拝み屋異聞 弔い百物語 (イカロスのこわい本)

著者 :
  • イカロス出版
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本棚登録 : 46
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802208772

感想・レビュー・書評

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  • 読み応えたっぷり。
    怪異って、理不尽に訪れる死や災難について、説明を、つけたり予防したりするためのもので、そこにはその地域の文化的要素や信仰が関わる、と考えたことがあるのだが、まさにその現代の怪異を読んでいる、という感じがした。
    一つひとつは短く読みやすいんだけど、段々と周囲の物音にも敏感になってしまう、そんな話。
    後半の拝みやを弔う のパートは結構ぞっとする生々しさもあった。

  • 5よりの★4です。
    イカロス出版の郷内さん作品。初読了です。
    花嫁の家に繋がるお話、郷内さんの最近のお話など、全てのお話を楽しめました。
    最近はドストさん作品で読書頻度が落ちてしまいましたが、やはり郷内さんの作品を読むと活力に繋がります。

  • 怪談会の舞台となった青木邸のその後。占い師小夜歌から持ち込まれた依頼は拝み屋の若い女性にまつわるものだった。しかも彼女は亡くなった千草に似ており…母に言われるまま拝み屋になったという彼女はこのまま仕事を続けるどうか迷っていた。やがて怪異が起こり始め、最終的な彼女の選択は?夫婦共に闘病中のままの主人公も、最後は気持ちの上で一区切りつけられそうで良かった。

  • ジャケ買い。もちろん中身も良きです。
    この本を貫く「花守双葉」さんの相談を読んで調べたことを書く。
    ・黒瑪瑙
    オニキスとも言う。不幸を呼ぶ石という迷信はあるが、葬儀用の数珠に多用されるのは事実である。
    ・茨城県久慈川流域
    かつて瑪瑙鉱山があった。
    ・富士川
    長野県、山梨県及び静岡県を流れる。ここで黒瑪瑙の原石を拾ったというブログがある。

     双葉さんは宮城で育ち、悪徳商法にハマる母親にパワースポットを連れ回されたことがある。場所がどことは書いていないが、自然の多い山や川が多かったらしい。作中で登場する「黒い石」とは黒瑪瑙なのだろうか。

  •  今さらながら気付いたのだけれど、郷内心瞳さんの著書って、私小説ではなかろうか。モザイクのように人から聞いた実話怪談と、己の身に起きた事象を記し、作品として楽しく読ませる作品は他にはない。

     そして己の身に起きたことを書いているから、逃げられないというか……逃げたとしてもそれを書くのだろうか、書くんだろうなぁ。この先の未来がどのようになろうとも、続きを楽しみに読もう。

     なお、この作品も濃厚に過去作と関連があるので、これだけでも楽しいかもしれないが花嫁の家を読んでからがオススメ。

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著者プロフィール

1979年、宮城県生まれ。郷里で拝み屋を営む。
2013 年、「調伏」「お不動さん」の2作で第5回「幽」怪談実話コンテスト大賞を受賞。受賞作は『怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん』に収録されている。著書に、最新刊の『拝み屋念珠怪談 緋色の女』(角川ホラー文庫)、『拝み屋備忘録 怪談火だるま乙女』(竹書房怪談文庫)のほか、『拝み屋怪談 怪談始末』をはじめとする「拝み屋怪談シリーズ」、「拝み屋備忘録シリーズ」、「拝み屋異聞」シリーズ(イカロス出版)がある。「拝み屋怪談」シリーズはドラマ化された。

「2021年 『拝み屋奇譚 災い百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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