大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2015年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800244413
感想・レビュー・書評
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何の予備知識も無しに、ほぼ「ジャケ買い」。
でも、これがまた大当たり(^o^
とっっっても楽しく読めました(^ ^
話をざっくりまとめると...
とある事情で現代の東京と江戸時代をとを
行ったり来たりするようになった女性が、
江戸時代で町方の手伝いをして事件を解決する...
という感じで、まぁSFと言うかファンタジーというか。
でも、ミステリとしてしっかり面白い。
ポイントは、江戸の事件の謎解きに、
現代日本の科学捜査を取り入れてるところ。
指紋照合、ルミノール反応、DNA鑑定やら、
盗聴器にスタンガンまで登場する(^ ^;
でも「指紋を照合した結果、犯人が判明した」としても、
それを「どうやって江戸時代の人に説明するか」
主人公が悩む姿が面白い(^ ^
さらに、一つ謎を解決すると、それが次の謎を呼び、
最終的にものすごく大きな事件が全貌を現す。
単純な謎解き連作ではなく、かなり壮大な全体像。
しかもなお、主人公と「ちょいといい仲」の町方が、
これまた「訳あり」だったりして...(^ ^
「これでもか」と言うほどに色んな要素を盛り込み、
それでいて破綻なくきちんと「読み物として面白い」。
この作者の筆力は、ただならぬものがある(^ ^
秋の夜長に「一気読み必至」の佳作(^o^
一点だけ注意すべきは、江戸の文化について
最低限の知識がないとややついてけないか?(^ ^;
落語とか時代劇好きな人は無問題(^ ^ -
事件解決と見せかけて二転三転する、なかなか練られた作品です。しかも最後には次作への伏線が。
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ご都合主義なところもあるけれど、幾重にも入り組んだ真相とラストの驚きと、先ずはトンデモ設定なので、そこは許せるレベル。現代人が江戸の生活に馴染むには結構時間がかかると思うけれど。通貨単位とか時間制とか言葉遣いとか。おゆうさんパーフェクトにこなしてるなあ。面白かった。
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1960年生まれ、山本巧次さんの「八丁堀のおゆう」、2015.8発行です。同じ時間帯をパラレルに進行させていく作品は、広瀬正さんの「エロス」、佐藤正午さんの「Y」、山本甲士さんの「巡る女」など。江戸と現代を行ったり来たりの作品は、梶尾真治さんの「つばき、時跳び」でお馴染みです。どれも楽しい作品です(^-^) さて、「八丁堀のおゆう」に出てくる「おゆう」は「つばき」と同様に、江戸と現在の二重生活で、同心鵜飼伝三郎、警察の宇田川聡史とのやりとりをしながら江戸の事件の解決をしていきます!面白いです(^-^)
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さすがに、現代パートが都合良すぎるんじゃないかなぁ。(^^;
現代の科学知識で江戸時代の事件を解決するっていう発想は良いんだけれど、都合良すぎる現代パートのせいでしらけてしまう感じがあります。
せめて本人に科学的なスキルがあればなぁ。
あと、まぁ、男性に誘われるのを待つ女性って、江戸時代的にも現代的にも似合わない感じがしますね。
どちらかというと、昭和前半の中途半端な古くさい倫理観って気がしますが。
目の付け所が良かっただけにちょっと残念かも。 -
設定が大好きなタイプだったので、うきうきしながら読み始めて、、、
あれ?なんだかはまれない。
なにしろ、ヒロインの性格が好きになれない。
何、それって感じ。
正直、不愉快。近くにいたら遠巻きにするタイプ。
事件への関わり方もなんだかなーだし、伝三郎への対応にいたっては、何をか言わんや。
宇田川は、魅力的なキャラなんだけどねー。
事件の真相の後に明かされた秘密にはびっくりしたけど。
ま、次は、気が向いたら、かな。