万引き家族【映画小説化作品】

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 909
レビュー : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800284075

感想・レビュー・書評

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  • 映画になったタイトルだと思って借りてみました。
    映画は見てないので原作のみの感想になりますが、物語は思ったより淡々と進んでいきます。
    その淡々と進む中に散りばめられた、たくさんの違和感を拾い集めながら、最後の大きな事件へと繋がります。

    —————-

    万引きを仕事にしている少年の翔太、それを教えた父、治。
    「店のものはまだ誰のものでもないから」と言って盗んでしまいます。
    それを悪いことだと思っていないのが治の怖い所。
    翔太は悪いことだと思っていますが、仕事をしている=家族のためだからと万引きを正当化して、悪いことだということから目を背けています。

    家族を守るために盗む。
    いとも簡単に「盗もう」という思考になるところに、読み手は違和感を覚えるのではないでしょうか。

    —————-

    翔太、そして治と集まってできた家族は、血の繋がりをもたない偽りの家族ですが、それぞれに事情があり行くあてがない人たちの集まりで出来たものでした。

    家族というものに苦しめられ、家族という集まりに理想を描いてできたのがこの一家です。

    —————-

    最後に子供は警察に保護され、治、そして信世はこれまでの罪を償うこととなります。

    やり方は間違っていたけれど、みんなこの家族に救われていた人達だと思うと、離れ離れになるシーンは少し切なかったです。
    最後はハッピーエンドではなかったけど、これから普通の生活が待ってるともいえない、少しザラついた終わり方でした。

  • 映画撮って、それを書籍化して面白いって凄い才能ですよね。どっちかだけでも充分なのに。「そして父のなる」の本も映画も両方とってもよかった。この本はまだ映画は見ていないけれど早く見たいと期待を抱かせるいい本でした。
    だらしない倫理観の大人達が寄り集まって、血のつながらない子供たちもなんとなく家族のように過ごしていて、いつまでもこんな状態続くわけないし、子供に悪い影響が有るのも分かるのに、キラキラしたモラトリアムの日々のように見えてしまうんですね。
    ニュースの一部としてこの状況を見たらば、子供が保護されて良かったって思うよなあ。裏側にそんなドラマが有るかもなんて思わないし、こんな愛ある犯罪生活もそうそう無いだろうし。
    最後は子どもたちが最後は幸せになれるのを祈りました。特に本当の親に虐待されていた女の子がこれ以上虐げられませんように。

  • 映像でパルムドール賞を受賞したけど、先に映画を見たので作中人物と俳優陣が重なってしまうのが残念ではある。やっぱり本を読んだあとに観映した方が良いね。それでも活字のほうも十二分に面白いし余韻も大きかった♪ この本を活かしきった俳優陣には拍手を贈るけどね。

  • …映画は観ていないです。万引きをして生活している家族の万引きのお話かと思っていたら、違いました。万引きはするんだけれど、家族に血の繋がりがなく、その事情、心の内を語ったものでした。誰もが事情ありなんだけれど、誰もが正しいことではないけれど寄り添うことで愛を感じたかったのでしょう。この家族になる前は辛いものであったし。子供の場合は放置や虐待。この家族が正しいとは言えない、しかし、そういった子供や大人を出してしまった元家族、背景も悪いのだ、その苦しさ。母としての役割を持つ信代の運命を背負う強さと、子供であるじゅりを思う時の弱さ、そして、祥太の賢さ強さが印象に残ります。悲しい物語でした。

  • 最後じゅりちゃんで終わって、昔見た映画『禁じられた遊び』を思い出しました。

    でも、じゅりちゃんと最近の悲惨な事件が重なります。

    そして自分は山戸のじいさんのような大人になりたいと思いました。

    映画を見てみたいです。
    ふたつの雪だるまはどんなふうに表現されているのだろう。

  • 映画はまだ見てない。見に行きたいけど行く時がなく・・・
    先に読んでしまったけど、登場人物の俳優さんが頭をよぎるので、見てる感覚で読んだ?っていうか。

    6人とも血は繋がってないけど、他人の方が絆が強いっていうのが印象的。
    正道から反れた人たちだけど、また一緒に住めたらいいのにって思う。

  •  正しいことと親切なことなら、親切なことを選ぶ――『ワンダー』にそんな台詞が出てくる。
     この映画は、情に篤く生きていても、どうしても抜け出せないものに捕まってしまった人たちが出てくる。じゃぁ一体どうすればいいの。そう思うことが生きてるとたくさんある。どうすればいいのかなんて答えは出ないから、せめて、安易に白黒つけるのだけは控えよう。そのくらいしかできないけど、それくらいはできるかな。ひとのことも。自分の中のどうしても受け入れられないことも、そんなふうに。

  • とある住宅街。柴田治と息子の祥太は、スーパーや駄菓子店で日々万引きをして生計をたてていた。
    ある日、治はじゅりという少女が家から閉め出されているのを見かねて連れて帰ってくる。
    驚く妻の信代だったが、少女の家庭事情を案じ、 一緒に「家族」として暮らすことに。
    年金で細々と生きる祖母の初枝、JK見学店で働く信代の妹・亜紀。6人家族として幸せに暮らしていた。
    しかし、ある出来事を境に、彼らの抱える 「秘密」が明らかになっていく―――。

    「家族」全員が血の繋がりがなく、ほぼ、誘拐と言えるような形の親子関係や祖母・孫関係。そこを繋ぐ絆として、万引きや年金の不正受給、さらには脅迫まがいのことが挙げられる。「息子」の万引きの失敗を境にその家族の秘密が明らかになっていき、いつしか「家族」はバラバラになってしまう。結局のところ、「家族」が一つになることもなく、微妙なかんじだった。

  • 『万引き家族』 是枝裕和さん著

    血は繋がっているけれど、全く関心を持たれず、親からの愛情も感じられないのなら、こんな“疑似家族” の方が良いのか…?と、もやもや感を抱きました。

    別丁扉の手触りにも、あるこだわりが。ちょっと泣ける…( ; ; )

    ちょっとネタバレですが……
    タイトルの「万引き」の意味は “モノ” だけでなく、”親の許可無しに子を ‘盗み’ 、一緒に生活している” ことも含まれるのでは…と思った。考えすぎかな?是枝さんに聞きたい!!

  • 「万引きしか教えてあげれるものがない」このセリフになんとも言えない悲しさと切なさを感じた。
    誘拐や万引きといった、犯罪である行為で繋がっている血の繋がっていない家族達だが、その中での温もりや優しさをみてると、法律って応用の効かないものだなぁと感じる反面、法律がないと人間って、人助けのつもりだったと何をしてもいいってことになるからなぁとモヤモヤした気分になった。

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著者プロフィール

映画監督、テレビディレクター。1962年生まれ。大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。1995年、映画監督デビュー。2004年、『誰も知らない』がカンヌ国際映画祭にて最優秀男優賞(柳楽優弥)受賞。

「2017年 『是枝裕和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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