東京暗渠学

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800313041

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  • 街歩きがさらに楽しくなる。自らの周りに見えるもの、生えているもの、石段がどのようにできたのかに思いを馳せることは江戸や明治の先人たちとつながることにもなる。
    暗渠は川を閉ざしたように見えて、実は先人との関係性を違ったかたちで浮き彫りにしてくれる。暗渠バンザイ‼️

  • 2018年8月8日読了。蓋をされた水路・水を失った水流・湧水が涸れた河川などの「水の痕跡」を、沢筋を通るかつての河川を動脈・尾根筋を通る上水を静脈にたとえて東京の過去と現在の姿を探る「暗渠学」を解説する本。「坂道学」「スリバチ学」など東京の土地を見るにはいろんな切り口があるものだが、「暗渠」に着目することで「ああ、確かにあの道は暗渠だ!」と思い当たる箇所がたくさん思い浮かび、東京の街を自転車で・徒歩で移動することがさらに楽しくなる…!「水の気配」という表現が非常に印象的、東京(江戸)という空間で人々が生活していくために、過去現在ともにいかに「水」が重要な存在だったのか、ということにも思いを巡らせさせられる…。暗渠は楽しい。

  • 東京GOOD!で注目
    暗渠をたどってタイムトリップ!見て愉しい、歩いて愉しい、37点の暗渠3Dマップ付き。

  • 土色の上にふたをしたみたいな東京にあって、そこが有機的な地面であったことを思い出させてくれるような一冊です。これを読めば普段何気なく踏み越えてしまう暗渠の蓋や、大雨の日を除いては枯れたままの用水路などに注意が向くようになります。
    「私たちがいま踏んでいる土地は何者であるか」というのは現代人には気付かれ難いが大切な問題であるように、常々思います。もちろんそれを追及したところで私が何者であるかを教えてくれたり啓発してくれたりするわけではないのだけれど。(みゃーつき)

  • ようやく読了。ただ暗渠を見つけて楽しむだけではない世界があった。巻末の参考文献の多さに驚く。自分、もっと深掘りしなくちゃだわ…

  • 東京の暗渠について山の手側は水系や用水・上水の系統ごとに、下町側は灌漑用水や堀との関係で整理して、それぞれの地域の水をあらわす地名や廃墟、名残りなどを写真や地図上にプロットしたものを用いて示している。

  • 第2巻。

    実は第1巻で東京の「失われた川の跡」暗渠のアウトラインは出そろっていた。
    だから第2弾のこちらは当然違うアプローチをとってくるわけで。

    それは「自然の川」と「人口の川」である上水、用水の複雑な水系としてのつらなりを「静脈」と「動脈」のような「水のネットワーク」として捉えようという仮説だ。
    実のところ慢性的に水の不足していた江戸、東京ではさまざまな水の争いから、用水の水はあるところに付け替えられたリ、あるいは権利の移転で流域そのものが変わってしまったりしていた。近代に入っても暗渠化をうながしたのが、人口の増加にともなう下水からの「匂い」からの要請であったり、あるいは工業用水としての利用から水そのものが足りなくなり、干上がってしまったりと。
    関東大震災からの復興、そして東京オリンピック直前の昭和36年の「下水道36答申」(東京都)が東京の川の「暗渠化」を決定づける。東京の「暗渠」は政策によるものだったのだ。
    近年の「自然に返る」流れの中で天然の川や水路に新たに流されているのは各地の浄水場で「高度処理」された水であり、自然の湧水ではない。

    それでも雨は降り、水を流す役割としての「川」は生き続ける。

    登場する主な河川、用水
    三田用水、仙川、石神井川、神田堀、藍染川、立会川、白子川、渋谷川。

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