キレる私をやめたい ~夫をグーで殴る妻をやめるまで~ (バンブーエッセイセレクション)

著者 :
  • 竹書房
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本棚登録 : 320
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (131ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801907652

感想・レビュー・書評

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  • 『母がしんどい』( http://booklog.jp/item/1/404602884X )でも描かれていた負の連鎖――母親と同じヒステリーを起こしてしまうことに問題を感じた著者が、いかにしてそれを克服した(感情の制御ができるようになってきた)かを、丁寧に描いている。
    自己啓発の「片付け」本からセミナー、カウンセリングなどを調べ、体験していくが、なかなか改善されない。
    そして「ゲシュタルト療法」に触れる。
    そこでは自身をいかにして客観視し、分析することを経て、感情をコントロールしていく術を身に着けていったか――
    わかりやすく描かれている。

    自身の怒り方がかつての母に似ていること、ゲシュタルト療法を用いて、その母の気持ちを共感できるようになること、劣等感から旦那さんを高みに押し上げることで、お互いの悪い面を見ないように(対等な人間としてのコミュニケーションを避ける)していたなど、詳しい。

    著者はイライラするのは「過去の失敗」と「未来への不安」に囚われ、「今」を見ていないことにあることに気づく。
    旦那さんのネガティブな部分を見て、自身のそれや過去の母を見出してしまい、過剰反応(怒り)することでそれから目をそらしていたという事実に気づく。

    「暴力がいけない」のは、怒りはあくまで「二次感情」であり、暴力は「報復」に過ぎない(問題の本質ではない)からという事も、著者は気づき、読んでいて私も気づかされる。

  • 購入:2016/11/26
    読了:2016/11/26

    極端な卑下も美化もなく淡々と「キレてしまう」状況とセラピーによる効果、回復の過程で本人が思考したこと、が語られていて、読みやすく共感しやすくためになる本だと思う。

    p. 97「キレてパニックになる時って、未来に悪いことが起こるって勝手に決めつけてるんだ(最悪な旅行、仕事で大失敗)」

    ここがすごくストンと胸に落ちた。

    あと、2歳の娘に初めてキレたとき、娘が『バイト先で突然キレ出した奴にドン引きしてる人みたいな表情』をしたのを見て恥ずかしくなった、ってエピソードにちょっと笑ってしまった。あるある分かる、の笑い。

  • キレる側が、どうしたらやめられるのかと悩んだ時の情報がない、という著者の言葉にハッとする。
    最近「毒親」等の概念が浸透してきたのか、関連本も増えてきたのかな?という印象だったけれど、暴力を振るう側の治療(?)に関するものは確かに少ないかも。DVをする男性側の本なら見かけた事はあるけど、多くはない。
    これをすれば100%解決!みたいな万能薬はないけれど、この本は漫画エッセイなので手に取りやすく読みやすいので、1つの知識としても読んで損はないと思う。

  • 普段は穏やかな性格なのに、キレるとダンナさんに暴力までふるってしまうくらいキレまくる。
    そんな作者のキレている最中の話、そこから再生し、今はもうキレなくなるまでを描いたマンガ。

    絵は全くキレイではないですが、却ってその方が伝わってくるものがありました。
    人の感情を絵で表すのが上手だと思います。
    絵を見ただけで今この人、どんななんだか、作者から見た人物の存在の大きさや内面の嫌らしさとかが伝わってきます。

    作者が手がつけられないくらいにキレるようになった原因は主に母親。
    その事は別のマンガに描かれているようで、それも読んでみたいと思いました。

    作者がキレるのを何とかしたいと真剣に思ったのは子供ができたから。
    そこから自分が何故キレるのか、どうやったらキレなくなるのかを試行錯誤、色々な本を読んだり、カウンセリングに通ったりしています。
    そしてたどり着いたのがゲシュタルト療法。

    ここでは「いまここ」にいるという意識やキレる原因を作った頃の事を思いだし、体の感覚を再現、母親になりきったりしています。
    そして、35歳の現在はもうほとんどキレる事はなくなったのだとか。

    まだ若いうちに自分がこのままではいけないんだって気づいて自分を見つめ直し、色々してみた、35歳でキレなくなった、というのは本当に良かったと思います。
    作者はすごく勇気があるし、頭のいい人だな・・・と思いました。
    あとダンナさんがいたのも大きい。
    最も身近な人がちゃんとした人だというのが本当に大きいと思う。
    ダンナさんはなぜ作者がキレるのか分かってないけど、それでも一緒にいたいと思って、何とか理解しようと思ってるし、暴力もここまでならいいよ、と言ってくれている。
    そんな人が側にいるのといないのでは全く違うと思う。

    あと「キレる」という周囲に「自分は怒ってるんだ!」っていう表現ができるのはまだいいのかもしれない。
    私は怒りのスイッチが入っても抑え込むし、キレる時も暴力をふるったり奇声を上げるほどはできないから。
    せいぜい何時間も泣くか逃げる程度。
    だから今だに、色んな思いがたまっていく一方なのかな・・・と思う。

    ここで書かれているゲシュタルト療法ですが、私も何度か試みた事がありますが、その頃の事を思いだしてつらくてしんどい、で終わってしまい、効果はありませんでした。
    でも、ここに書いてある「いまここ」の意識、今目の前に何があるか、とか、自分の体に意識をもっていって今に意識を返すというのはやってみようと思いました。

  • 詳細は別記

  • いつも読んでいるブログでおススメされていたので読んでみた。

    著者のキレ方は過激すぎるが、自分が子供にキレてしまうのも同じようなパターンなのかな、という気がした。後半部分を読み、自分のこれまでを振り返ることもできた。

  • この訳のわからない「キレる」を変えたいと思って、いろいろ試して、分析しながら落ち着かせていく過程はすごい。こういうことを描くのってすごく勇気がいることだとも思うし。絵が少し苦手…

  • 心にピントを合わせる。そのためには
    「休む」
    「今ここにいる」
    「自分を褒める」

    ゲシュタルトの祈り
    私は私のことをする
    あなたはあなたのことをする
    私はあなたの期待に沿うためにこの世にいるのではない
    あなたは私の期待に沿うためにこの世にいるのではない
    あなたはあなた、私は私
    それでもしお互いが出会うなら、すばらしい
    もし出会えないなら、しかたない

  • 田房さんの荒れ狂うエネルギーと、それをコントロールしようとする理性の葛藤が圧巻です。自分と夫にとって理想的な第三者をイメージして、それに近づけようとできるのが素晴らしい。

  • 前半の作者さんのキレ方は思わず笑ってしまう描写が多いのですが、そのうち笑ってもいられない深刻な事態に・・。自分に思い当たるふしも多くあり解決方法が知りたい!と最後まで一気に読み進めました。「母がしんどい」の作者でもある田房さんですから、何かしら親子関係が影響しているのだろうか?と気になっていましたがやはり母からの影響もあったようですね。 解決方法の一つとしてあげられたゲシュタルト療法は私の地域ではなかなか受けることができないですがこちらにも興味がありました。本書を読んで、キレそうになったときにそのパターンや原因をメモしておくこと、キレとは過去や未来の状況にアクセスしているということ、その感情や今に着目すること、について学習しました。

  • この本を読んでおいたおかげで、実際にゲシュタルトセラピーに行った時も、あの感じで話せばいいのかーとちょっと楽だった。

著者プロフィール

1978年東京都生まれ。漫画家、ライター。2001年第3回アックスマンガ新人賞佳作受賞。2005年より男性向けエロ本、実話系雑誌、スポーツ新聞の風俗欄で連載を持つ。10年より「ラブピースクラブ」などの女性向けWEBサイトで連載を持ち、意識が完全にフェミニズムへシフトする。母からの過干渉の苦しみと葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を12年に刊行、ベストセラーに。他の著書に、男性中心社会における女性の苦しみにピントを当てた『ママだって、人間』(河出書房新社)、『他人のセックスを見ながら考えた』(ちくま文庫)など多数。

「2019年 『エトセトラVOL.1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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