- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800262370
作品紹介・あらすじ
絵画教室をやめて以来、大学で約十年ぶりに再会した優希と淳之介。旧交を温める二人だったが、絵の講師の息子だった「タケシ」という人物について、それぞれ記憶が書き換わっていることに気づく。タケシのことを架空の人物と思っていた優希と、有名スポーツ選手と勘違いしていた淳之介は、タケシの幼馴染・京香に連れられ、心理学の専門家・晴川あかりのもとを訪れる。「虚偽記憶」現象の原因究明を始めた四人が辿りつく真相とは-。
感想・レビュー・書評
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タケシの思いが純粋で、純粋なだけに辛さが胸に刺さる。
2人の幸せなストーリーもあっただろうに、それに想いを馳せるとやるせない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
上京した大学で再会した、高知のお絵かき教室仲間。
思い出話をするうちに、二人の記憶がかみ合わないことに気づく。
ふたりの中で、まったく別の記憶として存在する〈タケシ〉。
不可解な状況が謎めいて、〈虚偽記憶〉も興味深かった。
カウンセラーの晴川あかりもよかった。
後半はせつない。
最後は、ちょっと引っかかるものが。
本人の意思をないがしろにする行為だし、それまでのポリシーと矛盾する。 -
2.4
残念ながらあまり好きな感じではありませんでした。
前半に読ませどころが無く、なかなか読み進みませんでした。
ややこしい話を余計ややこしくしている感じがあり、読み辛かった、、(。´_`。)
前作はかなり面白かったのですが、、今作は登場人物の魅力もあまり感じられなかった。 -
他人によって自分の記憶が操作され書き換えられてしまう。現実味無いと思うけれど、小さな記憶の入れ違いは意図せずに自然と起きているのですよね。
記憶は曖昧なもの。
但し、真実を知る事が正しいとも思えない。
面白い題材とは思いますが、残念ながら私は共感出来ませんでした。
2.5寄りの3
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辻堂作品6作目。同じ☆4でも、これが一番落ちるかも?狙いは結構おもしろくて、どう話が進むのか気になって読みはしましたが、ここまで都合良くならないかなぁ、という気がしました。
後は、劇場型で目線変わるのも良いけど、ちょっと中途半端だった印象を受けました。最初の2章くらいは本当に読みにくかったし。むしろ、晴川先生のエピソードは削って最後らへんでひっくり返しのために使うか、最初からメインで出ても面白かったかも。 -
タイトルから、純粋な文学だと思っていたが、何と作者は2013年の「このミス」受賞者。「虚偽記憶」をテーマにどんな本格的な推理が繰り広げられるのだろう?と期待と不安にページを手繰っていくと、そこにはとてつもない愛情と優しさが…3人に虚偽の記憶を植え付けたタケシ。絵画教室で一緒だった優希と淳之介が大学で10年ぶりに再会したことにより、タケシがなぜ嘘の記憶を作らなければならなかったのかが明らかにされていく。この謎は本当に解かなければいけなかったのか…解かないことも優しさなのではないか…すごく深く人を思いやる気持ちが描かれていて、涙をこらえるのがやっとだった。自分もタケシのように、愛する人を思いやれる人間になりたいと思った。
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切ない話でした。