文豪たちの悪口本

制作 : 彩図社文芸部 
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本棚登録 : 536
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801303720

作品紹介・あらすじ

Twitterで「1冊ほぼ悪口でできてて最高」と話題の一冊!

文豪と呼ばれる大作家たちは、悪口を言うとき、どんな言葉を使ったのだろうか。
そんな疑問からできたのが、本書『文豪たちの悪口本』です。
選んだ悪口は、文豪同士の喧嘩や家族へのあてつけ、世間への愚痴など。随筆、日記、手紙、友人や家族の証言から、文豪たちの人となりがわかるような文章やフレーズを選びました。これらを作家ごとに分類し、計8章にわたって紹介していきます。
川端康成に「刺す」と恨み言を残した太宰治、周囲の人に手当たりしだいからんでいた中原中也、女性をめぐって絶交した谷崎潤一郎と佐藤春夫など、文豪たちの印象的な悪口エピソードを紹介しています。
文豪たちにも人間らしい一面があるんだと感じていただけたら、うれしく思います。

感想・レビュー・書評

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  • 「〆切本」の後に読んだ本なので、どうしても装幀が簡素に見える。
    だがよく考えると「悪口本」が立派な装幀というのも変だ。
    だから、これで、いいのだ、たぶん。
    ベースはブラックだし、それに背表紙だけで薄ら笑いが浮かんでくる。
    太宰治の、あの有名な頬杖をついた憂い顔の画像が入っているのだ。
    書店の棚でこの本の書名を見た人は、「おお、太宰が誰かの悪口を言っているか、言われているかだな」と思われるだろう。
    訴求力の高さという点で、この背表紙は巧い。

    今回は、解説は殆どない。悪口がエグすぎて、フォローの施しようがない。
    それでも笑ってしまうのが、文豪と称された人たちの凄いところだろう。
    実に嫌らしくしつこく下衆の極みで、それを名文で綴っている。
    「ペンは剣よりも強し」と熟知している人々だから、その筆致も鋭いことまぁ。
    今だったらSNSでたちどころに炎上騒ぎとなり、むこう5年くらいは顔出しNGかも。
    注意深く暮らしていても、知らず知らず人は間違いを犯すもの。注意しなければ尚更だ。
    しかもこれは誤作動ではない。
    相手を傷つけ打ちのめす目的で書かれた手紙や日記・随筆、友人や家族の証言などだ。

    更に開いた口が塞がらないのは、大正期の文藝春秋に掲載されたという、文壇を揶揄する「文藝書家価値調査表」というもの。芥川龍之介から始まる書家約70人の、「学殖・天分・修養・度胸・風采・人気・資産・腕力・性欲・好きな女・未来」がそれぞれ数値化されているのだ。
    製作したのは直木三十五らしいが、これはひとの道を外れている(でも可笑しい)。
    で、当然ながら文豪たちは真っ向から怒りを表明しているのだが、掲載したのが読売新聞や雑誌・新潮だったというのが、これまた凄い。
    編集の人たち、絶対面白がっていたよねぇ。
    ゴシップはこうして作られるというモデルケースを見るようだ。これは呆れる。でも笑える。
    笑って笑って、顔が元に戻らないのではと心配したくらいだ。

    坂口安吾の「不良少年とキリスト」の掲載もあり、その中で安吾は太宰治と志賀直哉を評しているが、それがこの本の白眉だろう。
    ここだけでもじゅうぶんなほどの読み応えで、後半に載せた夏目漱石や永井荷風、佐藤春夫や谷崎純一郎がむしろ愛すべき人にさえ見えてくる。

    誰かの悪口を言いたくなったら、思い切り紙に書きなぐってみると良いのかも。
    でも文豪でも何でもないただの凡人なのだから、そこは分をわきまえて誰にも見えないところに廃棄するのが良いのだろう。
    ところでワタクシ、自分の悪口を聞くと妙に嬉しくなってしまう変なところがある。
    上手い言い方をしてくれるほど、それが大きい。
    その悪口は私の外側に対してであって、私自身ではないのだから。参ったか。


  • 江別蔦屋書店内スタバで書店内本

    借金返済の為第1回芥川賞金500円が欲しかった太宰治は選考委員川端康成に罵詈雑言。
    無類派を文学の異端と一刀両断の志賀直哉し太宰たちと紙面上対決。
    菊池寛の名前を菊地と間違ってしまい死ねまで怨恨が生涯続いた永井荷風。
    初対面にも礼儀知らずな中原中也はガタイの良い坂口安吾には何も言えないチキン野郎。
    谷崎潤一郎は妻と別れて妻の妹と結婚したい。谷崎は妻と別れた後、妻が友人の佐藤春夫と一緒になることを認めていたが、妻の妹にフラレ事態は急を告げ小田原事件に。

    愛すべき文豪さん達 今の時代だとTwitterあたりで場外乱闘でしょうか?

  • 中原中也のエモさ爆破してる。
    悪口だけ書かれた本なのかなと思えばそうでもない。文豪同士の言葉の応酬や、批判し合っている文豪たちを客観的に見た文まで、文豪たちの悪口を見ると言うよりは、文豪たちの生きた風景を見ているように感じられる作品。憧れた文豪も私達と変わらず、醜い感情を抱くんだなと改めて感じる。
    普通にストレスフルのときに読むのがオススメ。

  • やはり太宰治が一番面白い。志賀直哉への悪口だけであんなに書けるとは。川端康成については「刺す」と言っておきながら、「私への愛情が感じられる」「あの文章の裏には世間と金銭がある」といった勝手な想像みたいなことを書いているのがなんとも。

  • 「刺す」の前の「小鳥を飼い、舞踏を見るのがそんなに立派な生活なのか」がとてもよい。

  • 要熟読!
    太宰治 中原中也 無頼派 志賀直哉 夏目漱石 菊池寛 永井荷風 宮武外骨 谷崎潤一郎 佐藤春夫

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    文豪と呼ばれる大作家たちは、悪口を言うとき、どんな言葉を使ったのだろうか。
    そんな疑問からできたのが、本書『文豪たちの悪口本』です。
    選んだ悪口は、文豪同士の喧嘩や家族へのあてつけ、世間への愚痴など。随筆、日記、手紙、友人や家族の証言から、文豪たちの人となりがわかるような文章やフレーズを選びました。これらを作家ごとに分類し、計8章にわたって紹介していきます。
    川端康成に「刺す」と恨み言を残した太宰治、周囲の人に手当たりしだいからんでいた中原中也、女性をめぐって絶交した谷崎潤一郎と佐藤春夫など、文豪たちの印象的な悪口エピソードを紹介しています。
    文豪たちにも人間らしい一面があるんだと感じていただけたら、うれしく思います。
    https://www.saiz.co.jp/saizhtml/bookisbn.php?i=4-8013-0372-0

  • Twitterで注目!
    文豪と呼ばれる大作家たちは、悪口を言うときどんな言葉を使ったのだろうか。 そんな疑問からできた一冊。

  • 文豪の違った側面が垣間見れる。ただ、読んでて楽しくなる本では無い。

  • ①太宰の如是我聞における志賀直哉への文書が実に直情的で当時の人もこれ読んで?だったんじゃないかってレベル。現代で有名人同士がツイッターでバチバチやっているの見る感じなのかも? 

    ②菊池と永井の章で、永井が菊池と菊地を間違えたのをきっかけにとあるが、この本の中での断腸亭日常でも菊地表記が多い。原文で間違えているのか誤植なのか(p166,167の見開きでも「菊地」が3か所) 

    ③佐藤と谷崎の女性をめぐっての往復書簡。なんでこんなの残っているんだよ。結局仲良しかよ

  • 〆切本とかもそうだけど、文豪はマイナス感情を書くとき一段と情熱的になるんだろうか
    中原中也とかのっけからぶちまけてるし
    こんなん読んでどうすんだ、と思いつつおもしろかった

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