未完の計画機 (命をかけて歴史をつくった影の航空機たち)

著者 :
  • イカロス出版
3.88
  • (2)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802200141

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最も信頼している航空宇宙評論家の一人である浜田一穂氏の著書。

    B-70、TSR2、アブロ・アローという白い三大計画機に重点を置きつつ、その後によくもこれほど、というユニークな計画機の記事が続く。

    マクロスの主役メカの名前で有名になったバルキリー(B-70)、アニメのストラトス・フォーで活躍したTSR2などは未完とはいえ有名どころ。

    一応映画にはなっているが一番知られていない(自分もよく知らなかった)のはアブロ・アローかと思う。

    人口1600万~1700万のカナダで15000人が航空産業に従事という1950年代のカナダの産業構造にまず驚く。そしてこれが、アローのような重厚長大な戦闘機の開発の原動力であり、かつ失敗プロジェクトの本質的な原因でもあると思う。

    つまり、高性能で仕事を生み出す戦闘機を、という業界内の理論で開発が進んでしまい、本当にカナダの防衛に必要な戦闘機は何で、国土と国力に見合った防空システムはどう構築するか、というところが置き去りにされていたように感じられる。

    業界内の理論で巨大プロジェクトを始めて、あとで立ち行かなくなる、というのは戦闘機開発にかぎらずよくあることなので自戒したい。

  • XB-70やTSR2が好きだったので購入。知ってる機体は7割くらいでした。wiki眺めてるだけでは分からない細かなエピソードや構造などがまとまってて楽しく読めました。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

浜田一穂(はまだ・かずほ)

1950年東京生まれ。中央大学文学部哲学科卒。生来の飛行機好きが嵩じて商売にしてしまった。この歳になって思うのは、結局積み重ねがものを言う。新しい知識を吸収できる柔軟性を失ったらお終い。日々研鑽である。
著書に『未完の計画機』『未完の計画機2』(イカロス出版)など多数。

「2019年 『U-2秘史──ドリームランドの住人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浜田一穂の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×