連続殺人鬼カエル男ふたたび (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.55
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感想 : 218
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800293527

感想・レビュー・書評

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  • 前作連続殺人鬼カエル男の続編。

    前作から連読だったこともあり、人物の相関図も把握していたので、興奮冷めやらぬ状態のまま物語に入り込めた。

    いやはや、今作も主に刑法第39条の心神喪失者の行為は罰しないことを重点に描かれているにも関わらず、殺戮の残虐性とどんでん返しっぷりは独特であり、著者の思考と嗜好を疑いたくなるほどだ。

    あっぱれ。この一言に尽きる作品。

    著者の積読はまだまだあるので、急がず焦らず読み進めていこうと思う。


  • R2.9.30 読了。

     前回のカエル男があまりにも衝撃的で、また古手川と有働小百合の戦闘シーンや古手川と当真勝雄の戦闘シーンなど見どころも満載で良かった。今作はカエル男が殺人を犯すシーンはグロさが目立った。しかし、前作と比べると物足りなさを感じてしまった。

     小説の巻末の「中山作品・人物相関図」を読んで、気になる中山七里さんの作品を読んでみたい。

  • 「ヒポクラテス」シリーズを読むと「カエル男」シリーズが読みたくなりました。

    今回も、現場の残酷で現実的な描写に胸いっぱいで胸やけ。なんか死体がすごく色鮮やかで、生々しくて、、、
    世間にカエル男の恐怖が報道やSNSを通じて伝播していく様子も現実的でゾッとする。
    だからこそ、また引き込まれて一気に読んでしまいました。
    犯人の正体に驚き!そしてラストの余韻にどっぷり浸りました。
    なにより、渡瀬の有能さがすごい!自分の上司だったら辛すぎですが、、、そして、古手川が熱い!

    「カエル男 ふたたび」を読むと次は「御子柴礼司」シリーズが読みたくなる〜。

  • 連続殺人鬼カエル男の続編
    前作読んだのが約1年前
    前作のストーリの半分ぐらいは忘却の彼方でしたので、前作のあらすじ、ネタバレをググって、予習しました(笑)

    ストーリとしては
    相変わらずのグロさ(笑)
    テーマは前作同様刑法39条、詐病
    前作同様、ミスリードを誘う展開で、犯人はこの人と思わせておいての展開でした。

    事件の精神科医の御前崎教授の自宅が爆破
    そして犯行声明文
    犯人は勝雄なのか?
    次々に起こる事件と犯行文
    さらに、有働さゆりの脱走
    カエル男は誰なのか?

    渡瀬と小手川が追いますが、やはり渡瀬の推理力がすごい

    そして事件の真相は?
    という展開です。
    楽しめました。

    しかし、本作は絶対に「連続殺人鬼カエル男」よりも先に読んではいけません。いろいろネタバレになるところがあります。
    さらに、「連続殺人鬼カエル男」読んだらすぐに本作を読むことをお勧めします。
    上下巻にしておけよって思います(笑)

    ということで、読む順番とタイミングに気を付けましょう。
    本書の終わり方だと、さらに続きがあるのかも..

    お勧めです。

  • 刑法第39条、医療刑務所についていろいろ考えさせられるが、結局は被害者、近隣の者になってみないと真剣には考えることができないことだろう。対岸の火事でしかないのかもしれない。それではいけないのかもしれないが。裁判員制度についても再三その問題点について中山七里は他の小説で提示してくるが、実際に選ばれたりしたら、とんでもないことには違いない。素人にどこまでできるのか。毎回、刑法などの制度を事件に絡めてくるが、凄惨な殺人事件であるので、とても冷静には考えられない。中山七里の思惑に翻弄されるのだ。
    今回も、最後のどんでん返しに向けてのミスリードが巧み過ぎて唸ってしまう。古手川刑事の目を通して語られるわけだが、直情径行、単純な古手川は、そのまま読者の思いなのだ。作者のたくらみ通りに踊らされる。それが面白くて読むのかもしれない。
    「カエル男ふたたび」であったが、さゆりがいる限り「カエル男また」があるのかもしれない。

  • 凄惨な連続殺人を稚拙な犯行声明文で社会を震撼させた「カエル男」。一度は解決をみたが、ふたたび連続殺人が始まる。
    カエル男続編ですね。図書館予約人数が少なかったので、まあ、待ちましょうかと思ったのが間違いの元。何ヶ月かかったんだか。どなたか長期保有してましたね。おかげで、詳細な設定忘れ気味で楽しさ半分ですよ。この2作品は、早めに続けて読むのがよろし。そして順番通りに。
    と言っても、単読でも楽しめるように創作されていますので、初めてでも思い出しつつでも読ませるのですが、込み入っているのでそこがちょっと冗長的になっているかなとは思いました。
    相変わらず、刑法•医療刑務所•マスコミなどミステリーだけで無く社会派小説としても確立した部分があり、ラストへ向けてのあれやこれは、次作への期待も持ってしまいます。

    • おびのりさん
      皆さん、ご心配いただきありがとうございます。いろいろ無事終わりました。
      もう、随分前からいろんな治療を拒否していた人ですから、もうそんなには...
      皆さん、ご心配いただきありがとうございます。いろいろ無事終わりました。
      もう、随分前からいろんな治療を拒否していた人ですから、もうそんなにはと思ってましたし、私の限界は、はるか昔に来てましたので、ほっとしてる方が大きいんですよ。
      まあ、いわゆる一人っ子。転勤先の同居介護を要求されて、全てワンオペで、やり過ごしてきたので、これから、旅行もできるし、お外で食事もできるし、友達とランチの約束もできちゃう。夢のような生活が始まるのです。
      読書以外の悦楽が増えるので、読書量は減るかもですね。
      2022/07/21
    • ひろさん
      これまで相当無理して頑張って来られたんですね。
      だから、やっと、ホッとできたんですね。
      本に対してもストイックで誠実なおびさんのことだから、...
      これまで相当無理して頑張って来られたんですね。
      だから、やっと、ホッとできたんですね。
      本に対してもストイックで誠実なおびさんのことだから、弱音も吐かずここまで来られたのではないでしょうか。
      ほんと、一人で大変でしたね。
      これだけ頑張ってきたおびさんのこと、私はお母様はわかってくれている気がします。
      なんて、何も知らないのに勝手なこと言っちゃいました。
      頑張ってきた分、これからは自分の時間を楽しまなきゃ!ですね♪
      返信は大丈夫です(*^^*)
      2022/07/21
    • 松子さん
      おびさん、本当に本当にお疲れ様でした。
      25年間の介護、きっときっと大変な事もあったと思います。
      おびさんの、やり切った感が伝わってきて
      本...
      おびさん、本当に本当にお疲れ様でした。
      25年間の介護、きっときっと大変な事もあったと思います。
      おびさんの、やり切った感が伝わってきて
      本当にすごい…の一言です。

      読書以外の快楽!すてきです!
      ランチに旅行にお出かけに、
      たーっくさん、楽しい時間を過ごしてくださいね(^^) そしてそんな楽しみなお話も聞きたいので、感想にアップしてくださーい(〃ω〃)
      2022/07/21
  • 徹底的な描写で目を背けたくなるぐらいでしたが、妙なリアリティがあって一気に読んでしまいました。

  • 前作での殺し方がエグかったが、今作でも激しい殺し方が続いている。(一部は違うようだが)
    何となく爆殺後の足取りが障がい者の割に上手く隠れている事に違和感があったが、最後の謎解きになる程と思わせられた。それにしても渡瀬の圧倒的な知識と推理力に驚かせられるが、対比としての若手の古手川刑事の進歩の無さが可哀想。
    最終章での殺人は上手く行ったのだろうか、また捕まえられるのだろうか。

  • 「連続殺人鬼カエル男」の続編。前作の事件から10ヵ月後、再び殺人事件が起きる。

    前作同様、背筋が凍るような猟奇殺人が生々しく描かれています。
    刑法第三十九条や詐病がテーマの社会派ミステリーとなっていて、読み応えがありました。
    また深層心理の闇が恐ろしい。
    被害者家族と加害者家族、様々な角度で描かれているところも良かったです。


    以下、ややネタバレ雑談ですが…

    まさに中山七里さんワールド。
    ・県警の渡瀬さん&古手川さんコンビ
    ・法医学の光崎教授
    ・新聞記者の尾上さん
    など前作に引き続き他の作品でもお馴染みのキャストでしたが、今回は御子柴弁護士まで登場。

    「贖罪の奏鳴曲」で御子柴少年が出会った天才ピアノ少女が「カエル男」シリーズのあの人だったというのはすごい。
    ここまで繋がっているなんて、中山さんの頭の中はどうなっているの?と感心してしまいます。
    今後の御子柴シリーズであの人が出てくるのか、本作の続編があるのか、ちょっと楽しみです。

    文庫本の最後に「中山作品・人物相関図」が40冊分載っています。
    こんなに親切にされると未読の作品が気になってきますが、2019年時点なので更に広がっていると思われます…

  • 連続殺人鬼 カエル男の続編

    大抵の小説は、順番を間違ってもそれなりに読み易く作られていると思うが、この作品は順番通りに読んだ方が絶対に面白い!
    先にカエル男を読んでおくべき。

    私が1作目を読んだのは2020年の7月。
    それからしばらく期間が開いてしまった上に、他の小説を色々読んでしまっていたので、少し記憶が薄らいでいた。

    ただ覚えているのが、犯人が二転三転し、犯人を追いかける刑事が半死の状態にまでなることだけ(^-^;


    この物語を読み進めて行くと、カエル男の記憶がアリアリと蘇ってくる。

    もう間違いなく犯人はコイツだ!!と分かっていたつもりだったのに、えーーーー!!
    そっちかよーーーー!!!!って最高の結末(笑)

    こんなにミステリ色々読んできているのに、あっさり騙される私って、最高の読者だわ(*^-^*)
    ほんと、中山先生のミステリは最高です。オススメ♪

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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