- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801002432
感想・レビュー・書評
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主人公の語りが素敵。渋めのナイスミドル想定で読んでおります。
ところどころ素敵な文句があり、アルジェリアに興味を持ちました。
もう一人のムルソーというか、対はツボなので古書で探します、文庫が出たらほしい。
あとこちらの主人公は母に対しての固執がありましたが、やはりムルソーにも、書かれていないだけでこれと同じ位の葛藤があった、とゆー見方でよいのでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アルジェリアの作家の作品。
本屋のアジロで以前、異邦人読書会が開催されたときに関連本として挙げられてた。
カミュの異邦人をアラブ人側の視点から捉え直していて、なんで俺たちには名前が与えられていなく殺人者のあいつは世界的に有名になったんだ!という主張が繰り返されているなぁ。とおもってたら最後反転したりして。
読みにくくかんじて時間かかった。
兄が殺されたアラブ人なんやけど証拠がないんもんね。って。
アルジェリアでは出版されてもなかなか流通せずに、こうして日本に辿り着いていることがすごいことなんだろうとは思う。
作者と訳者が登壇する講演会にも参加してみたりもした。 -
カミュの異邦人という作品の中で、気晴らし?に殺されたアラブ人の弟が、酒場でフランス人相手に自分の物語を語る。著者はアルジェリア生まれで、生まれが同じカミュの異邦人を「この作品はフランスの物ですか?あなたの国の物ですか?」とフランス人に聞かれることにいいかげん終止符を打ちたかったために執筆したそう。↑そんなこと明らかであり、アラブ人など名前も、生まれた国の表記もなく、興味があるのか?ならば遺族を主人公として、みっちり教えて差し上げましょうよ、という本。多分「異邦人」はアラブ人には憤りの種となっている。