- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800262868
感想・レビュー・書評
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著者の言うように、歴史を理解するためには、細切れの知識ではダメで、歴史の流れを理解する必要がある。そのためには「日本史の流れを大まかにわかりやすく一気に学び直す」方法が有効である。
それで、どんな本になっているかじっくり検討させてもらった。結論から言えば、この本でそれを試さない方がいい。少し大変だけど、(語句や年代を覚えようとせずに)教科書を4-5時間かけて一回集中して読み通すことの方をお勧めする。
なぜならば、(前に読んだ角川版「漫画日本の歴史1」ほどは偏向してはいないけど)その書き方が難しい古代編と現代編を見てみると、やはり納得いかない部分がいくつかあったからである。
・10pのイラスト。西日本の顔のルーツは一様に瓜実顔の弥生系と間違うような書き方。しかし、現代の九州や沖縄の顔を見たらわかるように、かなり濃く縄文顔がいるのだ。
・15pに、「弥生時代みたいに広い田畑を作ると、定住する必要があるんだ。縄文時代にも狩場争いはあったかもしれないけど、土地を巡っての戦いが多くなったのは定住のせいかな」と書いているけど、その前のページで「(縄文時代に)定住が始まり」と書いているばかり。矛盾している。実際の答えは「余剰作物ができるようになったから」だ。
・所々が異様に専門的なのが、この本の特徴。一般男子の服装で、あえて縫わずに腰布を結んでまとっていると表現している。定説ではないと思うのだが。
・現代編。207pの(現代日本の基礎となる)安保条約を結ぶ情勢と理由の説明は、そもそも2ページで描けるものではない。私には、大いに異論があるが、ここでは説明は省く。
・基本的にこの著者は、護送船団方式の転換、民営化の2つとも大賛成の立場から書いている。それによって日本は繁栄したのだと。果たしてそれしか方法がなかったのか?
・バブル破綻はアメリカの貿易赤字と日本銀行の政策によって起きたとしている。まるで他人事である。しかも、日本経済史をほんの数ページで表現するのが、現代編と勘違いしているようだ。
・TPPを全面賛成の立場で書いている。納得出来ない。詳細をみるコメント0件をすべて表示