リノット: 少女時代の日記一九一四-一九二〇

  • 水声社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801000483

作品紹介・あらすじ

のちに"性"の作家として世界的に知られる小説家となり、ヘンリー・ミラーらと愛の遍歴をかさねた女性が、11歳のニューヨークへの移住から初恋、豊富な読書、母への想い、そして17歳の大冒険へのあこがれまで多感な思春期の日々を繊細な感性でいきいきと描く。

感想・レビュー・書評

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  • アナイス・ニンの11歳から17歳までの日記。原著は500ページを超える膨大なものらしいですが、手に取りやすいようにと本書は半分程度の抄訳となっています。彼女は子供の頃からかなりの読書家で、書かれている日記の文章も10代のそれとは思えない程の完成度に驚きます。日記を親友だと慕い、己の内面を豊かに書いたアナイス・ニンの日記は文学としても優れています。完全版があればぜひ読みたい。

  • アナイス・ニンが11歳から書き始め、生涯にわたり書き継がれた日記のごく初期、少女時代の日記。
    日記は母親とともにヨーロッパからニューヨークへ向かう船上で始まる。11歳のアナイスはナイーブで早熟、そして非常に感受性の強い少女であるという印象を受けた。特に別れた父親に対する思いを吐露している文章、カトリックの儀式や祈りについての文章には感受性の強さと子供らしい無邪気さが同居していて読ませる。
    11歳から17歳に向かうに従い、訳文の調子を徐々に変化させている翻訳も見事。同じ調子で訳すと逆に作り事めいてしまう。

    本書は原書(英語版)の約半分ほどに縮めた抄訳。巻末の解説によると、抄訳にした理由は『少しでも多くの方々に読んでいただきたいから』とのこと。
    半分になったと聞けば残りが読みたくなるのが世の常、いずれ完全版が出てくれることを祈りたい。

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著者プロフィール

アナイス・ニン(Anaїs Nin)
1903年、フランスはヌイイ・シュル・セーヌで生まれ、1977年、闘病の末、癌でロサンゼルスにて生涯を終える。11歳の年に母親と弟たちとともにアメリカに移住した。1930年代初頭に夫の転勤に伴いパリに居住し、作家活動を始める。40年から50年代のアメリカにて小説を発表し続け、60年代半ばに日記の出版で名声を得る。74年にダートマス大学より名誉博士号を授与される。日本へは小説『愛の家のスパイ』が河出朋久によって紹介され、66年来日に際し大江健三郎、江藤淳らとの会談が『文藝』に記録されている。89年に実弟ホアキン・ニン・クルメル、カリフォルニア州立大学バークレー校音楽学部名誉教授は来日して、関西の大学での講演やピアノ演奏会を果たす。

「2023年 『四分室のある心臓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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