- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800271044
感想・レビュー・書評
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岬検事のショートストーリーが良かった
本文よりもショートがイキだったかな。本文が悪いって意味ではなく、早めに筋書きが読めてしまってたから。ヒント多過ぎかな?
ほぼシリーズは読了に近くなってきた。クラシックシリーズ、楽しいな。 -
途中から犯人もトリックもわかってしまった...
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以前の評論で綴った「さよならドビュッシー」で登場した天才ピアニストである岬洋介、本作はそんな岬の高校時代が描かれる。
岐阜県立加茂北高校音楽科は、カリキュラムに音楽課程が組み込まれており、音楽理論や楽器の演奏技術を学ぶことができる珍しいタイプの高校である。
しかし音楽科の実態は、比較的に偏差値の高い普通科に落ちこぼれた受け皿として位置づけられており、クラスメイトのなかに音楽で生計を立てようとするものなどは一部の生徒しかいないのが現状であった。
そんなクラスに岬は転校したのだが、最初はその端正な姿に生徒たちは魅了された。しかし、彼の武器はそのビジュアルだけではなかった。彼がピアノの鍵盤に触れるとたちまち、奏でられる音楽は大衆を魅惑の世界に誘う。彼はまさにピアニストになるための天賦の才の持ち主だったのだ。
彼の演奏を聴いて、これまでモラトリアムという温室で育ってきた生徒たちは嫌でも現実を突きつけられる。音楽科という普通科とは違う特別な待遇のなかで学んできたというプライドは瞬く間にズタズタにされ、己の平凡な才能の認識と学んできたことへの現実が嫌でも突きつけられる。後に残ったのは岬に対する劣等感と嫌悪感。
よく努力家と天才家は対比される。どんな世界にも天才と言われる者はいる。努力したからと言って天才になれるわけではないが、天才はみんな努力している、有名な説法だ。
そして、そんな彼らのように努力しても天才と言われる者との間には決定的な壁が存在する。特に音楽界のようにスキルや技術が表面化されにくいものは猶更にその残酷な現実を見せつけられる。
はっきり言ってこのクラスメイト達は幼稚だ。圧倒的なピアノ演奏を見せつけられて、これまでの自分たちを否定されて、岬に対する嫉妬が憎悪に変わり、イジメにつながるのも自然な流れであろう。けれど自分は天才ではないからと努力を放棄し、能力のある者を排斥していい理屈にはならない。
結局のところ努力というのは何なのだろうか。我々は努力をすればその恩恵を受けることができると切に願っている。でも現実は残酷で報われない努力の方が圧倒的に多い。努力して高い水準に立ったところで結局のところ天才には勝てない。凡人が10だけ努力しても天才が1やったことに勝てない、それが現実だ。だからこそ生徒たちは岬を恨むのだ。
努力もしてない人が、天才を恨む権利はないという主張もあるだろう。
けれど努力して登りつめた凡人がその高みから天才の背中を見ることで初めて天才を恨むことができるのか。そうしてこれまでの努力は徒労だったと天才を恨むことは正しいのか。
無駄な努力などないというのは簡単だが、根拠もないのに都合よく取り繕った考えを押し付けるのはあまりにも身勝手だ。才能のない者は頑張るだけ時間の無駄なんだから早々に見切りをつけて、別の可能性を模索して傾注した方がいい、という主張は果たして正しいのか。
本作はそんな天才が突如として平凡なクラスに降臨してしまったことによる悲劇を描いている。天才は本人の自覚以上に周りに影響を与える。それは良い方向に作用することもあれば時に逆も然りだ。酷な言い方をすれば、岬が転校していなかったら、また違った展開にもなっていただろう。
これからも岬シリーズを追いかけていくつもりだ。そして彼がこれからどんな人生を歩んでいくのか、しっかりと見届けていきたいと思う。 -
途中で退屈になってしまい読み進めるのが非常に大変だった1冊。
これシリーズものだったのですね。
主人公の高校生時代の話って設定だったのか!
きっとシリーズものファンだったら楽しいであろう話なんでしょうが学生ものが少々苦手なので途中飽きちゃったのかな。
中山七里さん読みたいと思っていたのでそのうちこのシリーズの別の作品に挑戦してみて再びこれを読むとイメージも変わるかも。 -
シリーズの中でエピソード・ゼロとしての意味があるのだろうけど…単品ではおもしろくはなかった
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そのトリックはなしでしょ?
才能がない人に音楽をやめさせたいのかな?
岬という人を引き立たせるために周りの人間が能無し評価で表現されるのに違和感。