森が呼ぶ

  • 竹書房 (2021年7月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784801927377

作品紹介・あらすじ

私たち死ぬの、生まれるの
少女御供を捧げる邪宗の村。ヒトの肉と思考を蝕む猟奇ホラー!


出版社の小説大賞に送られてきた一篇の小説原稿。
それは失踪した昆虫学専攻の大学院生から著者の元に送られてきた〝奇怪な手記〟だった――。

森奉教という土着の宗教が根づく山村、犬啼村。
村の神事を司る狗神家の次女・阿字蓮華は、死んだ姉に代わり急遽村に戻って家督を継ぐ。
大学院での研究も半ばに窮屈な村に囚われて生きることになった親友の身を案じ、
手記の綴り手である「私」はお盆休みの間、フィールドワークを兼ね犬啼村を訪れる。
おりしも村は二十年に一度の大祭前夜。
祭りの取材にきていた大学准教授・鵜飼とともに奉森教の歴史を調べるうち、「私」は村に隠された恐ろしい秘密を知ってしまう……。

第二回最恐小説大賞受賞、原始の恐怖に震撼するファウンドフッテージホラー!

◎最恐小説大賞とは
小説投稿サイト〈エブリスタ〉と竹書房がノールール、ノータブーで募るホラー小説コンテスト。
ジャンル不問、純粋にいちばん怖い作品を大賞とします。

第2回受賞作
「森が呼ぶ」宇津木健太郎(長編部門)
「視える彼女は教育係」ラグト(短編連作部門)

第1回受賞作 
「ヴンダーカンマー」星月渉(長編部門)
「怪奇現象という名の病気」沖光峰津(短編連作部門)

感想・レビュー・書評

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  • シャットアウト!の一冊。

    故郷の犬啼村に帰郷した親友を訪ねた「私」が体験した、世にもおぞましい惨劇。

    村、土着信仰、因習と心躍る要素がいっぱい。

    お香の匂いが立ち込めるこの村はとにかく気味が悪い。

    終始、人か否か、得体の知れないものの視線が絶えずついて回る感覚と共に村の秘密、親友の複雑な事情へと近づいていく。

    旅館の部屋の夜中の訪問者のシーンはマジ震え。

    でも真の震えはまだまだこれからだった…そこからはラストまで脳内映像はシャットアウトしつつ一気に駆け抜けた。

    パンチの効いた村ホラーは最後までゾワリが持続する面白さ。

  • 失踪した大学院生から著者に送られてきた
    日記や記録を小説化したモキュメンタリー。

    日記には土着信仰が根付くとある村での
    奇怪な出来事が記されていた。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    「村」「宗教」のワードで
    読む前から良い意味で嫌な予感。

    洒落怖が好きな方にとてもおすすめ。

    モキュメンタリーといいつつ、
    どこか真実が紛れてるのではないかと思わされる。

    • ハニロビさん
      こんばんは⭐︎
      「村」「宗教」…このワードは最高ですね!笑。
      MATSURIさんがご登録されている本は本当に心惹かれる作品ばかりです!読んで...
      こんばんは⭐︎
      「村」「宗教」…このワードは最高ですね!笑。
      MATSURIさんがご登録されている本は本当に心惹かれる作品ばかりです!読んでみたいです♩
      2024/05/16
    • MATSURIさん
      ハニロビ さん
      いつもコメントありがとうございます!
      そうなんですよ!
      「村」「宗教」の不気味で不穏な空気がたまらないです(笑)
      村に関わっ...
      ハニロビ さん
      いつもコメントありがとうございます!
      そうなんですよ!
      「村」「宗教」の不気味で不穏な空気がたまらないです(笑)
      村に関わった大学院生も失踪していて、一体この村で何があったんだ!?と読む手が止まりませんでした(笑)
      本棚登録もオカルトとミステリーばかりで、周りには全然理解されないので共感くださって嬉しいかぎりです(;_;)
      2024/05/17
  • 田んぼに落ちたところが最高に怖くて気持ち悪かった
    本来の虫っぽさよりグロテスクさに全振りされていて正体がわかる前の方が怖かった

  • 村×土着信仰×虫、というそれだけで嫌な予感しかしない3点セットです。やめて。
    のっけから、こいつはヤベェな感がひたひたと滲んでくるのだけれど、後半は想像するだに発狂してしまいそうなおぞましさ。足の指を丸め、体を縮こまらせてしまいたくなるよ。

  • 途中まではめちゃくちゃ面白かった 不気味でゾワゾワした 最後はハチャメチャな感じでちょっと笑ってしまった 最後まで気持ち悪さは良かった

  • 出版社に公募原稿として届いたある「記録」。それは、隔絶された村落に深く根付く奇妙な土着宗教「奉森教」の継承者となった親友を訪ねた女性が遺したものだった……。

    隔絶された環境、奇妙な土着信仰、独自の慣習に従って生きる人々、旧家に纏わる因習とそれに抗う者、徐々に起こる惨劇、そして怪物……いわゆる“田舎ホラー”に頻出のガジェットはほぼフルラインナップ。ないのは村人による新参者イジメくらい(よしなさいって)。
    前半部は淡々、時に心霊系な脚色も入れつつじわじわと正調田舎ホラーの雰囲気を盛り上げていくが、半分を過ぎた辺りで突如弾け、一挙に阿鼻叫喚の地獄絵図な展開へ。そして明かされる惨劇の真犯人と、「奉森教」の真相……。

    序盤過ぎで語られる奉森教の成り立ちや当主阿字家の屋号、仮面等で著者は怪異の正体など軽くミスリードを狙ったんじゃないか、と勝手に勘繰りもしたんだが、考えてみると表紙カバーで盛大にネタバレしとりゃせんか、これ。

    とにかく中盤までの盛り上げ方、そこから驚愕のラストまで一気に読ませるページターナーっぷりは凄い。終盤のある演出はWeb小説などでよく見かけたアレなので、個人的にはやや興を削がれてしまったところはあるが、和風田舎ホラー小説の、怪作ならぬ快作、野心作かと。

  • 村の土着信仰をテーマにしていて、途中まではねっとりとした不気味な雰囲気でおもしろかった。が、後半はホラーというかトンデモ展開なSF物になってしまって自分の好みからは外れてしまったかなー。
    ハリウッドのエイリアン、ゾンビ映画見せられてるみたい。

  • 親友から送られてきた日記その全文という形式で語られる田舎村の恐怖。臨場感があって引き込まれたし夢中で読んでしまった。特に後半で急加速する残酷で悍ましい展開にはしばらく鬱々としてしまった。
    こういう物理的に狂気に侵食されていく文の組み方、好き。

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著者プロフィール

宇津木健太郎(うつぎ・けんたろう)
埼玉県越谷市出身。本に囲まれた家に育ち、気付いたら小説を書き始めていた。
各賞への小説の応募や投稿を当たり魔的に繰り返し、ようやくエブリスタ×竹書房「第二回最恐小説大賞」長編部門にて本作『森が呼ぶ』が大賞受賞。
プロフィール欄で遊ぶことを目標の一つにしていたので遂に夢が叶ったと歓喜するも、何を書こうか迷っているうちに一時間が経過している。カフェイン中毒。

「2021年 『森が呼ぶ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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