駿台学園を最強に導き、今なお勝ち続ける 異端児

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  • 竹書房 (2024年12月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784801942783

作品紹介・あらすじ

監督就任以降、10年間で九度の全国制覇、三度の春高優勝。
高校バレーボール界の異端児が繰り出す、新機軸の数々!

・データバレーをいち早く取り入れ、相手チームを完全攻略
・非・勝利至上主義で将来を見据え、普段の練習はポジションフリー
・上背のある中学生なら、吹奏楽部員でもスカウト
・Tシャツの販売、恋愛OK、SNSも規制なし
・カルボナーラはNG等、徹底的な栄養管理


著者は、以下のように述べています。

人間は楽なことに飛びつく半面、苦しい時に本性が出る。チームスポーツはまさしくその象徴で、チームが苦しい時、いかに我を出さずにチームのために行動できるか。選手たちにはそのための土台を築いてほしいし、それができればこの先、大人になっても逆境に耐えて、大崩れすることなく生きていけるはずだ。

私も教員として、指導者として、まだまだ未熟だ。だが2014年に駿台学園の監督となり、自分が学生時代の頃から多くの方々から学び、その都度自分に落とし込んで考えてきた。そしてバレーボールの世界では、幸いなことにこの10年間で三度の春高優勝、そしてセンターコート(準決勝以降の1面コート)にも六回立った。

私の経験や考え方を記し、少しでもシェアできれば。その思いで筆を取る。へーそうなのか、と同意していただくのは嬉しいが、それは違うだろう、と思われても構わない。自分なりの正解を求める中、この本が何かのお役に立てるなら、と願うばかりだ――本文より

感想・レビュー・書評

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  •  編者がバレーボール中心のスポーツライターの田中夕子さんなので、まとめ方が的確であった。
     むしろ、この後の大阪での活動についての方をこそ知りたいと考える。
     そうなのかと感慨深かったのは、外国人監督の話を聞く機会が与えられたのに、参加者が梅川さん一人だったというエピソード。

  • とてもいい塩梅に性格が捻くれているからいろんな状況に対して、良い意味で素直じゃない
    だからこそ違う発想で勝ち方を模索しているのかも 必要な捻くれ

    変わっていることがいいことばかりじゃないけど、本当に、本当に変わろうとしてるなら、世界最高峰を目指すなら、高校生が戦いたいと思うリーグにしたいなら、このくらい柔軟にして
    変わっていこうよ

  • 僕はラグビーですがアナリストの奥深さを知れた。あと方針も面白かった。

  • 1. 駿台学園の強さの秘密
    - 選手の質と数: 駿台学園は選手が揃っていると見なされているが、単に人数が多いから強いわけではない。チームスポーツにおいて、選手たちの個々の努力と協力が重要である。
    - 「春高」への挑戦: 全国の高校が集まる全日本バレーボール高校選手権大会(春高)での実績が強さを証明している。選手たちは厳しい練習を重ね、結果に見合う努力をしてきた。

    2. 選手の育成と選抜
    - 選手の選考基準: 駿台学園では、春高のメンバー選考は選手自身に委ねられており、選手間での話し合いを通じて決定される。これにより、選手たちは互いの努力を評価し合う文化が醸成される。
    - 努力に基づく成長: 例として、2023年春高での優勝チームのセッター吉川滝也は、Bチームからの昇格を果たした選手であり、努力の重要性を示している。

    3. 練習環境と戦略
    - 練習の多様性: 駿台学園の練習は、選手個々の成長を促すために多様な練習メニューが組まれている。特に、選手たちは自主的に考え行動する姿勢が求められる。
    - データを活用した戦術: 試合に向けたデータ分析が重視されており、選手たちはそのデータをもとに戦術を考える訓練が行われている。これにより、実際の試合での判断力が向上する。

    4. チームの文化と精神
    - コミュニケーションの重要性: チームメンバー間でのオープンなコミュニケーションが奨励されており、選手たちは互いに学び合う環境が整っている。監督は選手たちに自立を促し、自己判断を重視している。
    - 勝利への意欲: 駿台学園の選手たちは、試合で勝つことはもちろん、将来につながるプレーを習得することを重視している。勝利至上主義ではなく、選手の成長を重視した育成が行われている。

    5. 結論
    駿台学園男子バレーボール部は、選手の努力と協力、データを活用した戦略、多様な練習環境と選手自身の判断を重視する文化によって、強さを保ち続けている。このようなアプローチは、選手たちが将来の成長を見据えたプレーを行うための基盤となっている。

  • 2014年に監督就任してから10年間で優勝4回、直近の2023-2025は3連覇中の最強の高校、駿台学園。
    私のように東京の中学高校でバレーボールをやっていた人間からすれば、知らない人はいない名門校が駿台学園であるが、その駿台学園が最強であり続けるために監督の梅川氏が実践していることや、考えていることを惜しげもなく開陳している。
    NECレッドロケッツのアナリスト出身であり、自身も東亜学園で選手だった梅川監督の徹底したデータバレーや、そのデータバレーを実現するための緻密で堅牢な守備力をどう構築していくか、という部分が非常に面白い。
    石川祐希の本を読んでいても感じたことだが、兎に角、実戦に役立たない、練習のための練習を徹底的に廃した駿台学園の練習の設計も強さの秘訣なのだろう。球出し一つとっても、想定している試合の1場面によって、出す意図も変わってくる。すべてにおいて合目的的な無駄のない練習スタイルはまさに理想だろう。

    ただ、本書を読んで、驚き、感動したのは、梅川監督は常に勝つことだけを目指しているわけではなく、その後も長くバレーボールを続ける際に、必要な基礎的な動作やマインドセット、思考の枠組みを開発することを目的としているという部分である。勝つことへの執念や、その為の正しい努力へ到達する方法、さらに最高学年であれば組織マネジメント等、バレーボールのみならず、その後の社会人として必要な考え方を学ぶことも、梅川監督の下ではできるのではないかと思う。さらに、梅川監督は社会科の教員であることもあり、18歳になれば選挙に行くことを励行し、民主主義を担うための市民教育にも余念がない。

    また、伸びる選手のポイントとして、2つ挙げていたことが興味深い。1つは全体的にバランスの良いスキルチャートではなくとも、どこかで突き抜けた強みを持っている選手、もう1つはとにかく質問する選手。突き抜けた強みがある選手は、その強みを生み出した方法で他の能力開発もできる可能性が高いことや、質問を多くする選手は、常に自分の頭で考え、その上で監督からのアドバイスにも開放的で、何より勝つことに余念がない。こうしたコンピテンシーを持つことが伸びやすいという。これも、バレーボール以外にもとても参考になる。

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