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本 ・本 (346ページ) / ISBN・EAN: 9784800290854
感想・レビュー・書評
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1999年1月4日。
新日本プロレス東京ドーム大会。
橋本真也vs.小川直也。
破壊王と柔道五輪銀メダリストの3度目の対決は、セミファイナルの前に組まれた。
当時、チャンピオンから陥落していた橋本。
プロレス転向後、ぱっとした活躍が出来てなかった小川。
あの日、私は友人たちと観戦していた。
多くのファンが、大した期待をしていない試合だった。
だが、そこから思わぬドラマが生まれる。
先に入場した小川。ぽっちゃりしていた体型を肉体改造し、ギラついた表情になっている。
後から入場する途中の橋本のテーマ「爆勝宣言」が流れる中、田中リングアナからマイクを奪った小川が叫ぶ。
「橋本! 死ぬ気があるなら上がってこい!」
試合は、一方的な展開。
無効試合となったが、実際は橋本のノックアウト負けだった。
試合後は両陣営入り乱れての大乱闘。
何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
ここから、2人のプロレスラー人生が大きく変わっていってしまう。
同年秋の再戦でも返り討ちに遭い、後がなくなった橋本。
「橋本真也34歳 小川直也に負けたら即引退!スペシャル」と銘打たれた5度目の一騎打ちは、8年3カ月ぶりのゴールデンタイム生放送となる。
だが、橋本は敗れた。
一度は復帰を果たすも、追われるように愛する新日本プロレスを退団。自らの団体を設立。
紆余曲折を経て、怨敵小川とタッグを結成する。
「やっぱり体を合わせてというか、闘った者同士じゃないとわからないなにかがあるんだろうなと思います。橋本ってすごく寛大な人だったんですよ。どんなにケンカしても、相手が謝ってきたら許してしまうようなところがあったので、小川さんと2人で話をしてみたら疑心暗鬼が解けたのかもしれないですね」(元夫人橋本かずみさん)
20年前の試合を巡って、多くの関係者が証言をし、1冊の本ができあがる。
それを当時を知るファンも、新しいファンも読みあさり、語り合う。
本書にも登場する闘魂三銃士の盟友武藤敬司の言葉を思い出す。
「プロレスとは、ゴールのないマラソンみたいなもの」
そして、永遠に続いていく大河小説でもある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
橋本vs小川 一連の話。
テレビで観てたな〜 -
プロレスが出来ない(理解してない)当時の小川の暴走であるという説が一番しっくりくるため、各人の証言をまとめるほどのこともないかなあという感想。
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1999年1月4日の橋本vs小川について、当事者以外の様々な選手や関係者が証言した一冊。
至近距離にいた人たちの話だけあって、どれも真実味があって面白かった。 -
20190320
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これまでにも1.4事変については
さまざまな媒体で特集記事やインタビューが組まれてきたが
それら過去の例に漏れず、ここでも
証言によってかなり内容が食い違っており
結局、真相は「藪の中」ということを確認できたにすぎなかった
まあすべてに忖度した小川直也単独の暴走に加え
橋本の疑心暗鬼による塩対応がコトを大きくしたのだと
総括できないこともないけど
しかしこの本を読んだとき
少なくとも99年当時のプロレスはまだ
ヤオガチのボーダーライン上で、どちらにも解釈できるものであり
そこから文学的な面白さも生じえたのだ
そのようにあらためて、なつかしい気持ちになれたのです
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