映画評論・入門! (映画秘宝セレクション)

  • 洋泉社
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800312488

感想・レビュー・書評

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  • 映画評論家へのなり方とか、HowTo本なのかなと思いきや、そんなうすっぺらいものではありませんでした。

    映画評論家とはそもそもなんなのか、誰も定義をしていない。筆者も最初は映画ライターと称していたが、周りから、映画評論家を名乗るように示唆されて戸惑ったと。
    その逸話から、映画を評論するとはなんなのか、その微妙な立ち位置が、まざまざと立ち上がってくる。

    昔の評論家から、テレビで活躍した、淀川さんはじめの歴々の方々、最近の感想系の方々まで、流れるような語り口で、映画評論の歴史にふれられぐいぐい惹きこまれます。

    前半の映画評論家、映画の立ち位置に対するエピソードがやはり面白い。
    高峰秀子、市川昆、とんでもなく、すごい人たちだなーと。

    北野武とその評論家の戦い。
    私は全く知らなかった。こういう戦いは映画を良くしますね。

    後半の、今は名画と言われている映画の当時の映画評を取り上げていくのもなかなか面白い。

    よくここまでの情報を集め、そしてそれを全く偉ぶらずに、権威ぶらず、フラットに語れる筆者。
    さすがだなと思いました。

  • 映画評論を書くための文章術的な本ではなく、「映画評論とは何か」を考える入門書。

    「第4章 ベストテンとは何か」を興味深く読みました。
    「ロマンポルノ」という新たなジャンルが立ち上がってくるとき、映画評論家たちはそれぞれ、その波にどう向き合ったか。

    1972、73年のベストテンを眺めても、時代の一面は見えてくるがそこから広がる同時代の映画の相貌は見えない。ベストテンはそのごく一面しか我々に伝えない。

    続く「第5章 リアルタイム映画批評 REMIX」では、現在の有名作の公開当時の批評が紹介される。
    否定的なことを言うのが少しためらわれるほど、どでんっと名作の座についている映画も、必ずしも公開当時からウケていたわけではなかった。
    こうして本書を読み進めていくと感じるのが、映画の評価は揺れるということ。
    過去と現在の映画評論に目を向け、いま自分が思ったこと、言わずにいられないことを、ぜひ書いてみよう。

    書き方がわからないよと思ったら、小川徹のアドバイスを思い出そう。「入院している友人を見舞って話すように書け」。入院している友人に「最近なんか映画みた?」と質問されたとしたら、どう答えるか。

    感想・評論・批評・レビューなんて言い方に惑わされるくらいなら、感想をどんどん深化、発展させて評論・批評になるような文章を模索していく方が早い。

    いまの自分にしか言えないことが、きっとある。

  • 一年前の占いの正誤を検証する年末の特番のように楽しめながら、実は映画の価値ということについて論じているように思う。単に評論家列伝に陥りそうなところを意識的に回避して、最終章では犯罪に絡めつつ映画の世につれ世は映画につれを説く。面白い。

  • 宇多丸さんがラジオで推薦してたので。
    モルモット吉田さんは、キネマ旬報の星取りコーナーで読んだことがあるくらいだったがおもしろかった。
    感想と評論の違いとか、北野映画について、とか。
    高峰秀子の素晴らしい行動とか。
    過去の文献をとてもきちんと調べている。素晴らしい。

  • ひとつひとつの情報量の多さに感服。これだけでもまあまあなボリューム(秘宝セレクションのなかなら随一なのでは)だが、おそらくモルモットさんはもっと情報を持っているはず。かなりの労力だと思うが、是非もっと知りたい。映画評論を評論するという点で、そしてそれを紙媒体として残してくれたという点で、画期的。

    個人的に、リアルタイム映画批評REMIXはやや冗長に思えた。これは読者のワガママだが、ここでの紙幅をこっちで使ってー!なんて思ったり。

  • なぜ映画評論が必要なのか、なにが面白いのかが、映画評論の歴史や映画評論によって起こった出来事などを通じて書かれており、そこから映画本体の見方についての示唆にもなっており、映画も好きだし映画評論も好きな僕にはうってつけだった一冊。
    現在では「文句のつけようがない名作」のように扱われている映画の公開当時の評も掲載されており、例えば『七人の侍』のような映画でも、公開当時は「上映時間が長い」というような確かにごもっともな評もあったりするというのが、当たり前だけど新鮮だったりする。

  • 映画評論の書き方の本かと思ったら、映画評論についての評論の本だった。

    という事で、思ってたのと違う!というスタートではあったものの、これが読み進めるうちに、どんどん面白くなってきた。

    まず、いろんな人の映画批評を読みたくなる。淀川長治、荻昌弘、蓮實重彦、いろいろ読みたくなった。

    そして、現在、名作としての評価が定着している作品が公開当時、どう評価されていたかについてのくだりが面白い。それこそ、近年の作品が30年くらい経って、どう評価されているのかも興味深い。

  • "映画の評論とは何か?
    映画評論の世界を作ってきた先人たちの記録や、過去の映画を振り返って当時の評論と現在の評論を比較したりしている。

    映画を分解するには、論理的な指摘でなければならない。
    批評とはどういうものかを過去の批評を比較することで浮き彫りにしてくれている。"

  • サクッと読了。

  • 『TeLePAL』懐かしい!コラム読んでた!
    淀川さんはやはりすごい人だったのだなあ。

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