大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.66
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  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 453
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800244413

作品紹介・あらすじ

江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ-。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭、あっさりとした軽めの文章からか、ちょっとした恋愛シーンが出てきて「これは恋愛小説か」と思ったからか、期待が膨れなかった。

    風邪を引いて読める本がこの1冊しかなかったので、引き続き読み進めていくと最初の印象とは全く異なり、面白くて1日で読み終わってしまった。しかも、ミステリ満足感(トリックがよく練られているという意味)も高いときた。

    犯人を捕まえても、捕まえても、新たな展開が生まれ、最後には「そこまで推理するか」と唸ってしまった。

    著者はいろいろ(ほんとにいろいろと※ネタバレするので書けない)と本作に練り込んでおり、一部書評に現代の設定(宇田川くん)が都合良すぎるとあるが、それを差し引いても十分面白さを味わえる。

    最後ある人物の告白があるのだが、作者のこの物語り(シリーズ)に対する気迫を感じ、今後のシリーズが一層楽しみな作品である。

    文体が軽いのが気になるので1点減点の4点とする。

  • 女探偵役の主人公おゆうの人物像がとても現代的な女性で、作者が男性であることが意外なほど。
    あとがきでパトリシアコーンウェルをはじめとしたアメリカミステリに造詣が深いとあり、妙に納得した。
    思考力や生活が合理的で、勤め人に向いてない性格の主人公を、江戸の世界で生き生きと動かしてる。
    なかなか進展しない伝三郎とのやりとりも、ラストの衝撃な暴露で読者をすっきりと納得させた。
    続刊を読むのが楽しみなミステリ。

  • 話の筋としては面白いんだけど、おゆうの性格が悪すぎて読む気が失せる。
    どなたかの感想にも、伝三郎とやりたいだけってというのがあったけどまさに。
    そんな部分露骨に出すことじゃないのになぁと思ってたら作者は男性と。なるほど。
    もー二度と読まないかな。

  • 著者初読み。
    ブログで紹介されていて、現代と江戸時代を行ったり来たりしながら、謎を解くと言う設定に興味が湧いて、読んでみた作品。
    祖母が亡くなった後、家を相続した孫の優佳。その家には江戸時代にタイムスリップ出来ると言う秘密があった。
    江戸時代にタイムスリップした優佳は江戸の町で起こる事件の謎解きを始める。
    と言うのが、大体のあらすじ。ま、そもそもがあり得ないことなので、エンタメ作品として割り切って読むしかないんだけど、それにしても突っ込みどころが満載過ぎる。
    優佳が謎を解くのは、子供の頃に刑事に憧れて、でも簡単にはなれないことが分かって、諦めて普通のOLになったけど、江戸時代なら出来るかも…と言う安易な動機。あくまでも謎解きでもなく、ただの「捜査ごっこ」。まだ30歳前なのに、江戸時代に行くために仕事を辞めてしまって、現代ではどうやって生計を立てているのかも、謎。そして、一番嫌だったのが、不必要な色恋沙汰を挟んでいること。
    男性作家が女性を主人公にした場合、たまに見られるけど、今作は女性を軽蔑しているような感じがするくらい過剰だった。本筋が凝っているだけに背景で損をしているのがもったいない。

  • いつもは読み終えたあとすぐに次を読み始めるのだが、今日はこの感動の余韻に浸りたいと思う。最高の一冊でした。おススメ。
    あらすじ(背表紙より)
    江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ―。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!

    • くまさん
      分かります!
      本との出逢いの中で
      余韻に浸りたい気持ちになる時て
      ありますよね。

      なんか初めてこの本知ったんですが
      あらすじ面白そうなので...
      分かります!
      本との出逢いの中で
      余韻に浸りたい気持ちになる時て
      ありますよね。

      なんか初めてこの本知ったんですが
      あらすじ面白そうなので読んでみたいと思いました^_^
      2017/07/25
  • SFで時代小説のミステリーという、変わった設定のお話

    展開は二転三転し、最後にはもう一つの秘密が明かされるという盛り沢山なエンタメで、面白かったです

    現代と江戸を行き来するが故のジレンマが効いてますね
    続編もあり

  • 現代と江戸時代を自由に行き来できる現代のOLが、江戸時代の殺人事件の謎を解くという話です。
    タイムスリップものと推理物が大好物なので、面白かったです。

    主要な登場人物たちがみんな魅力的です。しかし、おゆうが伝三郎に抱く気持ちが恋心というより、「やりたい」っていうだけになっていて、なんだか引いてしまいます。

    おゆうが初めて江戸に来てから、江戸の生活に馴染んでいくまで色々な戸惑いや、失敗があったはずなのにその部分が書かれていなくて物足りなかったです。
    2作目以降でその辺を描いていくのでしょうか。

    最後の数ページで伝三郎の秘密が明かされた時は、予期してなかったのでびっくりでした。

  • TVドラマになっているのを見はじめたのですが、一週間に30分しか進まないので先が気になってしまって、原作を読んでしまおうと手にした作品です。

    ドラマと原作では幾分か違う設定はあったけれど、私は原作の方がよかったと思う。読んでよかったし、続きが何冊か出ているからそれも読みたいと思いました。

    江戸後期の捜査となると、目撃証言か現場を抑えるくらいだったろうと思うので、そこに現代の科学捜査を持ち込めば、すぐに解決だろう…とは思うものの、指紋やら血液検査の結果を江戸時代の人に突きつけても説明のしようがないので、そこからやはり犯人を自白させるなどするために、おゆうが小細工をしたりわざとらしいほどの芝居をしたりごまかしたりをするのが面白かった。
    いくら江戸の建物とは言え、おゆうの潜入スキルは高すぎませんか(笑) くノ一と言われても仕方ない。
    現代部分で色々分析をしてくれる存在がいるのは都合がよすぎる気もしますが、そうでもしないと好き勝手に江戸の物証を科学捜査に持ち込めないですからね。

    最後の独白部分が何とも気になる内容。あれがあるから続きが気になって仕方ない。

  • 購入。

    ヤバイよ、楽しすぎる(笑)。江戸の雰囲気を目一杯楽しみつつ、現代科学の知識をフルにいかして事件解決。しかも二転三転しちゃうし。ラブもあるし、色々満載で楽しすぎる!
    流石このミス隠し玉!
    シリーズもの、期待してます。

  • 何の予備知識も無しに、ほぼ「ジャケ買い」。
    でも、これがまた大当たり(^o^
    とっっっても楽しく読めました(^ ^

    話をざっくりまとめると...
    とある事情で現代の東京と江戸時代をとを
    行ったり来たりするようになった女性が、
    江戸時代で町方の手伝いをして事件を解決する...
    という感じで、まぁSFと言うかファンタジーというか。
    でも、ミステリとしてしっかり面白い。

    ポイントは、江戸の事件の謎解きに、
    現代日本の科学捜査を取り入れてるところ。
    指紋照合、ルミノール反応、DNA鑑定やら、
    盗聴器にスタンガンまで登場する(^ ^;

    でも「指紋を照合した結果、犯人が判明した」としても、
    それを「どうやって江戸時代の人に説明するか」
    主人公が悩む姿が面白い(^ ^

    さらに、一つ謎を解決すると、それが次の謎を呼び、
    最終的にものすごく大きな事件が全貌を現す。
    単純な謎解き連作ではなく、かなり壮大な全体像。

    しかもなお、主人公と「ちょいといい仲」の町方が、
    これまた「訳あり」だったりして...(^ ^

    「これでもか」と言うほどに色んな要素を盛り込み、
    それでいて破綻なくきちんと「読み物として面白い」。
    この作者の筆力は、ただならぬものがある(^ ^

    秋の夜長に「一気読み必至」の佳作(^o^
    一点だけ注意すべきは、江戸の文化について
    最低限の知識がないとややついてけないか?(^ ^;
    落語とか時代劇好きな人は無問題(^ ^

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著者プロフィール

一九六〇年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。第十三回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉となった、『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』で二〇一五年デビュー。同作はシリーズ化され、人気を博す。一八年、『阪堺電車177号の追憶』で第六回大阪ほんま本大賞受賞。他に『開化鐵道探偵』『軍艦探偵』『江戸の闇風』『途中下車はできません』など著書多数。

「2020年 『江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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