- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784801932272
作品紹介・あらすじ
男は意のままに働く奴隷を求めた。そして、そいつは出現した……。表題作他、哀切に満ちた猫SF「ピーや」などを収めた傑作短篇集。
感想・レビュー・書評
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2022年9月竹書房文庫刊。日本SFを牽引した大御所の一人、眉村さんの1961〜1970年発表の不思議系27編の作品集。奇妙な妻、ピーや、酔えば戦場、なんかは読んだ当時、結構インパクトあったのを思い出しました。今でもセンス・オブ・ワンダーがあります。巻末の日下さんの編者解説も面白い。眉村さん存命の時に出版できなかったのだろうか。眉村さんが、日下さんの解説にどう反応するかを見てみたかったです。
【収録】
漫画文芸66年2月号:奇妙な妻、エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン66年3月号:ビーや、秋田書店69年10月刊SFエロチックあらかると:人類が大変、渦70年3月号:さむい、推理界68年12月号:針、66年7月号:セールスマン、69年7月号:サルがいる、SFマガジン69年10月号:犬、週刊朝日カラー別冊70年6月号:隣りの子、ヒッチコックマガジン66年6月号:世界は生きているの? 、推理界69年5月号:機械、宇宙塵4号(66年1月):くり返し、週刊言論68年9月25日号:ふくれてくる、推理界69年4月号:やめたくなった、69年2月号:蝶、69年3月号:できすぎた子、69年1月号:むかで、小説CLUB70年3月号:酔えば戦場、69年11月号:風が吹きます、SFマガジン66年9月号:交替の季節、宇宙塵100号(66年2月):仕事ください、推理界69年6月号:信じていたい、宇宙塵44号(61年5月):その夜、38号(60年11月):歴史函数、44号(61年8月) 燃える傾斜原型短篇:文明考詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和中期に書かれた眉村卓氏のSF・ホラー短編作品集。日下三蔵編。2部構成で、Ⅰ部はショートショート22編を、Ⅱ部は短編3作を収録している。
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個人的には Ⅰ 部の方がおもしろかったように思います。特に気に入ったのは、「奇妙な妻」「人類が大変」「できすぎた子」ですが、表題作「仕事ください」も悪くないし、その他も概ねまずまずだと思います。
けれど Ⅱ 部の作品は首を傾げざるを得ないように感じました。 Ⅰ 部の各作品よりもページ数を割いているのにも関わらず、端折りすぎの感があったからです。まるでダイジェストみたいに説明中心で話を進めているため、こちらもストーリーを追うだけになってしまいました。
眉村氏といえば当時は SF の名手だったように思いますが、やはり(科学的な部分の描写は除いても)古さを感じるのは仕方ないことなのでしょうか。少し淋しく感じました。 -
眉村卓は小松左京・筒井康隆・半村良・光瀬龍・星新一といった日本SF第一世代に所属している。これまで眉村作品は殆ど読んできたという自負がある中、本書「仕事ください」は読んだことがないと思っていたが、実はハヤカワ文庫JA「奇妙な妻」の収載作品とほぼ同じであることが後に判った。SFに感銘を受け、SFにのめり込んでいった時期に読んだにもかかわらず、その内容を殆ど覚えていないことに愕然とした。人間の記憶とはそんなものなのか、それとも単に私の問題なのかは言わないでおこう。
昨年の6月に刊行された「眉村卓の異世界通信」で著作リストが掲載されていたが、それよりも詳しい解説、作品の出典に関する情報が編者である日下三蔵によって纏められている。昨年の10月には、ハヤカワ文庫JA1500番到達記念復刊フェアで「司政官」が刊行され、久々に眉村卓の新刊らしきもの(5刷)を手にして、初版を手にした当時(1975年)の頃を懐かしく思い返した。
そして、各作品を読んでみたが、初めて読んだ頃の感動は得られなかった。それは時代が違うのだからしょうがない。世の中が変化している、私も変化しているのだ。しかし、日本SF第一世代の作品は現在のSF作家に直接・間接問わず影響を与えているのは間違いなく、第一世代の精神は形を変えつつ引き継がれている。 -
後書きの言葉を借りると、確かに「現代的ではない」。この時代そのものが、SFのようだ。
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作品集「奇妙な妻」をベースに単行本未収録作品三篇を含む四編を加えた作品集。
Ⅰ
奇妙な妻
ピーや
人類が大変
さむい
針
セールスマン
サルがいる
できすぎた子
むかで
酔えば戦場
風が吹きます
交代の季節
仕事ください
信じていたい
犬
隣の子
世界は生きているの?
機械
くり返し
ふくれてくる
やめたくなった
蝶
Ⅱ
その夜
歴史函数
文明考
『奇妙な妻』あとがき
変化楽しや?