人間学のすすめ

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800912732

感想・レビュー・書評

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  • 古典の引用や故事成語から今の世の中を見るとどう考えられるか。道理や本質を考えさせられる点では参考になった。特に『知行合一』はよく出てくるキーワードで、自分も意識したいと思うようになった。

    ただ、勉強が嫌で自閉症になる、という表現がものすごく引っかかった。自閉症は先天性のものでは・・・?古典等のファクトはさておき、それに付随する主観は余計かもしれない。

  •  なんとなく胡散臭い人のように見えるSBIホールディングスの北尾吉孝。1951年生まれ。慶應義塾。野村証券に入社し、ケンブリッジ大学に行く。孫正義にスカウトされる。そして、ソフトバンクインベストメント株式会社(現:SBIホールディングス)となる。ライブドア事件では、ホワイトナイトとなった。SBIグループは、総従業員数17000人。子会社のソーシャルレンディングが、詐欺事件に巻き込まれたことが、記憶にある。
     食わず嫌いは良くないと思って本書を読んだ。哲学者・森信三を師と仰ぎ、論語及び漢籍に詳しい。
    北尾吉孝は、先祖に江戸時代の儒学者、北尾墨香がいる。幼少期より、論語をはじめとした中国古典を貪り読んだという。ふーむ。なるほど、論語の引用が多い。
     引用の仕方を読んでいると言葉の扱い方がどうも軽すぎる。自分に引き寄せて、我田引水のところがある。まぁ。虎の威を借りるというか、論語、漢籍の威を借りて語る。本書では、人格形成そして人間学を語る。
     南宋時代の朱新仲の『人生の五計』が紹介される。五計とは、生計:いかに生き、身計:身を立て、家計:家庭を築き、老計:歳を重ね、死計:そして死を迎える。北尾吉孝は、老計とは、老の価値を見出す。アンドレジイドの「美しく老いる」という言葉を引き寄せる。さらに、死計はいかに死すべきか、残された日々をいかに生くべきかを計する。確かに、老計、死計は、重要な言葉であり、それと向き合う必要もある。
     アメリカの戦後政策によって、日本の精神的なもの、武士道のような精神が否定されたと主張し、日本人の持つ強靭な精神力を発揮すべきだという。
     知行合一:「知は行の始めなり、行は知のなるなり」という王陽明の言葉を説く。吉田松陰が重んじた言葉でもある。つまり、行動を伴わない知は未完成である。
     知識:物事を知る。見識:善悪の判断を持つ。胆識:実行力を伴う。北尾は、胆識を重視する。
    人格形成において、自己否定、自己変革、自己進化が必要であり、恒心:常に定まったブレない心を持つことだという。王陽明の「四耐四不」「耐冷、耐苦、耐煩、耐閑、不激、不躁、不競、不随、以成事」。冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐える。激せず、さわがず、競わず、したがわずをもって大事をなす。ふむ。おもしろい。漢字の世界は、字そのものに深い意味がある。
     北尾吉孝は、易経を重視して、時代を読み解く。それは、時々の易の漢字の深い意味があるという。
    王陽明は、「天下のこと万変といえども、吾がこれに応ずるゆえんは喜怒哀楽の四者をいでず」。
    喜怒哀楽をマネジメントするのが人間学だという。
     江戸時代の武士たちが学んだ修身をいかに現代の日本人に継承させるかということなんだね。儒教、朱子学、そして修身。知識だけでなく、いかに身を修めるかだね。才より徳だという。維新に生きた人々の志や覚悟を学ぶべきでもある。時間を惜しんで、知行合一をめざす。
     困難にあった時に、日本人の頼るべき言葉が、そんなところに転がっている。
    孔子はいう「君子は人の美を成す。人の悪を成さず。少人はこれに反す」。美点を凝視して、褒めながら、ますます美点を伸ばすことにサポートする。今は、そんなことをきちんとやるべきだね。

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著者プロフィール

SBIホールディングス代表取締役会長兼社長

「2023年 『心田を耕す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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