真説・戦国武将の素顔 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800267689

感想・レビュー・書評

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  • 本郷先生に言いたい。
    徳川家康が晩年まで、熟女好きであれば、お相手はもうこの世に存在していない方々になります!
    それはおいといて、私も日本が面白くないのは、家康のせいだと思っています。
    信長とか、秀吉の政権が続いていたら、もっと世界に開かれた日本になっていたかなぁ。

  • 2017年発売だから、2年経った現在とは、最新研究で中身は変わっているだろうけど、自分が持ってるイメージと違う視点で視ることができて、興味深く読めた。

    本郷先生の本は初めて読んだけれど、TVでの解説そのままで、とても読みやすかった。

  • 歴史家の著者が、戦国大名及び戦国悪女をディスった本。タイトルを拾うと、

    織田信長:野蛮な能力査定
    豊臣秀吉:信長以上のブラック上司
    徳川家康:美のない天下人
    武田信玄:意外と大局観がなかった?
    上杉謙信:゛義の人゛も人の心は読めなかった
    毛利元就:誰も信用しない戦国一の二枚舌
    石田三成:嫌味な中間管理職
    明智光秀:謎多き男の゛思いつき゛
    今川義元:永遠の引き立て役の実像とは?
    島津四兄弟:最強の武闘派ブラザーズ
    伊達政宗:実は戦国一の小悪党
    淀殿:豊臣家を滅ぼした最強の毒母

    となる。なるほどな、という指摘ばかりだが、どれも軽く批評しているだけなので、物足りなさが残る。

    秀吉「天下の人たらし」を演じていただけで、本性は人を信じない、地味で暗くて嫌らしい感じのやつ、上杉謙信に領土欲がかいのは嘘、侵略しても他国を治める能力に欠けていただけ、本能寺の変は、光秀が信長を殺せるチャンス到来に思わず「ちょっとやっちゃいました、テヘペロ」、などの解釈は面白かった。

  • 歴史学者の本郷和人が、戦国大名について採点した一冊。

    特筆すべき内容はなく、内容的にも辛口になっているが、現在の人気にとらわれずに悪いところも含めて客観的に評価しようとしてる姿勢を感じた。

  • 本書は、所謂“戦国武将”に関しての「実は非常に大きな論じる余地」というモノが在る、「この人が手掛けたことは、本当に善かったのか?」とか、「妥当な選択だったのか?」ということを、「“悪口”??」と謙遜しながら、正面突破で論じてみようとしている一冊だ。
    筆者は「“悪口”??」と謙遜はしているのだが、考えてみれば「少し引いた位置から、或る程度客観的に何処かのリーダーや組織がやって来たことを視て、その“妥当性”のようなことを論じる」というようなことをしてみれば、その「“悪口”??」という傾向を帯びる場合が生じるのは、「或る程度は免れ悪い」ような気もしてしまう…だから、「“悪口”??」と然程気に掛けることも無いように私は思う。
    “戦国武将”というのは、後世を生きている我々の目線から視れば、「昔々の或る時代を生きていたリーダー」ということに他ならない。そして本書で取上げられているのは、その中で「かなり知名度が高いと見受けられる」というような人達ばかりだ。そういうことで、本書は“リーダー論”としての面白味が非常に強いように思えた…
    版図を拡大して行こうとした武将達の“戦略”の“妥当性”を論じる辺りも面白いのだが、“人材登用”のやり方、“後継者選定”のやり方というようなことを論じる辺りはことに面白かった。
    本書では、一部に少し踏み込んで「近年の“研究”の傾向?」というようなことを論じている箇所も見受けられたが、そこに関しては“研究”に「留まらない問題」であるようにも感じられた…
    或いは本書は、「歴史を学んでみる」または「歴史“に”学んでみようとする」ことの“醍醐味”のような内容を含んでいるかもしれない。お薦め!!

  • 「悪口はブーメランです。」
    「織田信長さんをはじめ、戦国の英傑のみなさま方、本当に申し訳ございませんでした(土下座)。」
    これがこの本の締め括りです。

    著者は東京大学の史料編纂所の教授なんですけど、
    教科書で素晴らしい業績ばかり書かれている英傑たちの、
    “そうは言っても人間なんだから、現実はこうだったのよね”という明け透けな話を、
    ときおり若い歴史研究家への不満や最近の歴史学への悪口(愚痴?)もこぼしつつ、
    歴史の裏話的な内容と、東大の教授とは思えない かなりフランクな文筆で楽しくあっという間に読めました。
    歴史上の人物をヒーロー視している人も、暴言吐いた後に迅速に謝る軽さに、思わず楽しく読めるのでは?

    ・本著抜粋
    ≪第一章 天下人の失敗と素顔≫
    ■野蛮な能力査定 織田信長
    ・部下はとりあえず戦場に放り込まれる。敵の首を上げて帰って来たものだけを認める。おっかねえな。
    ・信長の下では、期待に応えないとクビが飛ぶ。もちろんこの場合のクビは本当の首です。
    ■信長以上のブラック上司 豊臣秀吉
    ・豊臣秀吉は織田信長を呼び捨てにしていた!/・秀吉の明るさは、計算尽く。
    ■美のない天下人 徳川家康
    ・「家康さん。それをやったら台無しです。」ということを平気でやる。それが、家康なんです。
    ・一緒に酒飲んでても、話も説教臭くて トンチが利いた感じがしない。
    ◇戦国コラム 槍一本で大名になれたのか
    ・なれません。用兵術や事務仕事、つまり頭も必要なのです。
    ≪第二章 名将も後継者の育成は苦手だった?≫
    ■意外と大局観がなかった? 武田信玄
    ・(従来の仕組みに気を配ってしまう)信玄の戦略はやはり古い。そこがちょっと辛い。
    ・戦ったら勝ち。戦ったら強い。でも最終的になにがしたかったんだろうってことを思ってしまいます。
    ■“義の人”も人の心は読めなかった 上杉謙信
    ・次の社長を決めないで「会社辞めます」などというのは、もう無責任。
    ・ひとりで粋がる、独りよがりの“義の武将”。/中二病的なところもある 面白い人。
    ■誰も信用しない戦国一の二枚舌 毛利元就
    ・「家来など信用できん。本当に毛利家のためを思っている奴なんかひとりもいないんだぞ。」
    ・「お前らは分際をわきまえろよ。あのボンクラな兄ちゃんをしっかり盛り立てていけよ。」
    ◇戦国コラム 戦場で槍を使う理由
    ・当時の兵も、刀で斬り合う接近戦は やはり怖くてできなかったんじゃないかなと思うんです。
    ≪第三章 敗者の実像とホンネ≫
    ■嫌味な中間管理職 石田三成
    ・やはり反省しないといけない点がいっぱいあるわけで、
    人間性において“非常に問題のある人”だったのではないかなと僕などは思ってしまいます。
    ■謎多き男の“思いつき” 明智光秀
    ・戦国大名としての誘惑から「今なら信長を討てる」「なんだか思わず行動しちゃいました。テヘペロ。」
     みたいな、そういう感じだったんじゃないかなと僕は思っていたりします。
    ■永遠の引き立て役の実像とは 今川義元
    ・軒並みバカ殿のような恰好をさせられますが、極めて勇猛で優秀な戦国大名でした。
    ・やはり義元は時代の寵児・信長に敗れたことが運の尽きだったのでしょう。
    ◇戦国コラム 日本に軍師は存在しない!?
    ・兼続も官兵衛も半兵衛も司令官。真田昌幸も中小企業の社長。軍師は存在しません。
    ≪第四章 地元LOVEな地方の英雄≫
    ■最強の武闘派ブラザーズ 島津四兄弟
    ・もう他の武将たちとあまりに違い過ぎですね。“気”の持ちようが違うというのかな?
    ・島津は武闘派中の武闘派で、もう、「ヒャッハー」って家だから、どうにもなりません。
    ・暴走族かヤンキーのように喧嘩っ早く「俺たちバカにされている」と逆恨みし薩摩第一主義に拍車がかかります。
    ■じつは戦国一の小悪党 伊達政宗
    ・もう、そういう余計なことばかりやって、どんどん立場を悪くしていく。
     「もうおとなしくしてなさいよ、あんたは」というのが政宗の実像なのです。
    ◇戦国コラム 政宗と小十郎のちょっと痛い話
    ・男色は体を傷付けて証を立てることがありました。
    政宗の「俺は昔、体中傷だらけだったけど、最近はやらないな」と言ったという記録が残っていて、
    「ホントもう、バカじゃないか」と思います。

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著者プロフィール

1960年、東京都生まれ。1983年、東京大学文学部卒業。1988年、同大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。同年、東京大学史料編纂所に入所、『大日本史料』第5編の編纂にあたる。東京大学大学院情報学環准教授を経て、東京大学史料編纂所教授。専門は中世政治史。著書に『東大教授がおしえる やばい日本史』『新・中世王権論』『壬申の乱と関ヶ原の戦い』『上皇の日本史』『承久の乱』『世襲の日本史』『権力の日本史』『空白の日本史』など。

「2020年 『日本史でたどるニッポン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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