだか親しみが持てる。主人公、結構いい人柄なのだ。反目していた後藤のことも、ちゃんと見直して、通じ合いを持つしね。かかわる人たちと仲良くなっちゃうんだよね。
銀行での立て籠り事件自体は、いろいろはてながあるけど、まあいいか。韓国のことが出てくるのも唐突感があるけどね。でもまあ、読んでいて面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
郷間彩香シリーズ第一作。主人公・郷間彩香は32歳、独身、彼氏なし。捜査ニ課での仕事ぶりが不明で、電卓女のイメージが無い。警察庁長官まで出てきて、話がデカいなー。ギャグをはさみながら話が進み、まじめな警察小説とはちょっと違う。
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作品自体はドラマ化もされているし、大分前から知っていたのだけど、なかなか読む機会がなかった。
4作ぐらいで完結しているようなので、とりあえず1作目を読んでみることに。
「電卓女」こと知能犯専門の捜査二課に主任代理の郷間彩香が何故か、銀行強盗の立てこもり事件の指揮官を命じられることから始まる。
強行犯事件の経験もないことから、現場の捜査官と衝突したり、何故か2人だけで現れたSATに振り回されたり、立てこもり事件なのに、全然緊張感がない。
そして、何より文体が軽い。
普通の警察物ではなく、法では裁けない犯罪を解決する影の組織のことが描きたいのだと分かれば、ちょっと前のアメリカ映画や、今ドラマでやっている作品など、設定が似ていることも多く、ちょっと違うタイプの警察シリーズを目指していることも理解出来る。
最近は警察小説も多様化しているが、この作品もそのタイプ。とりあえず、シリーズ最後まで読んでみよう。 -
郷間彩香のデビュー作。
かなり練られた構想が、とてもスリリング。
電卓女と自ら言うが、半マロとも言われる。
タイトスカート、ハイヒール。
刑事と思えないスタイルの美形刑事。
父親の刑事魂をひきつぐ。
「血の通ったコミュニケーションが全てをかえる」
野呂は、父親と一緒に仕事をして、啓発を受けている。
吉田という警視正の登場。不思議なキャラクターの造形。
警察官というイメージやキャリアというイメージに程遠い。
長官が、直々に対応して、指揮を下す。
ふーむ。ありなさそうなのがいいのかもしれない。
後藤という男が面白いが、郷間彩香のツッコミが、足りない。
やはり、秋山刑事みたいなおっさんが、際立たせる。
ブラッドという組織。
政治家と銀行家の結託によって、警察まで支配しようとする。
それを、暴こうとして、銀行強盗をする。
仕組まれた銀行強盗で、狙いは金にない。
貸金庫に仕舞われている書類などがポイント。
そこから、暴かれていく真実。
物語として、わずかに物足らないが、上出来の部類に入る。 -
警視庁捜査二課、郷間絢香警部補、主任代理、女、32才、独身、彼氏なし。
ある日、銀行強盗事件が起こり、犯人から、事件の交渉役と現場指揮に彼女が指名される。
なぜ、二課の私が?
膠着する事態の中で、犯人の1人が元二課の刑事であることが判明する。
二転三転する状況。
果たして、この事案の目的は何なのか?
そして、最後、犯人の射殺で幕を閉じる。
悲しみの中、何らかの違和感を感じてしまう郷間警部補。
実は、この事件の裏には、壮大な目的が隠されていた。
スピード感溢れ、所々ユーモア溢れる話の流れに、一気に読めました。
最後、登場人物の後日談が、簡単に記述され、まるで映画やドラマを見ているようで、思わずニヤリ。
ぜひ、続編も期待大です。
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最初の方は銀行立て籠り事件で最後までいくのかと思っていたら、予想外の展開に。後半のボリューム感がもう少し欲しかったかな。
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2013年のこのミス大賞受賞作。以後シリーズ化されて5作出ているが、先に3作目を読んでまあまあ面白かったので読んでみる。電卓女と云う設定が先に読んだ作品でもそうだったが、全く生かされてないようで残念。漫画っぽい内容で、それはそれで悪くない。2016年に松下奈緒と鈴木亮平で2時間ドラマ化されたそうで、それは見てみたい
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普段は警視庁捜査二課で知能犯を相手に、主に数字を武器に仕事をしている郷間彩香、32歳独身。しかし彩香はある日突然、上司でもあり父親代わりでもある野呂に新世界銀行渋谷支店で起こった立てこもり事件の特命指揮官に任命され、捜査の指揮をとらなければならなくなってしまう。
なぜ突然犯人が彩香を指名したのか、犯人が求めていることは一体何なのかがミソになっており、読み終えると意外に警察組織の闇やら政治やら重たいテーマを扱っていたのだなぁと思うが、物語は一貫して軽い印象。現実離れしすぎてる?せっかく“電卓女”なんて設定もあるのに、数字も全然使われないし。ユーモアのセンスが合わないのか、笑いどこなんだろなぁと思うところも、それほど楽しめず。シリーズみたいだけど、次を読むことは無いかな。 -
久しぶりの警察物。面白かった~!と同時に人情場面ではまたもやホロリとしてしまった