大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 659
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800244413

作品紹介・あらすじ

江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ-。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の人情物の小説かと思ったら実は、家の扉を潜って江戸と現代に二重生活を送っている主人公。現代科学で事件を解決。設定が面白い。なかなか理解されていない技術をどう説明するか事件を解決するよりも難しい。シリーズが続いているので楽しく読んでます。

  • 冒頭、あっさりとした軽めの文章からか、ちょっとした恋愛シーンが出てきて「これは恋愛小説か」と思ったからか、期待が膨れなかった。

    風邪を引いて読める本がこの1冊しかなかったので、引き続き読み進めていくと最初の印象とは全く異なり、面白くて1日で読み終わってしまった。しかも、ミステリ満足感(トリックがよく練られているという意味)も高いときた。

    犯人を捕まえても、捕まえても、新たな展開が生まれ、最後には「そこまで推理するか」と唸ってしまった。

    著者はいろいろ(ほんとにいろいろと※ネタバレするので書けない)と本作に練り込んでおり、一部書評に現代の設定(宇田川くん)が都合良すぎるとあるが、それを差し引いても十分面白さを味わえる。

    最後ある人物の告白があるのだが、作者のこの物語り(シリーズ)に対する気迫を感じ、今後のシリーズが一層楽しみな作品である。

    文体が軽いのが気になるので1点減点の4点とする。

  • 女探偵役の主人公おゆうの人物像がとても現代的な女性で、作者が男性であることが意外なほど。
    あとがきでパトリシアコーンウェルをはじめとしたアメリカミステリに造詣が深いとあり、妙に納得した。
    思考力や生活が合理的で、勤め人に向いてない性格の主人公を、江戸の世界で生き生きと動かしてる。
    なかなか進展しない伝三郎とのやりとりも、ラストの衝撃な暴露で読者をすっきりと納得させた。
    続刊を読むのが楽しみなミステリ。

  • 話の筋としては面白いんだけど、おゆうの性格が悪すぎて読む気が失せる。
    どなたかの感想にも、伝三郎とやりたいだけってというのがあったけどまさに。
    そんな部分露骨に出すことじゃないのになぁと思ってたら作者は男性と。なるほど。
    もー二度と読まないかな。

  • 著者初読み。
    ブログで紹介されていて、現代と江戸時代を行ったり来たりしながら、謎を解くと言う設定に興味が湧いて、読んでみた作品。
    祖母が亡くなった後、家を相続した孫の優佳。その家には江戸時代にタイムスリップ出来ると言う秘密があった。
    江戸時代にタイムスリップした優佳は江戸の町で起こる事件の謎解きを始める。
    と言うのが、大体のあらすじ。ま、そもそもがあり得ないことなので、エンタメ作品として割り切って読むしかないんだけど、それにしても突っ込みどころが満載過ぎる。
    優佳が謎を解くのは、子供の頃に刑事に憧れて、でも簡単にはなれないことが分かって、諦めて普通のOLになったけど、江戸時代なら出来るかも…と言う安易な動機。あくまでも謎解きでもなく、ただの「捜査ごっこ」。まだ30歳前なのに、江戸時代に行くために仕事を辞めてしまって、現代ではどうやって生計を立てているのかも、謎。そして、一番嫌だったのが、不必要な色恋沙汰を挟んでいること。
    男性作家が女性を主人公にした場合、たまに見られるけど、今作は女性を軽蔑しているような感じがするくらい過剰だった。本筋が凝っているだけに背景で損をしているのがもったいない。

  • いつもは読み終えたあとすぐに次を読み始めるのだが、今日はこの感動の余韻に浸りたいと思う。最高の一冊でした。おススメ。
    あらすじ(背表紙より)
    江戸の両国橋近くに住むおゆうは、老舗の薬種問屋から殺された息子の汚名をそそいでほしいと依頼を受け、同心の伝三郎とともに調査に乗り出す…が彼女の正体はアラサー元OL・関口優佳。家の扉をくぐって江戸と現代で二重生活を送っていたのだ―。優佳は現代科学を駆使し謎を解いていくが、いかにして江戸の人間に真実を伝えるのか…。ふたつの時代を行き来しながら事件の真相に迫る!

    • くまさん
      分かります!
      本との出逢いの中で
      余韻に浸りたい気持ちになる時て
      ありますよね。

      なんか初めてこの本知ったんですが
      あらすじ面白そうなので...
      分かります!
      本との出逢いの中で
      余韻に浸りたい気持ちになる時て
      ありますよね。

      なんか初めてこの本知ったんですが
      あらすじ面白そうなので読んでみたいと思いました^_^
      2017/07/25
  • 新しい世代の時代劇とでも言いましょうか、SFのようにも感じる私は年寄りだからかも。おゆうのこれからに期待してシリーズに突入していきます

  • SFで時代小説のミステリーという、変わった設定のお話

    展開は二転三転し、最後にはもう一つの秘密が明かされるという盛り沢山なエンタメで、面白かったです

    現代と江戸を行き来するが故のジレンマが効いてますね
    続編もあり

  • 著者初読み。
    主人公に“品の無さ”を感じてしまうのが残念。
    科学捜査で得た情報をどうやって江戸時代の者に伝え伝わるのか?がメインかと思って読み始めたけど、思いがけない力技(手がかりを与えるんじゃなく、強引に正答を見せつける)だったのは、うーん。。。

    なんだけど、設定や話の筋自体は嫌いじゃなんだよなぁ(^^;
    続編に手がのびる可能性は残りました。

  • 現代と江戸時代を自由に行き来できる現代のOLが、江戸時代の殺人事件の謎を解くという話です。
    タイムスリップものと推理物が大好物なので、面白かったです。

    主要な登場人物たちがみんな魅力的です。しかし、おゆうが伝三郎に抱く気持ちが恋心というより、「やりたい」っていうだけになっていて、なんだか引いてしまいます。

    おゆうが初めて江戸に来てから、江戸の生活に馴染んでいくまで色々な戸惑いや、失敗があったはずなのにその部分が書かれていなくて物足りなかったです。
    2作目以降でその辺を描いていくのでしょうか。

    最後の数ページで伝三郎の秘密が明かされた時は、予期してなかったのでびっくりでした。

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著者プロフィール

一九六〇年、和歌山県生まれ。中央大学法学部卒業。第十三回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉となった、『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』で二〇一五年デビュー。同作はシリーズ化され、人気を博す。一八年、『阪堺電車177号の追憶』で第六回大阪ほんま本大賞受賞。他に『開化鐵道探偵』『軍艦探偵』『江戸の闇風』『途中下車はできません』『鷹の城』など著書多数。

「2023年 『江戸美人捕物帳 入舟長屋のおみわ 隣人の陰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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