猫の日本史 (歴史新書)

著者 :
制作 : 桐野作人 
  • 洋泉社
3.64
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本棚登録 : 192
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800311306

作品紹介・あらすじ

古代から日本人とともに暮らしてきた猫たち。その存在は、古代の天皇から禅僧、武士、江戸の庶民に至るまで多くの人びとに愛されてきた。残された数少ない記録から、猫の暮らしや、猫を中心とする人びとの交流などを丹念に描き出し、一千年以上におよぶ猫と日本人のかかわりをたどる。

感想・レビュー・書評

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  • 普段新書はほとんど読まないのだけれどふと目について借り出してきました。資料や史跡に残るあれこれから、古くから人と一緒に過ごしてきたはずなのあまり記録に残っていない猫をテーマに平安時代から明治の近代までを語るという変わった趣向の一冊。猫や動物が好きならば楽しんで読めると思います。膨大な人名や歴史上の事件や和歌や俳句がゾロゾロ出てくるのですが、特に歴史好きでなくても知っている程の大物(藤原道長に菅原道真や坂本龍馬など)くらいしか分からなくても、なんとなく雰囲気で読めました(特に平安の頃の誰が誰の姻戚でこことここは実の親子で、という本来なら至極面白く興味深い情報は一切頭に入って来ずに斜め読みしてしまい申し訳なかったです)。各章の間に読みやすいざっくばらんなエッセイが挟まれていたり、読者に優しい工夫がしてあり有りがたかったです。世田谷の豪徳寺の招き猫は知っていましたが鹿児島の仙巌園に猫神様が祀られているとは知りませんでした。

  • 平安時代から江戸時代まで、猫と人との関係の歴史を語る。
    第一章 華やかな平安の世に登場した唐猫
        ・・・天皇家・貴族・歌人たちと唐猫。庶民の中ののら猫。
    第二章 中世・戦乱の時代と猫たち
        ・・・為政者たちによる猫をめぐる法令や命令。猫の受難。
    第三章 太平の世を満喫した江戸の猫たち
        ・・・幕末・明治期も有り。鼠退治に逸物の猫。
      馬琴や京山、国芳等、文人・画家に愛された猫たちと、作品。
    冒頭に猫の絵のカラー口絵6ページ。
    各章にコラム6つずつ。参考文献は史料・論著等、多数有り。
    日本の歴史の中の、猫の逸話集です。
    狛は猫?等、著者の推測的な考察も多々あります。
    でもまぁ、内容としては読み易いし、興味深く面白い。
    ブログ的な宇多天皇の猫愛溢れる日記。
    唐猫とかなねこの謎。紐で繋がれる猫と放たれる猫。
    戦国時代、鷹の餌に猫&鑓の鞘用に猫の皮ですって!?
    島津氏に猫をねだる近衛前久・・・夫人に猫を取られたからってw
    江戸時代の猫ライフ・・・猫のトイレ砂とか、餌入れに鮑の殻とか、
    猫大事にされてるなぁと、こちらも楽しめました。

  • 平安時代(宇多天皇のあたり)から幕末までの猫が登場する記録をまとめてある
    日本人と猫との関係が分かる
    カラー口絵の中に近江屋で暗殺された坂本龍馬の血痕がある猫の屏風絵も載っている
    この猫は龍馬暗殺を目撃したんだなあ…

  • 猫好きわかるわかる?

  • ネコネコ日本史ではない
    遣唐使の船と共に日本に来た猫ちゃん
    禁裏から戦場まで皆さん猫無しに生きてられない

    法律も猫保護ふくめて沢山でている
    本当に猫好き日本人

  • 元々犬より猫派で、世界史より日本史の和モノ好きで、現在暇つぶしで浮世絵の猫を集めるアプリにはまっています。
    表紙に使われているにゃんこたちはどのこもタブレットの中にいる、ということで読み出したのですが。

    いやさすがに平安時代の天皇の順番とか関係とか覚えてないので、ちょっと掴みにくい所が。
    世界史よりはわかる知ってるという自信が揺らぐよね。
    新書だからそこんところはさらっと飛ばしてたりするし系図はないし。

    引用文がいろいろあって現代語訳してくれたり意訳文が載っているのですが、注釈がついてしかるべきところが流されててよくわかんない。
    例えば毛利輝元が出した法度の一部「飼い猫が飼い鳥などを捕ったときは、一つがいに並べて置いておくこと」の「一つがい」って?一番?ワンセットってこと?どういう状態なのそれ?

    日本史と言いながら海外文学の猫も引っ張って来る(けど歴史とまとめるには圧倒的に量が足りない)

    猫好きの想像が止まらない文章

    と、題材は好きなんだけどいちいち引っ掛かって時間がかかった。

    そしてよくよく見ると、新書にたまにあるのだけれど、大半を執筆している人(吉門裕)の名前が表紙に一切出ないのだよね。
    あとがきで共同執筆者がいなければ世に出せなかったと言いながら、名義は自分一人。
    これってなんなんだろう?企画が○○さんで通ってるし知名度の高い方でないと~みたいな出版社の大人の事情?
    辞書や理系の教科書は監修者がいるのが割と普通だけど、やっぱりそれ以外の監修本は吟味が必要だから、今後チョイスする際は要注意かなぁ。
    参考文献一覧がちゃんとついてる所は評価できるんだけど。


    表紙カバー / 『たとゑ尽の内』(歌川国芳)
    Imege / TMN Archives
    装幀 / ウエル・プランニング(神長 文夫・松岡 昌代)

  • ○目次
    第1章:雅やかな平安の世に登場した唐猫
    第2章:中世・争乱の時代と猫たち
    第3章:太平の世を満喫した江戸の猫たち

    根の通論ということで、猫をたた愛でる愛玩動物としてだけでなく、時には「逸物の猫」というように益獣としての活躍もみせ、文学や絵画作品に取り込まれるなど、人々の生活に一番近い存在の動物たったんだと本書を読んで知りました。
    『大和本草』に猫の特性が詳しく書かれていることにも驚きました。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00266204

  • 歴史

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:645.7||K
    資料ID:95170690

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著者プロフィール

桐野作人 きりのさくじん  
1954年鹿児島県生まれ。歴史作家、武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。歴史関係の出版社編集長を経て独立。戦国・織豊期や幕末維新期を中心に執筆・講演活動を行う。
主な著書に『織田信長―戦国最強の軍事カリスマ』(KADOKAWA)、『本能寺の変の首謀者はだれか』(吉川弘文館)、『真説 関ヶ原合戦』(学研M文庫)、『島津義久』(PHP研究所)、『さつま人国誌 戦国・近世編』1・2・3(南日本新聞社)など。

「2022年 『関ヶ原 島津退き口 - 義弘と家康―知られざる秘史 -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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