- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800287359
感想・レビュー・書評
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政治色の強い内容。総理の真似をしていた売れない俳優という設定なので、政治も経済も素人総理に分かりやすく説明されてはいるが、やはり本気になって読まないと理解しづらい。途中から素人なりの理想論的な方向に行ったが、その方が一般大衆向けにも読む方にもマッチしているように思う。
このまま替玉で最後まで行けるかどうか、現実には無理と思うが、エンターテイメントとしては期待感を持ってしまう。
大使館占拠事件は「月光のスティグマ」とリンクした場面があり、こんな内容に繋がっていたとは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一国の総理大臣と瓜二つの、売れない舞台俳優が、総理大臣の替え玉となり、あらゆる難題をクリアして行く。
そんな荒唐無稽な話で
「んなアホな。。
政治に興味も関心も寄せていなかった若者に、
仮にも一国の宰相の替え玉が務まる筈あるかいな」
と読み進めて行くうちに、何となく、引き込まれて行った。
総理大臣・真垣統一郎に容姿がそっくりで、総理のモノマネをして、最近ようやく名前を知られては来たが、まだまだ売れない舞台役者・加納慎策が、峰窩織炎に罹って、目下意識不明の総理の替え玉にさせられてしまった。
「回復するまでの間」との約束だったが、真垣は、病状が悪化、帰らぬ人となった。
引くに引けなくなった慎策に、次から次へと、問題が持ち上がる。
そして、とうとう憲法違反騒動へと・・。
無辜の国民の命を守るために、海外に、自衛隊を派遣する決意をする、(偽)総理。
それが、正しかったのか、間違っていたのかは、わからないけど、改憲を旗頭に結党した、自由民主党に言いたい。
「早急に、憲法改正を進めるべき」と。
改憲を旗頭に結党した、自由民主党に -
総理大臣にそっくりで、劇団の前座でモノマネをしていた加納慎策がいきなり拉致され、病気で倒れた本物の総理の替え玉をさせられることになってしまう。最初の辺りの乗り切り方が痛快だ。型破りでユーモアがあり、相手の心にも入り込むことができる総理を演じるのだが、慎策、うーん、上手くいきすぎ。この後はなかなか大変なことになっていく。国会での施政方針演説、内閣人事局設置法案の提出、アルジェリア日本大使館へのテロ組織の占拠。自己中心的な官僚組織への取り組みへの族議員や官僚の抵抗、憲法第9条に縛られたテロへの対処の難しさなど非常に大きな問題を取り上げていて、日本人としては簡単に見過ごせないことなのだ。慎策は、国会議員・日本のトップという総理大臣の原点に回帰することを自分自身に突き付ける。最後のテレビを使った解決とレストランでのやり取りは、ほこっとするね。
中山七里は上手い!テーマもプロットも人間の描き方も素晴らしい。官房長官の樽見には思わず感情移入してしまう。本当の官房長官もこうだといいが。さて、現実の日本政府のトップたちはコロナ禍をどう解決してくれるのか。慎策ならどうしていただろうか。 -
総理にされた男 中山七里著
想定外 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
中山さんは、主人公がピアニスト、検事、解剖医師、銀行員と、まったく違うタイプを執筆されます。
まず、その時点で驚愕です。
さらに、その内容は、相当の調べをされた上で執筆されていることも読み取ることができます。
そして、いよいよ国、政府、首相を主人公に、、、。
主人公は、総理と似ている舞台俳優です。
主役ははれず、ひなたにでることなく数年の下積みの繰り返しです。
さて、そんな彼が誘拐されて、連れてこられたのが首相官邸です。
なんで?!
この主人公が自身の置かれた状況の理解に努め、一つひとつ役割をこなしていきます。
そう、環境に適応することのできるタイプです。
欲はなく、ただ、ただ、実直に務めを果たす。
物語の面白さだけではなく、主人公の彼から、生き方、考え方を教えてもらう人も多くいらっしゃるのかもしれません。
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総理大臣に、似てるからって急に代役!
(重症で本人ヤバイ…)
な〜んも、政治経済の事も分からんのにどうなるの?って感じ。
強みは、青臭さだけという…
でも、魑魅魍魎の政治の世界では、新鮮な感覚に見られ、みんなを徐々に魅了する。あんな妖怪だらけのとこで、仕事したくないけど^^;
何事も初心にかえるのは、重要やな。長く続けると垢が溜まって、あかんし。当然、磨かれる部分もあるやろうけど、思いとかそういうのは、1からってのも大事やと思う。
今の政治とか、玉虫色な判断とか多いし。それを分かってて、そのまま…
そろそろ、白黒つける時やな!
こういう総理大臣の時がチャンスやな!
なかなか面白かった!
現実見ると、総理大臣、急に総裁選出んとかなってるし…
みんな初心にかえって!
PS
主人公のように、子供ように目がキラキラやったら、良いけど、もう濁ってそう^^;
白内障ではないです!!! -
役者志望でヒモのような生活を送る加納慎策。
総理大臣に瓜二つの容姿を活かし、精巧なものまね芸で人気が出てきていたところだった。
そんなある日、意識不明に陥った総理大臣の替え玉を依頼されあれよあれよと言う間に総理大臣の椅子に座ることに!!
なんちゅー突拍子もない話やねん!!!
とたまげたが、これが超面白い。
政治なんて全然分からないアホな私が読んでも、ページを捲る手が止まらなくなるほど。
この先どうなるの!?ちゃんと元の家に帰れるの!?
もう心配で、心配で、心は慎策の母にでもなったかのよう(笑)
クライマックスの場面は、あれ?私この映像どこかで見てる。。。。
なぁ~んて既視感が。
それもそのはず、この場面は中山先生の他の本でしっかり読んでいた。
読めば読む程、そうだ!確かそうだったと確信に。
政治苦手の女性でも、かなり勉強になる素晴らしい本じゃないかなぁ~と思う(*^-^*)
もちろん、話の内容もかなり面白い(*^-^*) -
役者志望の慎策さん、総理にソックリで意識不明の総理代役にさせられるお話。
政治まったく分かりませんが、色々勉強になりました。
慎策さんと一緒に成長できた気がします。(笑)
展開もドキドキで慎策さんの演説が凄かった。
面白かったです。 -
これは面白かった!
ハチャメチャな設定ながらも、後半はぐっと来ました。
素人が総理大臣になる設定ものってコメディタッチでいろいろとありますが、本作は、それとはちょっと違うエンターテイメント作品です。
本作で、今の日本の課題、論点が明確になります。
政治の勉強ができます(笑)
ストーリとしては
売れない役者、慎策は総理大臣にそっくり。
劇団の前座でモノマネをしながら、貧乏で恋人のヒモの生活。
ある日、拉致され、意識不明の総理の替え玉をやらされることに。
その事実を知るのは、官房長官の樽見のみ
政治知識の全くない慎策でも、その演技力で総理大臣の替え玉になりきれるのか?
この導入から、
閣僚、野党、官僚、テロと様々な困難を乗り切っていきます。
そして、その流れの中で政治を学ぶことができます。
筆者中山さんの政治に対する考え方も理解できます。
なんといっても、はやり後半
内閣人事局設置法案やテロ対応には心熱くなりました。
こんなにうまくいくはずがないとは思いますが、そんなことは差し引いても、慎策の想いに心動かされます。
エンターテイメントストーリとして、楽しめました。
これはお勧め! -
中山七里さんといえば刑事もの、ミステリーしか読んだことがなくこのような政治小説は初めてでした。
政治を知らない素人がいきなり総理大臣に!という展開はよくある話で、『記憶にございません』『民王』などで経験済。
同じようなコメディタッチかと思いきやそこはやはり中山七里さんと言うべきか、中盤からは怒涛の展開。
「VSテロ」の部分はとてもハラハラしました。
解説が池上彰さんであることからも分かる通り、実際の日本の政治を基にした箇所が多くあるため、政治に興味を持つにも役に立つ一冊です。
インフレターゲット、消費税と法人税の関係、東日本大震災の復興予算の使い道、憲法第9条の是非等々…
その中で政治家不祥事問題も取り上げられていましたが、
解決すべき問題は山のようにあるのに、そのための貴重な時間をスキャンダルなんかで潰していいのかと思いました。
少子高齢化でもはや未来はないと叫ばれる日本ですが、
悲観する前にまずは自身で考え、自らの一票で未来を託す人物を選ぶことが大切なのだと思いました。
著者プロフィール
中山七里の作品






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