脱税の世界史

著者 :
  • 宝島社
3.67
  • (5)
  • (22)
  • (16)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 303
感想 : 24
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800293671

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1.大村大次郎さんのシリーズは大好きでやっと手に入れました。お金の面からみた国の崩壊について述べているところは現代にも通じるところがあります。

    2.国が崩壊するパターンとは官僚の腐敗→税収減→増税→民が疲弊→反乱となってます。どんなに立派な制度を作っても、金に目が眩み、国を滅ぼします。
    人類はこの歴史を繰り返して今まで生きています。なぜこのようなことがなくならないのか、読んでみると人間の愚かさを知れますし、脱税を防ぐために様々な手段が取られてるということもわかってきます。

    3.今の日本も同じ仕組みになっています。首相と仲が良い人達は減税を促進することで金持ちはそのまま優雅に暮らせる制度が確立している。一方、その他大勢の国民の負担を増やせばオッケーとなり、国の崩壊を促すような動きが加速しています。このように考えると、なぜ同じ歴史を繰り返してしまうのか不思議でなりません。やはり、自分さえ良ければなんでも良いと思ってしまうのが人間の本音なのだと理解しました。
    ただ、国民はなにもしないわけにはいかないので、今話題になっているNISAやIDECOを使って自助努力をする必要があります。いつまで続けてくれるかはわかりませんが、自分から動かない限り状況は変わらないということを改めて突きつけられました。

  • 統治と税金と宗教は、国家を機能させる要素であることがわかる。
    課税逃れも含め、脱税の横行には、国家や社会の崩壊のサインの裏返しでもある。日本の江戸時代にも、五公五民という言葉があったように、古今東西、権力者は庶民から、どう税金を取るか、狡猾な人々はどう税金から逃れるか、いたちごっこは今も昔も変わらず、歴史は繰り返していると実感する。日本の学校では大学も含め(税務大学は別)税金の授業を、真剣にしないのにも理由はあるのだろう。

  • 元国税調査官の著者が、税金と脱税を軸に歴史を語る本書。
    前半、というか全15章のうち9章までは、同著者の「お金の流れでわかる世界の歴史」と重複するトピックだった。
    ほぼ同じ文章が続くのもあり、同著を読んでいる場合は退屈に感じるかもしれない。

    10章〜15章は、近代の事例を解説しながら、国際的な税制がどういった形になってきたかを解説し、更にそれを逃れる企業や、各国の思惑などが語られており、非常に面白く読めた。

  • 面白い

  • 古代から現代における、脱税に焦点を絞った租税史です。
    歴史的な出来事には、政治や外交だけでなく経済も絡んでいます。
    脱税に関係のない内容も綴られていますが、時代背景を交えることで本筋の理解を助けています。
    現代の問題としては専らタックスヘイブンと消費税の話題になりますが、普段意識していないところの大きな穴に気付かされました。

  • 税制がテーマですが、歴史や社会構に対する理解を深められる良書だと思います。世界史を習う学生の頃に読みたかった。

  • 権力とは、「『正しい』を規定できるチカラ」である。秦の始皇帝は銭を統一し、人頭税を創設した。贋金や脱税が発生した/イエスの喩えにはカネの話が多い。ユダが受け取ったカネを弟子たちは受けるのを拒んだ/はじめは全財産を差し出させる集団だったが、体制化しローマ帝国と両立すると教会は1/10税で運営することになった/絶対国家は教会に嫉妬し、ヘンリー8世は離婚の不許可を口実に教会から徴税権を取り上げた/イギリスから独立して無税地となったアメリカは、所得税創設で欧州大戦に参戦/ヒトラーは印税収入脱税でナチスの基礎を建設

  • 共産主義が終わり、富裕層が優遇され 世界の大半が貧しくなった なるほど

  • 強引ではなく世知辛くも面白い教育の論点に感じる

  • 税金にはからくりがあって、富裕層は得をする一方というのは何となく知っていたが、それを分かりやすく説明している本。また、中国には色々闇があるんだなというのも分かった。
    歴史の部分はなかなかついていけなかった。
    会社でやっている読書会の課題図書。

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年生まれ、大阪府出身。
元国税調査官。主に法人税担当調査官として10年間国税庁に勤務。
現在は経営コンサルタントの傍ら、ビジネス・税金関係の執筆を行なっている。フジテレビドラマ「マルサ!!」監修。著書に『脱税のススメ』シリーズ(彩図社)、『完全図解版 税務署対策最強マニュアル』(ビジネス社)、『サラリーマンのための起業の教科書』(小学館)などがある。

「2023年 『正しい脱税』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大村大次郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×