人工知能のための哲学塾

著者 :
  • ビー・エヌ・エヌ新社
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本棚登録 : 218
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802510172

作品紹介・あらすじ

「人工知能は、いつ主観的世界を持ち始めるのか?」
本書はこの問いを巡って、人工知能を成り立たせるための哲学・思想的背景(工学やコンピュータサイエンスではなく)について、ゲームAI 開発者として数多くの実績のある三宅陽一郎氏が解説する一冊です。人工知能は「私」というものを持ちうるのか? そうならばそれはいかにして
か? 「世界」とは何か? そして「身体」とは何か? 人間の世界認識/自己認識の軌跡を濃密に辿りながら人工知能に迫ります。
Facebook で1,500 人が参加するコミュニティ「人工知能のための哲学塾」にて開催されてきた連続夜話が待望の書籍化! 他の人工知能本とは一線を画する内容です。ぜひご注文ください!

感想・レビュー・書評

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  • ゲームの人工知能開発を手がける著者が、ゲームの人工知能をより人間らしく近づけるために、人工知能の「内面」をどのように作っていくかについて、哲学の観点から考えるゼミを行った中での、主に現象学の思想に関する解説部分の講義録。

    そもそも私自身哲学が苦手だからというのもあるが、現象学というもの自体の存在意義が今ひとつ理解できず、流れについていきづらかった。直前に読んだDennettの「心の進化を解明する」にあった「理解力なき有能性」の話にも引っ張られているが、ゲームのキャラクターレベルで生き生きとした振る舞いをさせることと、主観的世界を持たせることとがどうもつながらず、主題に掲げる、主観的世界を持たせる必要性を認識できず、前提を共有できなかった。ちなみにDennettの本は人工知能にも触れているが、彼の考えとしては、人工知能はあくまでも人間の道具に留まるべきで、主観的に振る舞い、高度な判断のようなものを委ねられる存在になるべきではない、といったことが書いてあったと記憶している。なので、三宅氏とは正反対であることには留意されたい。

    全体として、情報のフローが、単に何らかの情報を受けて処理をし出力する、というだけでなく、一旦アウトプットしたものをインプットし直すなど、複雑化させることで、意識とそれが行う様々な判断を再現できる…ということだが、具体的にそれがどう行動に反映されるかというのが、まだ想像できない。私の現時点での不十分な理解に基づいて言えば、記号接地問題がネックであると感じる。

  • 人工知能が 賢くなるのはいいことだけど、だれもが少なからず不安を持っていると思います。
    アトムのようないい子のロボットは、大歓迎。ぜひそばにいて欲しいね。
    でも、ロボットが反逆したら? ん それは悪い人間のせいかも。
    作った人のミス? AIが学習するデータが良くない?

    本書を手に取った時は 人工知能と哲学 ??? と思ったけれど よく考えれば
    AIも人間も 「考える」時の指標の一つが 「哲学」。
    これからじっくり読もうと思ったのに、時間切れ・・・。
    また借りて読みます!
    やはり 哲学のことを知らないので 入っていけず 読まずじまい・・・。

    本書とは関係ないかもしれないけれど、下記の講座で知ったこと。
    17世紀の科学は、哲学(フィロソフィー)と呼ばれていたんですって。
    ⇒ URLはこちら http://sea.ap.teacup.com/pasobo/2249.html 『科学史講座第3回に参加 』 :  〜 Myブログ「パそぼとベルルのあれこれフリーク」

    2017/05/01  予約 5/3 借りる。5/10 読み始める。5/30 途中で時間切れでいったん返却。 予約、再度借ります。
    2017/7/4 2回目借り 7/20 読まずに返却

    人工知能のための哲学塾

    内容と目次・著者は

    内容 :
    2015年5月〜2016年4月に全6回で開催のイベント「人工知能のための哲学塾」の講演録。
    ゲームAI開発を牽引する著者が、人工知能を支えるさまざまな哲学について解説。
    世界、自己のあり方から人工知能に迫る一冊。

    目次 :
    第一夜 フッサールの現象学
    第二夜 ユクスキュルと環世界
    第三夜 デカルトと機械論
    第四夜 デリダ・差延・感覚
    第五夜 メルロ=ポンティと知覚論

    著者 : 三宅 陽一郎
    東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。
    国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。
     

  • 哲学
    computer

  • 心とは何か、という古くからの問いに人工知能が答えることができるかもしらないということに面白さを感じた。脳のリバースエンジニアリングが現在進んでいるがこの本を読むとどうもそれだけでは人工知能を搭載した人工人間は作れなさそうと思った。仮に人工知能ができたとしても、人工知能自身を自己と認識させなければならないからだ。本書では体が受けた刺激をコピーして行動との架け橋を作ることが提案されているが、確かな糸口はまだ見つかっていない。現在最も有力だと言われているニューラルネットワークだが、単に脳と脊髄、それから末梢神経を再現する回路を作るだけでは解決できなさそうだ。個人的に、この問題を解決するのは本書でもあるように現象学だと思う。フッサールの言う指向性を人工知能に持たせればよくて、あとはその指向性を持たせる方法を半ば逆探知機器のように探していけばよい。じゃあ、どんな方法を取ればよいのかということはやはり哲学なしには解明できないだろう。自分もそういう分野に興味があるので頑張って勉強しようと思った。

  • 現象学の考え方が人工知能研究で大きな意味を持ちうるという事を初めて知りました。
    分野横断的に人工知能に関わり得る思想を取り上げているので、哲学や人工知能の各分野の本を読むだけではなかなか触れ合うことのない考えに触れられた気がします。

  • 【資料ID: 1117020551】 007.13-Mi 76
    http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB21852779

  • 講義録なので著者の他の本と内容がかぶるところはあるけれど、大きな筋での見通しが素晴らしくて、最後のメルロ・ポンティに得心する。ユクスキュルと環世界のところはあまり理解していなくて、なんでこれが2番めなんだろうとか思うのですが、最後まで読むとああそういうことねとなりました。エントロピー増大の話が量子力学から導出出来た日にこの本を読んだというのもなにかの縁な気がします。

  • ゲームAIの実装という観点を軸に近代哲学を吟味している本です。デカルト哲学を皮切りにフッサール現象学、ユクスキュルの環世界論、デリダの構造主義、メルロ=ポンティの身体論を紹介しています。人工知能を実装するためにはまず「知能とは何か?」について迫らなくてはならない、というモチベーションで書かれています。個人的にフッサール現象学が好きなので読んでいて楽しかったです。

  • 哲学的な切り口で人工知能を考察するという切り口はいいが、自分とは大きく意見の違う本

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著者プロフィール

三宅 陽一郎 @miyayou

京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院理学研究科物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。著書に『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『人工知能の作り方』(技術評論社)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)、『〈人工知能〉と〈人工知性〉』(iCardbook)、共著に『絵でわかる人工知能』(SBクリエイティブ)、『高校生のためのゲームで考える人工知能』(筑摩書房)、『ゲーム情報学概論』(コロナ社)、監修に『最強囲碁AI アルファ碁 解体新書』(翔泳社)、『マンガでわかる人工知能』(池田書店)などがある。
Facebook:https://www.facebook.com/youichiro.miyake
専用サイト:https://miyayou.com/

「2018年 『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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