山口組 分裂抗争の全内幕

  • 宝島社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800248503

作品紹介・あらすじ

六代目山口組×神戸山口組、最高幹部が全てを語った。なぜ割れた?大義はどちらに?情報戦、切り崩し、謀略。暗闇の最深部へ!

感想・レビュー・書評

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  • なんかおかしいぞと思ってはいた。後藤組元組長・後藤忠政『憚りな
    がら』、盛力組元組長・盛力健児『鎮魂 さらば、愛しの山口組』等
    広域指定暴力団・山口組を除籍になり、引退した直参組長たちが
    相次いで自叙伝を出版したのだもの。

    上記の2作品共に山口組6代目と司忍組長の出身母体である弘道会
    への批判がてんこ盛りだった。

    そうしたら、2015年8月末に山口組が割れた。割った側の中心が田岡
    3代目に寵愛された山本健一を初代に頂き、一時は「山健にあらずば
    山口にあらず」とも言われた山健組だ。

    そして名乗ったのが「神戸山口組」。この名称が公表された時、なんと
    も面倒な名称だなと思った。だって今までは「神戸」と言っただけで、
    それは山口組を指す言葉だったから。

    分裂後間もない時期に発行された作品なので現在とは少々事情は
    異なっているかもしれないが、山口組・神戸山口組双方の言い分を
    併記しているのでバランスは取れている。

    ただ、実話誌や暴力団関係の作品を既に読んでいる人には物足り
    ないかもしれない。

    盃を交わした以上、親が黒と言えば白いものでも黒になるヤクザの
    世界。その基本にあるのは盃だ。盃を受けた以上、親の言うことは
    絶対。しかし、山口組には田岡3代目が信条とした「親は子の面倒
    を見なければいけない」があった。

    しかし、司6代目になって「子は親の面倒を見る」に変わってしまった。
    高い上納金の他、盆・暮や司6代目の誕生日の付け届け、日用品の
    購入割り当てなど。

    暴対法や暴排条例で締め付けが厳しくなっているヤクザたちは金の
    捻出にも苦労しているようだ。

    「俺ら、雑貨屋の親父じゃない」。山口内部ではそんな不満も充満して
    いたようだ。このままでは弘道会が山口組の上に君臨することになる。
    そんな危機感と、本来の山口組の原点に回帰しようと古参の親方たち
    が組を割ったってことなんだろうな。

    山口組からしたら「盃受けといて勝手に飛び出して逆縁じゃないか。
    そりゃ筋が通らない」ってことらしい。

    だが、山一抗争(山一證券ではありません)の時とは環境が違うので、
    今のところ大きな抗争には発展しそうにないけどね。ただ、このまま
    では6代目のメンツ丸つぶれだよね。

    神戸山口組は徐々に構成員が増えているとの話もある。ただ、取り
    締まる警察関係者から見たら共倒れになってくれるのが一番いいの
    だろうな。

    本書では今回の分裂に関して警察関係者の談話も取っていて、これ
    が面白かった。

    心情的には神戸寄り。本当に潰したいのは名古屋(弘道会)と言う
    兵庫県警。これに対しで、山建だろうが弘道会だろうか関係ない。
    ヤクザと名のつくものは潰すだけと言う大阪府警。

    さすが第二山口組と言われた大阪府警である。あ、これからは大阪
    山口組と呼んだららいいのかしら。

    ダイジェストではあるが山口組の歴史や、関東の暴力団の動向、
    他団体の分裂騒動、暴力団と芸能界の関係等も書かれていて、
    ざくっと流れを掴むにはいいかも。

    尚、創立100年を記念して山口組は『山口組100年史』を編纂した
    そうだ。司6代目の写真がたくさん掲載されているとか。これ、非売品
    だよね。欲しいな…ボソ。

    さて、山口組と神戸山口組。共倒れになるのか、どちらかが生き残る
    のか。それとも共存していくのか。これからが気になるところだ。

  • 神戸山口組ができた経緯が中心。司忍が組長になった途端、上納金の額が100万以上となり、日用品の水や歯ブラシの販売がノルマとなる。ヤクザやってて水売りをしないといけないなんて屈辱的だろう。また主要なポストを名古屋を縄張りとする「弘道会」が占め、山口組を傘下に封じ込もうとしている。

    司忍は組長になる前はオシャレもせず、仏壇に手をあわすことを欠かさない人だったが、組長になった途端ブランド品に身を包み、仏壇は撤去させてしまった外道の人ということに「神戸山口組」と人に言わせるとなる。

    こういう組織の話ってよくあることですね。それがクリアに出る。だから面白い。暴力装置があってこその暴力団なのでその装置が働かないとなると舐められることになるので抗争は必ず起きる。ただ警察、マスコミはうるさいので誰かを殺すことになっても慎重に計画的に行われる。GPSで行動パターンを読み、高齢者が多いので病院の帰りの駐車場なんてとこを狙うそうだ。それを探偵社に委託したり、外人を使ったりするなんて話が興味深い。

    田岡組長の略歴も面白かった。正業につけることを意識して運営し実行するんですね。興行面もそうしたことで深い関わりを持つ。しかし暴力装置が背景にあることにはかわりない。
    複数のライターが書いていて、中には叙事的にわかりにくかったりもするが全体としては読み応えがあった。

  • するするっと読める上に情報が整理されていて良かった。週刊誌をなんぼ読んでもこうはならない。

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