レクターガール・サイコ

  • 竹書房 (2024年12月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784801942233

作品紹介・あらすじ

「私は人間(ひと)であることを諦めない」

西彩子(にしさいこ)、連続殺人犯の娘。人呼んでレクターガール。
現代のエリザベート・バートリと言われた連続殺人鬼を母に持ち、
自身は肉体的に痛みを感じない特殊体質と常人とは異なる脳波を持つ天才サイコパス。
彼女は戦う。自由であるために。
彼女が彼女であるために。

妊婦ばかりを狙った連続殺人事件の重要参考人とされたのは16歳の少女、西彩子(ルビ:にしさいこ)。
4年前に同様の事件で逮捕され、拘留中に自死したシリアルキラー西玲子の遺児である。
彩子は6本の指を持つ手で美しいピアノを奏で、非常に高い知能を有する一方、痛覚の一切を持たぬサイコパスであった。
彩子を調べ始めた刑事の河口は、4年前の事件と今回の事件は同一犯であり、玲子でも彩子でもない真犯人がいると睨む。
同様に4年前から事件を追ってきた彩子は河口とタッグを組み、恐るべき事件の真相に立ち向かっていく……。

ピアノを愛する天涯孤独の刑事×サイコパスの少女。
音楽で結ばれた異色のコンビが希代のシリアルキラーを追うバディミステリー!

★読者の声
強くて、かっこいい。彩子のような生き方に憧れます(17歳・高校生)
サイコパス同士の頭脳戦にシビれる。誰よりも強くて、でも抱きしめたくなるほど彼女は愛おしい(20代・会社員)

感想・レビュー・書評

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  •  妊婦連続殺人の犯人とされる人を母にもつ、特殊体質(無痛病など)のヒロイン彩子(サイコ)。

     サイコパス気質のヒロインと刑事の河口が組んで新たに発生している妊婦連続殺人事件の犯人を追うサスペンス。

     連続殺人事件の犯人とは?

     ミステリーというよりは、サスペンスだろうなと思う本作品。

     私が本作品の1番気に入っているところは

     圧倒的な心地よいスピード感

     です。

     展開が早いとか、内容は薄味、犯人、思った以上に頭のキレが悪くね?などなど、物申したいところは正直結構いろいろあります。

     ヒロインのサイコパス感、犯人のシリアルキラー感、カニバにいろんな要素盛り込んでる割には?という感じも否めないものの、読んでいて、息するのを忘れてないか?と思うほどに読んでいて感じる作品からのスピード感を感じる作品です。

     スピード感のために他の要素を犠牲にしたという感じもあるし、細かいことはどうでも良い、斧で力任せに真っ二つに薪を割るような力任せ感も感じるくらいにスピード感があるなと感じた作品です。

     読後、作者のあとがきを読んで、加害者家族の責任っていうのはどこまで負うものなのか。

     そして、加害者家族なら石を投げても良いという感覚や石を投げられてる人をみて自分も投げても良い!という感覚で、加害者家族になら何やっても許される!という感じの異様さをネットで見かけることもあります。

     そこでふと思います。加害者家族は幸せになってはいけないのか?ということに。

     本作品は、その加害者家族であるヒロインがまさに逃げるではなく戦うチャンスを与えられた作品でもあります。

     戦うチャンスを与えられない加害者家族たちについてはどうかというのは一旦置いておいて、確かに、本作品はヒロイン彩子が加害者家族として戦うチャンスを与えられた作品でもあるなと感じました。

     考えれば深く難しい問題をはらみつつも、純粋に作品のスピード感に身を委ねて読書を楽しむのもありだと思う作品です。

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著者プロフィール

星月渉
Wataru Hoshizuki
岡山県津山市出身。兵庫県姫路市在住。
小説投稿サイト「エブリスタ」で小説を書く。
2017年『三毛猫カフェトリコロール』(三交社スカイハイ文庫)でデビュー。
本作『ヴンダーカンマー』で竹書房最恐小説大賞を受賞。
音楽とチョコレートとお酒が好き。ほとんどザルだがなぜかマティーニが飲めない不思議な体質の持ち主。

「2020年 『ヴンダーカンマー 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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