がん消滅の罠 完全寛解の謎 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 701
レビュー : 110
  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800279828

作品紹介・あらすじ

呼吸器内科の夏目医師は生命保険会社勤務の友人からある指摘を受ける。夏目が余命半年の宣告をした肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金を受け取った後も生存、病巣も消え去っているという。同様の保険金支払いが続けて起きており、今回で四例目。不審に感じた夏目は同僚の羽島と調査を始める。連続する奇妙ながん消失の謎。がん治療の世界で何が起こっているのだろうか-。

感想・レビュー・書評

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  • 治るはずのガンが再発,末期がんが消滅。不可解な事象の裏に隠された陰謀を医師夏目とがん研究者羽島が追及する…。周到に仕組まれた医療ミステリーで読み応え十分だけど,「先生」の動機には首をかしげてしまうのは自分だけ?

  • やっと読了。読んだり読まなかったりで、結局約4ヶ月かけての読了でした。なので、記憶がちょいちょい曖昧で…。(人物相関とかエピソードとか)

    読み始めて思ったのは、作者さんはミステリー、特に海外ミステリーの大ファンなのかな、という印象。改行の仕方や文体が「翻訳ミステリーを意識してるのかな」という印象でした。だからちょっと読みにくいな、とも。
    あと羽島のキャラクターが、言葉遣いのせいか、奥田英朗の「イン・ザ・プール」シリーズ(?)の伊良部医師ともかぶりました。奇人変人の天才ドクターというのは、みんなあんなキャラなのだろうか…。

    本編は興味深く、面白く読み終えました。
    が、納得いかない…。何が納得いかないって、西條先生の娘、恵理香の死。恵理香が羽島をかばうためにウソをついたとの事だけど…、そのウソ、必要? 恵理香の死の真相を知っても、別に羽島のせいで死んだとも思わない。故意じゃないどころか、本人すら知らなかった事実なんだし。それを羽島のせいって言うなら、誰かと恋愛するときは、いちいち精密検査しなくちゃいけなくなるんじゃないの? って思ってしまう。読み飛ばしたか要となるエピソードを忘れたのか、あたしの読解力が無さすぎなのか…。他の方のレビューを読んでも、そこに触れてる人がいないので、あたしがちゃんと読めてないのかもしれない…。
    うーん。もやっとするけど、それ以外は面白かったです。

  • 『殺人事件』ならぬ『活人事件』とは?
    がん消失の謎を追う医療ミステリー。

    余命宣告を受けた末期がんの患者が、別の病院で、寛解(完全にがんが消失)したと言う。しかも、複数の患者が...

    呼吸器内科の夏目医師達は、様々な方法で真相を追うが謎は解けない。やがて、以前、大学院でお世話になった恩師の影が見え隠れする。
    しかし、その恩師は、不可解な退職をしていた。いったい、何があったのか?

    物語は、二転三転しますが、最後の一行にあっと驚くこと、間違いなしです。
    医療用語が多数でてくるので、少し戸惑いますが、上質のミステリーの形に仕上げているのは、元々医療従事者であった著者ゆえ流石です。

  • 久々に☆5つ!
    普段「○○大賞」って信用してないけれど、この本、凄く面白かった!
    最初のイメージより意外とスケールは小さかったが、細部までよく練られたストーリーや伏線がきちんと回収されて気持ちが良かったし、何より、最後の最後の最後までビックリしっぱなし。
    後半、何となく予測がついて、分かったような気になったが…結果は想像の斜め上だった。
    それにしても…診察室って怖いなあ。病院選びが生死を分けるって事実だと思う。患者も勉強しなきゃな。

    • ひとしさん
      ちえさんこんにちは!お久しぶりです。
      ちえさんが☆5とは珍しい!!
      『読みたい』リストにはしていましたが、なんとなく手を出していませんで...
      ちえさんこんにちは!お久しぶりです。
      ちえさんが☆5とは珍しい!!
      『読みたい』リストにはしていましたが、なんとなく手を出していませんでした(^_^;)
      是非読まなきゃですね!
      2018/06/14
    • chie0305さん
      ひとしさん、こんにちは!
      昨夜、鹿児島から戻りました。最近、病院で医師や看護師と話す機会が多く、医療系の本が気になってます。この本も面白か...
      ひとしさん、こんにちは!
      昨夜、鹿児島から戻りました。最近、病院で医師や看護師と話す機会が多く、医療系の本が気になってます。この本も面白かったですよ。
      2018/06/15
  • 『このミステリーがすごい!』大賞、第15回大賞受賞作。
    ガンが何故消えたのか、という今までにない角度の謎解きだ。

    がんの最新研究についての記述は興味深い。
    NHKスペシャル「人体」でも扱われていた、免疫系の力と、それを突破するがん細胞の巧妙さには驚かされたものだが、まさかここでそれを再度目にするとは!
    124〜125頁を参照されたい。

    さて、私個人が感じるに、各登場人物たちは際立って魅力的とはいえない。
    特に主人公、夏目の花というか、オーラというか、そういったものが弱い。
    あえていうなら宇垣医師とその患者柳沢は好きだが、とにかく主人公の影が薄すぎる。
    「いい人」とは往々にしてそんなものかもしれないが。

    物語は真犯人を追い詰めて、そして、死で終わる。
    ネタバレするな!だって?
    バラすわけがない。
    そこで終わるんだったら、きっと「このミス」大賞ではなかっただろう。
    結末はそんなわけで、一回で理解できなくて、少し前に戻ってもう一度読み直した。
    とても、不気味な結末だった。
    自分たちが目指す社会の実現、それはとても美しい言葉だし、理想を描く素晴らしさを説くが、一方で美辞麗句の後ろに隠された「正義」の危うさを考えさせられたのだ。

  • テンポがよくてどんどん読めたが、一連の事件を引き起こす動機付けが弱いかな。もしかしたらあり得るかもしれない内容に、恐ろしさを感じた。後味はあまり良くなかった。

  • 余命宣告された癌患者 生命保険の特約で 生前におりるがん保険を受け取った後に 癌が完全寛解

    その謎に挑む医師の夏目と羽島

    謎解きがいろいろな仮説を立てて、答えを導き出す方法で、医療に疎い私には なかなか難解ではあった。

    この壮大な計画を始めた恩師西條の本当の動機が最後の最後になってあきらかになるが、奥さんの件は・・・私はあまり納得がいかないかも。

    娘の相手を探すのに結構時間が掛かっているのに、精子ボランティアで出来た子どもには簡単に会えて、同志になってるし・・・・
    ちょっと ツッコミを入れたくなってしまった。

    ミステリー好きにはお勧めでしょう。

  • 日本人の二人に一人は、がんとなる。
    そして、三人に一人が、がんで死ぬという。
    そのありふれた ガンのメカニズムが 明確になってきている。
    遺伝子解析から、ガン遺伝子も読み取ることができ
    それに対する治療方法も ある程度目処が立ち始めた。
    分子標的薬を抗がん剤の仲間のように書いているのは、
    もう少し、配慮が入りますね。
    何れにしても、抗がん剤という仕組みが、
    ガンの本質的な解決にならないことが、明らかになりつつある。
    それでも、抗がん剤にこだわるのは、ガン研究の潮流からみると
    違った方向に向いていると思う。

    医師の持つ 殺意が 密室の中で行われる。
    患者は、もう打つべき手はない。
    本質的な密室殺人とも言えそうだ。

    初期のガン細胞を発見する。
    それを切除するのであるが、
    さらに 進行型がんが 進み、転移する。
    生命保険のがん保険、そして、リビングニーズ特約という仕組みを
    うまく使って、ガンの発見そして余命を確認し
    生前に 生命保険を受け取ることで、生活を立て直す。
    この手法で、本来の貧困が解決するとは思えない。
    小さな善意と大きなおせっかいというものだ。
    少なくとも、悪意の 表の顔かもしれない。
     
    しかし、その技術を それだけに留めずに
    ガンを武器にして、脅迫まがいのことをする。
    これをなぜ進めるのかの 共感が得られない。
    また 反社会勢力との繋がりもなんとも言えない。
    悪意の ダークな部分でもある。

    悪意は、連鎖しているが、
    結局は 娘の仇を取るということと妻の不貞を懲らしめるという
    勧善懲悪の世界が 私情をベースにしているのが、残念である。

    それにしても、TSL腫瘍崩壊症候群 というのが、
    キイワードになり、ガン消滅の手法が明確化された
    手腕は 素晴らしいですね。
    西條先生の目的や行為は、ちょっと 違うけど
    技術的な着目は 意外感があって 新鮮だった。

  • スピード感もあって、なかなか楽しく読めました。

  • 沢山謎が出てくるけれど、それら全てにきちんと答えが出てすっきりした。
    最後に西條先生がこの計画を行った理由が、夏目らが考える以上の過去にあって、しかも事務長への復讐が夏目らが場所を教えた娘のDNAによって完全犯罪になっているところが最高だった。しかも宇垣先生が娘って!
    羽島や事務長、全てのエピソードが自然な伏線になっていて、それら全てが丁寧に紐解かれていくのがとても面白かった。

    幸か不幸かそのようなことをしても空しいだけだと考えるだけの理性を持ち合わせている

    素人にはできない総合的な判断を下すのが専門家の役割だよ

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