スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2017年4月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800270665
感想・レビュー・書評
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ただそれだけの事のはずなのに。
そんな出来事から様々な事件に移る展開。
現代社会の恐ろしさを感じた作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とても怖い、でも面白い。
主人公とその彼氏が『スマホを落としただけなのに』強烈な悪意を持った人間にそのスマホを拾われた事から、恐ろしい事件に飲み込まれていく物語です。
犯人が誰なのかは予想できたのですが、主人公の抱えていた秘密には驚かされました。
ただ、物語を進行させるために必要なのは理解できますが、主人公とその彼氏がSNSやネット上のセキュリティに対して、あまりにも無頓着すぎて、そこだけはリアリティーが欠けていたと思います。
ところで、本編には全く関係ないのですが、この犯人が途中からずっとJOJO第4部の吉良吉影で脳内再生されてました。
女性の身体の一部分だけに異常に執着するところとか、うまくカムフラージュして社会にひっそりと溶け込んでいるところとか。
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SNSに限らずAmazonや楽天市場といったECサイトを利用する際も、危ないよなーと分かりつつ連想しやすいパスワードにしたり、同じパスワードを使い回してしまう人も多いのではないでしょうか。
「特定班」という言葉も存在するくらいなので、恐ろしいほどの執着心で個人情報を探る人がいるのも現状ですよね。
スマホの取り扱いに気をつけようと身が引き締まりました。 -
コワッ。スマホ、こんな小さな物なのに、この中には個人情報がギュッと詰まってる。
今の私の状況はどうかな?LINEはしてるけど、他はしてない。これ読んじゃうと益々したくなくなるし、絶対しないと思う。
最初から犯人がわかってるようで実像はなかったけど、やっぱり途中から颯爽と出てきた奴だった。
武井はとばっちりを食ったが、嫌な奴だったから自業自得。
麻美も秘密があったし、富田は憎めない奴だったね。
ネットの怖さにドキドキしながら、読むのが止まらなかった。結構面白かったです。 -
A(クラッカー)、B(麻美)、C(毒島、加賀谷)の視点から書かれていてとても読みやすかった。
クラッカーの正体がわかったときと、麻美の正体がわかったときは「そうきたかあああ」と度肝を抜かれた。
私たちのごく身近にあるSNSによる連続殺人。人ごとではないなと感じたし、スマホを持つことに少し抵抗を覚えた。SNSの怖さを改めて痛感した。 -
う~ん。。。
しょっぱなから、読んでいて嫌~な気持ちが続いていく。
タイトル通り、最初はスマホを落としただけだったのである。
それなのにあれよあれよという間に暴かれていく
個人情報、、、
悪意と知識を併せ持ったやつに拾われると
こんなにヤバイことになってしまうのね。
読みながら終始私が嫌~な気持ちに覆われていたのは
私は絶対大丈夫!とは思えなかったからだ、、、
『推測されるようなパスワードは使わない』
『facebookで個人情報を公開しない』
充分わかっているつもりでいたことだけれど
『ちゃんと守らないと、こんなことになっちゃいますよ!』と、
今ものすごく恐ろしい再現VTRでも見せられたような気分です。。。 -
初志賀。とても身近なスマホ(主にSNS)を通し、現代の脆弱すぎる人間関係を浮き彫りにし、またクラッカーの怖さまざまざと見せつけられた作品。スマホを持っている限り、いつでも彼らのように巻き込まれる可能性があると思うと背中に嫌な汗が流れますね…Oh,kowa.笑
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2022/08/22
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2022/08/23
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一読して、フェイスブックを止めようかな、と思いました。
いや、本当に怖い。
サラリーマンの富田が、タクシーにスマホを忘れてしまったことから大騒動は始まります。
スマホを拾ったのは、ある男。
男はフェイスブックを使って、麻美に接近しようと試みます。
フェイスブックでそんなことまで出来るのかと、読んでいて本当に恐ろしくなりました。
しかも、富田のスマホには、富田の彼女である稲葉麻美のあられもない姿まで写っています。
悪意のある男が、プライバシーの塊と言っても過言ではない他人のスマホを拾ったらどうなるか。
考えるだに恐ろしい。
たしかに犯人の男も怖い。
でも、本当に恐ろしいと思ったのは、実はこの男ではありません。
我が身を振り返り、あることに思い至ったからです。
それは、家族や友人との連絡をスマホに頼り切っているということ。
自分に何か起きた時、本書にあるようなことは十分に起き得ます。
本書は最近、映画にもなりました。
そういう意味でも話題作ですね。
読んで損はありません。
解説で、作家の五十嵐貴久さんも激賞しています。
五十嵐さんといえば、「リカ」で話題をさらいました。
私も読みましたが、面白いやら怖いやら…。
その五十嵐さんに、「十年後、出版に携わる者、もちろん読者、そしてあらゆる階層の者たちが『志駕以前』と『志駕以降』というタームで、ミステリーというジャンルを語ることになるだろう」と言わせるのですから尋常ではありません。
次作も期待。 -
昨日の仕事帰りに購入し、数時間で読了。
これはスマホを持っている全ての人が震えるんじゃないかと。
あの小さな機械に入っている情報が如何に大きいか。
本当にこの手の犯罪は誰でも引っかかりそうなものだから、身近に感じて余計に怖い。
サイバー犯罪恐るべし。
次作が楽しみな作家さんです。