男社会がしんどい コミックエッセイ 痴漢だとか子育てだとか炎上だとか (BAMBOO ESSAY SELECTION)
- 竹書房 (2020年5月28日発売)


- Amazon.co.jp ・マンガ (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801922624
作品紹介・あらすじ
働けなくて苦しい、働かなきゃいけなくて苦しい…。
保育園不足問題のときも、コロナのときも、国は助けてくれない。
性暴力の裏にも被害者を黙らせる、都合のいい法律があった。
私たちに理不尽を押し付けてくる日本。根深い男社会。
*****
目次
はじめに
第1章 痴漢犯罪はなぜなくならないのか
第1話 痴漢被害に遭う中学生を放っておく大人たち
第2話 痴漢犯罪がなくならない理由のひとつ
第3話 痴漢はなぜ痴漢をするのか
第4話 「防犯意識が低い」と責任転嫁される女子高生
第5話 知らずのうちにみんなで痴漢犯罪を伝承させている
第6話 被害者たちの黙る歴史
第7話 「痴漢加害者のほうが大変だ」という凶暴な主張
第8話 明治の女性差別が平成にも残ったまま
第9話 痴漢の頭の中
第2章 女が家事育児する前提で作られた社会
第10話 女性差別なんてあるわけないと思ってた
第11話 どうして女が仕事をやめなきゃいけないの?
第12話 「保育園が足りない問題」の奥に潜むもの
第13話 土の中にいた母たちの時代
第14話 女同士を対立させ根本的な問題から目を逸らせる
第15話 「保育園落ちた日本死ね」の正しさ
第3章 男の利権をつぶすおばさんに仕立て上げられ炎上
第16話 コンビニの成人誌コーナーはおかしい
第17話 女性を虐める性的ジャンルが「健全」とされる男社会
第18話 伝え方を変えてみたら大変なことに
第19話 男社会には伝わらない
*****
「痴漢」でなぜか、被害者が責められる
「女性が働く」ことをよく思わない人たち
「エロを潰そうとするモンスター」に仕立て上げられ炎上する著者
女性の話に聞く耳を持たない社会――。
感想・レビュー・書評
-
書いてくれた頑張りに星を一つ多くつけました。
ありがとう!田房さん!
こんなに痴漢が多いってことは、ほとんどの男性が痴漢の経験があるんじゃないかという疑いを持つことも。
平素は訳知り顔の普通の人の顔してても、実は変態なのでは?と思う瞬間もあります。
痴漢たちの、そのナルシストぶりと客観性のなさが気持ち悪くてうげーです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相変わらず読みやすい。
痴漢の話は自分の経験もあるし、いくつか記事なども読んで痴漢する側の心理なども知ってはいたが、痴漢をされたことがない人、そういう話を聞いたことのない人ならレア事象としか捉えられてないことには驚いた。
痴漢の章では痴漢を取り巻く、社会、警察、弁護士にネットの意見など俯瞰的にみてクソな土壌が出来上がってて、日本社会から痴漢がなくなるにはあと何十年何百年かかるのだろうという気持ちです。
また、夫との会話で、頼れる男としてみてほしいから、自分のほうが知ってる風を装う会話のやり取りも、よく見る男が無知な女に教えてあげるを取らせる構図だな〜〜って。
あと、ジェンダーに関する問題で、女が女を黙らせにくる、こと程ショックが大きいものってないよねと思うのでした、、、
黙って耐えるしかない、その環境に適応していく、いずれ慣れていく、そうしたら楽なのかもしれないけど、本当の意味で楽になっているのかといったら違いますよね。
女が家事育児する前提で作られた社会の章に関しても、そういう社会で育ってきたから女は育児、女には仕事なんてっていう意識が内在化されてしまっていることにはうなずいてしまった。フェミニズムという潮流が盛んになってあれこれとおかしなことに気付いても、知らない間に内在化された意識に誘導されてしまっていることって度々あるよね。
最後の田房さんが声をあげたら炎上しておヒレがついてあらぬ方向に行ってしまった話も、まず声を上げることには勇気がいるし、なにより今後自分の人生に関わってくることもないだろう外野にとやかく言われることのエネルギーの消耗は半端ないので、半年離れたのは賢明な選択だと思ったし、漫画という自分のフィールドで今後も活躍していってほしいと思ったのでした。 -
私は東京育ちだけど、ほとんど痴漢に遭ったことがないのだが、理由は分からない。
本書にも、「制服を着なくなると一気に減る」とあったので、私服の高校だったせいもあるのかな。
触られたことはないけど、電車とバスで座席やドア横のポジションに囲われるようにされたことはあり、あれは怖かった。 -
共感出来るものがたくさんあった。
こういった実録や問題提起はどんどん世に出てほしい。色んな視点から描かれたものが、人々の『知らなかった』を埋めてくれると思う。
男性だからわからないこと、
女性だからわからないこと、
体験したことないからわからないこと、
自分の時代とは違うからわからないこと、
世の中には知らないことやわからないことがたくさんある。
だけど、知らなくても理解しようとしてほしい。
自分とは違う意見があることを知ってほしい。
今の日本はディベートする機会さえ潰している。
-
痴漢、子育て問題。
そう語られない痴漢の話ですが、えん罪もありますし
その後の展開も時間とられるし…。
結局男女平等と言っても、男社会で
男性有利、な部分は大量に。
でも男性は何故、自分誘われている、と
勘違いしているのでしょうか??
そこもちょっと知りたいです。 -
そうか!制服着てるとそれが痴漢にとってのアイコン(この人が旬だよ)になっちゃうのか!
だから高校を卒業し、社会人になった後でだとあまり痴漢に合うことが少なくなったのか!と納得。
男の人が若い女性を狙ってする痴漢って、攻略とか趣味?のような感じになってるのかな。
思えばすごい度胸だよな。だから線路に降りて走って逃げるような事がたまにあるのか。頭の中の教育がなってないのもあるが、それはエロ本やAVの作り方が攻撃的な、相手を慮らない勝手な行為にエロスを感じるように導かれた結果なんだろうが。
電車内の痴漢て、日本にしかほとんど無い犯罪。
韓国や日本て、男尊女卑から来てる性犯罪多すぎ。まず政治の世界がじじー達ばかりという老害から変えてかないとダメなのか?罰や刑が軽すぎる。
私はしょっちゅう日本から脱出したくなりますが…。
本中の弁護士の人はこういう人が本当に多いです。仕事放棄としか思えないが、法律がおかしいので、悪気はないんでしょうが。そして警察官も。セカンドレイプのような思いをさせられます。男の人もどんどん痴漢に遭えばいいんだよ。そしたら赤の他人に自分の事を勝手にされる恐怖を味わったら簡単な事を言えなくなる。
海外で外人男に襲われかけた知人男性は、こういう話題には実感を伴って賛同しますよ。
自分の夫や子供へ考え方や対応の仕方(目の前の犯罪を無視しないとか)を出来るだけ教育してくしか無いんでしょうね。そして何かにつけて声を上げるのが大事。うるさいおばさんとして、機会があれば私も自分なりに声を上げています。 -
近年の社会問題や、問題意識を漫画スタイルで濃く表現されていました。“竹スー”がツボ。長い年月を掛けて、人生の先輩たちが声を上げ続けてくれたお陰でゆ~くり、ゆっくり生きやすい改善された世の中になって来たのだなぁと、気付き思い起こすことも幾つか。
-
2021.1.27
エッセイかと思って借りたら漫画だった。
もう、ザクザク刺さりすぎて、その通り過ぎて、こんな社会に生きてるのか…と絶望しかなくて、読むのが本当にしんどかった。
見たくなかった、知りたくなかったことに蓋をして生きてきたけどよく考えたらひどいことっていっぱいある。はぁ、生きることってしんどい…。
でも、ネットとSNSで少しずつ、少しずつ今まで声を上げられなかった人たちが声を上げ始めていることに希望を持ちたい。
私たちの時代はまともな性教育を親からも学校からもしてもらってなくて、これから性教育も、ジェンダーについても、息子にどう教えていけば良いか悩みます。
-
年上の男性と話すと感じるギャップがずっと苦しかったです。そのへんのモヤモヤを漫画でわかりやすく言語化してくれている一冊。
「昔はよかった。
職場で女の子の身体を触ってもご飯奢ってあげればウィンウィンの関係性だった」
とある男性が悪気なく言っていてゾッとしたことを思い出しました。
著者よりは少し下の世代なのですが、高校時代に電車通学組が痴漢被害の話を朝からよくしていました。
私自身は10代〜20代の時がメインですが
・道端で露出狂(中学生)
・電車で身体的痴漢(大学生)
・道で追いかけられる(高校生)
・バイト帰りのストーカー(大学生)
・職場の上司からのセクハラ(社会人)
など覚えている限りでも性被害には数々あってきました。
小中学生時代はボーイッシュだったため男の子にもよく間違えられており、もしもガーリーな見た目だったらと思うとゾッとします。
やはり幼ければ幼いほど力も弱く抵抗することも難しくなるかと思います。
娘がいるので、このへんの対応策を家族会議しながら練っていきたいな、と改めて思いました。 -
「男社会」に生きる男。として気付くべきことがある、ということにすら気付けてなかった身としては、大変恥ずかしい限りでした。
そして私はキッカケがあって知れたからわかったこと。をまだ知らないから理解できてない人もたくさんいるのだと思う。そのキッカケになれる大事な1冊。
著者プロフィール
田房永子の作品





