響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 (宝島社文庫)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800274915

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    率直な感想は。。。アオハルかよっ!

    なんだかんだ言って主人公の久美子も余裕で上手いのでは?人間関係色々悩むが、音楽のことで悩んではなさげ。

    プールのシーンは不要。

    あらすじ
    北宇治高校、久美子が二年生になって初めての京都府大会。北宇治高校は、危なげなく金賞・関西大会への出場を決める。男子校の龍生学園は有名顧問が入ったことにより、去年の銅賞から一気に金賞・関西大会への出場を果たす。

    この巻は、オーボエのみぞれとフルートの希美に焦点を当てる。自由曲はオーボエとフルートのソロの掛け合いがメイン。自由曲の気持ちに感情移入できないみぞれは当初、苦戦していたが、合宿で新山先生からのアドバイスにより覚醒し、格段に良くなった自由曲が仕上がる。

    北宇治は関西大会でベストを尽くすも、最後の1枠を龍聖に奪われ、ダメ金という結果に終わる。

    最後は久美子がなんと新部長に指名され、吹奏楽部に全てを捧げるために、恋人の秀一との別れを切り出す。

  • 久美子たちが2年生のストーリー、後編。
    優子と夏紀は本当にいい部長・副部長コンビだったな。
    奏者からマネージャーに転校した友恵も、重要な役回りで献身的にやっていて感動した。

    今回はコンクール、どこまで進むんだろう・どういう結果にするんだろう、と思いながら読んでいたけど、全国大会に進めない関西大会ダメ金かぁ。。
    練習の描写では少しずつの妥協が重なって…となっていて今年はダメなのかなと思ったけど、本番の描写では素晴らしいものになった様だったので期待していたけど。そういうこともあるよね。全国に進めるのが関西で三校と、無理矢理数が決められてしまっている中での音楽のコンクール。演奏は素晴らしいのに、実績が伴わない学校なんて、実際に沢山あるんだろうと思う。審査員の僅かな裁量で学生たちの心も生活も振り回されてなんだか切ない。

    最後は優子と夏紀が久美子を新部長に指名して終わる。
    まさかそれによって秀一に別れを切り出すとは思わなかったけど…真面目というか頑なだなぁ。
    そして新副部長はまさかの秀一!!このコンビで新生北宇治がどうなるのか楽しみ。

  •  本シリーズは、頼りになり読者が思い入れやすい形の主人公と、完璧な理想を体現するヒロインが物語の中心にとなってストーリーが展開され、ハッピーエンドな王道のストーリーで、爽快か気持ちになりながら感動できるが、反面ストーリー展開が予想通りである。
     予想通りの展開ならば主人公が2年生の本編は、最終楽章に向けたステップとして、シリーズ全体では多分一番花がない場面であると思われる。
     そのため、他編に比べてやや面白くはなかったが、最終楽章への期待が膨らむ内容であった。

  • この作品で浮き上がるのは北宇治高校というノンビリ
    吹奏楽部が急遽強豪校になった事で、他校に比べても
    部員の心もちに格差が大きくなったため、なあなあで
    済ませる事ができず、おかしな空気が顕在化しやすい
    傘木希美が鎧塚みぞれに密かに思う妬みが友達のはず
    の二人の関係を歪んだ形に変形させるのが見ていられ
    ないほど苦しくなる(´・ω・`)

  • 意外な展開はなく。少女たちの成長譚。

  • アニメ版と全然内容が違ってた! 正直、原作の方が面白かった><。アニメ版は省略されすぎで、勿体ないなあ……。途中怖いシーンもあったけど、でも、久美子ちゃんが主人公だと基本は安心して読める! 3年生編はもっと心が揺さぶられる感じになるのかなあ……怖いなあ……。わたしは穏やかな話の方が好きだから><。波乱は少しくらいならあってもいいけどね! 音楽の話があんまりなかったのは残念だったかな。基本はこの物語、人間関係の話だよね! でも、3年生編も期待はしてる!

  • 【再読】新刊と映画のための復習その2。読み返して改めてこの巻は表紙2人を中心とした物語(リズと青い鳥)が主だったのだなと感じます。そしてラスト加部ちゃん先輩のシーンすごく良い。皆が彼女のことをどう思っていたかすごく伝わってきた(ここの号泣している優子先輩とか早く映像で観たい!絶対可愛い)。久美子は部長業に専念するために修一と決別することを選んだのに、副部長に修一を指名する先輩方。どっしり支えられるのはやはり修一でしょうね。ドラムメジャーの麗奈とともに決意の最終楽章へ。そして、次の曲が始まるのです。

  • 本巻の主題である希美とみぞれの話が、僕は本シリーズで最も好きだ。
    「勝利」だったり「団結」だったり「エンジョイ」だったり。部員のそれぞれが目指すものに対して、その存在意義が変わってくるというものが「部活」なのかなあと感じた。
    部員が大勢いれば、その分、人間関係が難しくなるのに決まっている。しかし、それに向き合って、少しでも部の協調を強めようとすることは、部員全員の「部活」に対する揺るぎない共通の存在意義なのではないだろうか。

  • 今回ばっかりは、曲を聴きたい…!て思った。
    リズと青い鳥? は、実際にある曲なの? それともこの本のために作られた曲??

    この小説は映画化されたんやっけ? ネットで調べたらちょいちょい音源はヒットしたけど、ちゃんと聴いてみたいなと思った。
    映画を観るべきかな。いやもうみぞれちゃんの「本気の演奏」を小説で読んでしまったから、衝撃は薄れちゃうかな。笑

    そもそもこの「リズと青い鳥」の話がわたしには「へえ…」て感触で、ここも、もしわたしが高校生ならぐっときたかもしれん、と、前編を読みながら思った。

    みぞれちゃんと希美ちゃんの関係をあらわしている、と、いうのも、なるほど…、と、思うものの、そもそもこの二人の関係性がいまいちつかみきれない…。

    と、思っていたモヤ感がすべてクリアに!

    なるほど!ふたりの関係ってそういうことやったのか。
    そうか…。そうかーっ。

    今回、希美ちゃんも掘り下げてくれたのがよかった。ほんとうにこのシリーズは、心理描写がすごい。
    誰かが誰かに向ける思いについて、こんなに細かく書いたら読むほうはかなり「くらう」んちゃうんかと心配になる(わたしが「くら」わないのは、ひつこいけどもう45才やからです)。

    誰かに対する思いを双方から書いてくれる。(筆致の)濃度と重さは必ずしもイコールじゃないけど、それでも充分すぎるほど伝わるものがあって、性別問わず、思いのベクトルが一致することは奇跡的なことなんやなとしみじみ思う。

    だからこそ想像するんやね。想像力がいるねん。
    いろんなことを想像してわたしもずっと過ごしてた。

    45才になったらもうそんなんがしんどくってねー。笑

    この人はどう思っているんやろう、だけじゃなくて、この人は何があってこう思うんやろう、まで想像するやん。
    そこまで考えるのがもうしんどいから、大人って、あっさりした付き合いしかできひんのかもな。笑

    でも、高校生のうちは、時間も体力もあるから、こんなふうに想像力をかきたててぶつかり合ってほしいよ。

    でも、何度も言うけど、今の子たちにこれはたぶん、へたなファンタジー小説よりファンタジーなんやろうな。

    人と人の付き合い方も変わってくるのを余儀なくされる時代やから、今の子たちにはもっと違う何かがあるんやろうな。わからんけど、幸せになってくれればそれでいい…。


    って、また、この本とは違う方向になりつつあるけど…(笑)、終盤はまたちょっと泣いたな。いつもそう。笑

    夢ちゃんにちゃんとオチ(?布石?)がついてよかった。
    久美子ちゃんたちも新たなスタートをきったけれども、夢ちゃんのそれは「最初の一歩」やったから、より重いよなって。

  • リズと青い鳥という劇場版があって
    劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜
    という劇場版があって。
    それの原作がここにある。
    アニメでは拾いきれない
    セリフにはならない心の動きを
    文字で言葉で書き留めてくれる嬉しさ。
    音楽は聞こえてはこないのですが、
    聞こえてくるような気分になれるのが
    小説の良さですね。

    コンクールという形をとっている以上
    結果はついてきます。
    目標があって、
    その目標に届くこともあれば、
    届かないこともあります。
    上手くなりたいって目標だと抽象的なので、
    そこを具体的にするのがコンクール。
    結果が伴わない、
    そのことに対して、
    その悔しさに対して
    しっかりと描いてくれることは嬉しいです。
    順番をつける以上、
    上の人がいる以上、
    争うしかないんですよね。

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著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化、コミカライズなどもされ人気を博している。2020年に『愛されなくても別に』が第37回織田作之助賞の候補に、また2001年には同作で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著作に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』『嘘つきなふたり』などがある。

「2023年 『愛されなくても別に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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