拝み屋備忘録 怪談腹切り仏 (竹書房怪談文庫 HO 466)

著者 :
  • 竹書房
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本棚登録 : 81
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801924659

作品紹介・あらすじ

宮城県で活躍する拝み屋・郷内心瞳が自身の体験や、仕事で遭遇した怪奇を綴るシリーズ最新作!

感想・レビュー・書評

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  • ーーーーー

    昔と比べると、世間の人々は怖いものに対して、あるいは恐怖という感情自体に対して、鈍感になってきている(本文より)

    ーーーーー

    私もそう思います…。
    麻痺していますよね…(^_^;)

    かく言う私も実感している。
    もっともっと怖い本を!と刺激を求め今に至る。笑

    郷内さんの会談も怖いのですが、最近では郷内さんを取り巻く環境や事象を楽しんでいる自分がいる…。
    要するにファンですね。

    今回は、そんなファンの皆様が郷内さんにかけた迷惑の数々が特集されております。

    ーーーーー

    世の中には、なるべくなら関わらないほうがいい人間と、絶対に関わるべきではない人間の二種類がいる。(本文より)

    ーーーーー

    郷内さんがなんだかんだで助けてくれるから、頼ってしまうのよ、きっと。

    人望厚し!!


    【迷惑客】
    お弁当を凝視しているお年寄り。
    従業員の私は、注意をしようと近づくと…。

    ひどい。
    これを読んだら、お惣菜買うのを躊躇してしまう^^;


    【タブーの要請】
    君枝という40代女性が依頼してきたのは、芸能人への呪いだった。

    いつも思うが、芸能人にそこまでのめり込めるのって、ほんと凄い。


    【分からないもの】
    田舎の親戚の家へ泊まりに出かけた萩原さん。
    原っぱで遊んでいて、夕刻そろそろ帰ろうとしていたら、どこか遠くから「おーい!」と声をかけられた。
    こちらも「おーい!」と叫び手を振ると、一緒にいた親戚に「行こう」と耳打ちされた…。

    これ、よく聞く怪談…。
    って事は、本当にあるって事だよね…。
    怖い。


    【一生お詫び】
    坂下さんは、心霊スポット巡りを散々しまくって呪われたお客様。
    代償として、自身に強い霊感が備わる。
    それ以来、反省して欠かさず写経をしている。
    少しサボると怪異が起きるらしい。

    霊が許してくれるまで先が見えず、郷内さんもかける言葉を失ってしまう^^;
    心霊スポットは、ホント危険!!


    【正体判明】
    彼と喧嘩をし、家を出た。
    数時間経って戻ってみると、彼がベッドで真っ赤な女と話をしていた…。

    この女の正体は…。


    【祟り】
    殺人事件があった廃屋を撮影した大山は、三度目の撮影に向かう。
    すると今回は様子が違い、異様な気配を感じる。
    事件の現場である寝室から、寝息のような気配を感じた。
    開けてみると、そこには真っ赤な女が突っ立っていた…。

    やっぱ心霊スポット、怖い。
    冷やかしなんてよくできるなぁ。


    今回のメインは、何といっても迷惑客の君枝さん!
    ラスト、かましてくれますよ。

    次は『拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女』
    よくこんな怖そうなタイトル思いつくなぁ…‪⋮ก(ก꒪⃙⃚᷄࿁꒪⃚⃙᷅*)⋮

  • さて、久しぶりに読んだ拝み屋備忘録シリーズ
    やっぱり読んでて楽しいなぁ〜
    今回の話のテーマは『怖さを知らない怖さ』
    普通の人ならばある程度の線引きが出来るのだが
    中にはそんな線なんざぁ〜はなっから持ってねーよ!と
    怖いもの知らずのチャレンジャー(相談者)たちが遭遇した恐怖の体験を収めた。短編集でした。
    まあ〜殆どの話が自業自得だな…と思いつつ読んでました。
    突撃訪問したり…
    勝手に廃屋入ったり…
    鬼電したり…
    つけ回したり…
    調子乗ったり…

    なんしてんッッ!!

    ほぼほぼ苦笑いが止まらない…アホだなぁと

    それと郷内先生の病気の事も書かれていて
    中々大変だなと…
    早く治る事を祈りたいですね。
    だから予約なしの凸るとかやめてほしい笑
    あれはしんどい…

    全体的に怖さは、あまりなく…僕が慣れてしまったかなんだろか……
    楽しみにしていた連作ものがパンチの効いたものでは
    なったからちょびっと物足りなかったです。

    次作はもっとパンチ効いた怖い話が読みたい!!!
    あ、僕も危うく怖いもの知らずのチャレンジャーの仲間入りするとこだった…

    えー改めてなおしまして…
    次作は、普通に期待して読みたいです!!

  • 郷内さんと奥さんが、元気になってほしい。
    そして、2人仲良く幸せに暮らしてほしい。

  • 芋沢君が出てくると安心する。
    やはり墓場、神社、仏閣などへ不敬はしてはいけないと、強く思うストーリーが多く、普通の生活で真摯に向き合おうと思いました。
    あと不届き者へ「バカ野郎!」と言えない郷内さんが不憫です。
    世の中失礼な人が多いですね。
    怖いと思ったのは、「時間差」「間違え」かな。他の人の感想と違うので、毎度の事ながら自分の感覚がズレてるかなと感じます。

  • 郷内さんのホラー、ここ最近は竹書房から出るのが一番多いのかな。短編で、少し最後の方と繋がっているものもあり、でも本の中で完結する、というホラーの短編を純粋に楽しみたい人には良質だと思う。
    デタラメのようでも強い思いは人を攻撃してしまう。
    死者や先祖に不敬を働くとそれ以上(本人にとっては)の代償を払う。だから心霊スポットめぐりは私はしません!
    ブログも併せて読むと余計に応援したくなるので、古本ではなく、新品の本で買います。今度相談にも行ってみたいなー。

  • 自業自得が多いので、たまにある巻き込まれ系や出会す系の話の方が怖い。何もしてないのに…。
    『アンノウン』『正体判明』そんな相手がいるなら彼女なんか作るなよ。
    『おかえり、野村くん』『よばれた、やられた』こういう意図も正体も全く分からない怪異は大好き。

  • 自ら怪異を呼び込むような行為とは、怪異を避ける方法とは。そういうことのヒントになりそうな話が続く。心霊スポットに行く、人を呪う等々自業自得という人々もいれば、事故ではないかというような人もいる。普段通りの日常に向こうから押しかけてこられては避けようがない。

  • 「夜遊び」「アンノウン」「夕立のあと」「おかえり、野村くん」「間違え」が恐怖に怯えた5作。他にもありますが、心に残っているという点で。

    タイトルの「腹切り仏」の怪談。心底どうでもいい理由でまきこまれてしまった郷内さん。こういうのも職業柄仕方ないことなのかもしれないけども、そう割り切れるものではないだろうし、なんというかため息しか出ないです。いい年こいて、何を思っているのやら。この怪異の根源の君枝にしろ、他の怪談に登場する大山、坂下にしろ、もうちょっと自分の言動に責任持ちましょう。

    深町さんが登場するので、時系列的には「壊れた母様の家」の最中の出来事ですかね、一連の君枝怪異。それは体壊しますよ。ご自愛ください。

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著者プロフィール

1979年、宮城県生まれ。郷里で拝み屋を営む。
2013 年、「調伏」「お不動さん」の2作で第5回「幽」怪談実話コンテスト大賞を受賞。受賞作は『怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん』に収録されている。著書に、最新刊の『拝み屋念珠怪談 緋色の女』(角川ホラー文庫)、『拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女』(竹書房怪談文庫)のほか、『拝み屋怪談 怪談始末』をはじめとする「拝み屋怪談シリーズ」、「拝み屋備忘録シリーズ」、「拝み屋異聞」シリーズ(イカロス出版)がある。「拝み屋怪談」シリーズはドラマ化された。

「2021年 『拝み屋奇譚 災い百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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