みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド

  • ビー・エヌ・エヌ新社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802510202

作品紹介・あらすじ

より良いデザインを生み出すためには「批評」が必要である。 しかし現代においては、正しい批評をできる人、あるいは正しく批評を受けられる人が少なくなってきている。 デザインを仕上げていく段階で、デザイナーは「なぜこのデザインが良くて、どうしてこのようにデザインしたのか」と いうことをきちんと説明できるようにするべきだし、クライアント側も、「なぜこういったデザインにしてほしくて、今の デザインはそれに対してどこが足りていないのか」ということをきちんと説明できるようになれば、お互いにとって、 社会にとって、よいデザインが溢れていくはずだ。この本ではそういった本来の「批評」の在り方や方法について述べて いる。簡単に、目にしたデザインについてあれこれ意見を発信できてしまう時代になったからこそ、あらためて「批評」 のスキルを見に付けることでよりよいデザインを生み出していくことができる。

感想・レビュー・書評

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  • 【批評】ということばのもつ批判的な意味と、「問題解決とは切り離す」という手法にピンとこず、ずっと混乱しながら読み終えましたが、
    そもそも日本が批評という意味をネガティブに捉えていたり、「指示型」のフィードバックになりがちな文化なので、
    この批評をシステムとして組み込むというのは、ましてやスタッフレベルではなかなか難しい
    まずはちょっとしたランチタイムにディスカッション…とも書いてあったが、テレワークだしなぁ。
    ここは日本的文化に寄り添って「批評」→「レビュー」と言い換えてみる、というのは心理的安全性には一役買うかもしれません。

  • コードレビューにも有益だとの情報を得た。

  • 具体的な批評方法。
    コミュニケーションとして批評をする方法に受け入れる方法を丁寧に書いている。

  • とてもよかった。フィードバックを反応型・指示型・批評と分類しているのがいい。分類することでパターンとして対処できるようになるし、自分がフィードバックをするときも、客観視して悪いフィードバックにならないように気をつけることができる。あと批評の場で問題解決を始めてはいけないというのは盲点だった。けどそれにしたがうのはめちゃめちゃ難しい。

  • デザインに対するフィードバックを分類した上で、建設的な批評以外に対するフィードバックをどんな風により良いものにしていくか。また、効果的なファシリテーションについても学ぶことができる。手法そのものに真新しい発見はないかもしれないが、デザイン批評という切り口で解説されているところが有益だと思う。とても良い本だった。

  • 批評とは、問題を解決するものではない。新しいアイデアを出すためのものでもない。自身の好みを述べるものでもない。承認を得るためのものでもない。
    デザインをより良くするためのものである。

    この本は批評について、する側・される側の心構え、ミーティングの準備・進め方や事例を示す。

    基本となる思考の流れは、

    目的は何か?→目的に関連している要素はどれか?→その要素は目的を達成するために効果的か?→それはなぜか?

    デザイナーに限らず読んで欲しい本。

  • 目的の共有と質問を通じて、適切な批評を。

    ・ デザインを見せる目的:次の開発工程へ進むために見せるわけだが、それは承認のためだけにあるのではなく、協力を求めるために見せる場合もある
    ・ フィードバックの依頼に関わる問題は、私たちが常に、なにについてのフィードバックが欲しいのか、なぜフィードバックを求めているのかを具体的に説明していないことである
    ・ 役割が異なる人からフィードバックを集めるときにも、必ずユーザーのニーズや目標、そして状況に留意する必要がある
    ・ よい批評のカギ
    1) 分析しているのは、デザインに含まれるアイデアのどのような側面または判断かを具体的に明らかにしている
    2) その側面または判断を、目的あるいはベストプラクティスに関連づけている
    3) その側面または判断が、目的あるいはベストプラクティスをサポートする機能をいかにして果たしているか、いないか、その理由は何かを説明している
    ・ よい批評とは、その内容をすぐに行動に移せるものである。フィードバックに「理由」が盛り込まれていれば、デザイナーはそれをしっかり理解して行動を起こすことができる。要するに、デザイナーはなにが機能し、なにが機能していないか、そしてなぜ機能していないかを十分に把握するので、代替案を考えたり、ほかの部分を調整したりすることができる
    ・ 誰の「アングル」からデザインを分析しているか
    ・ 批評を構成しているのはシンプルな4つのステップのプロセスである
    1) デザインの目的は何か
    2) 目的に関連しているデザインはどの要素か
    3) そうした要素は目的を達成するのに効果的か
    4) それはなぜか
    ・ 批評とはなにが機能していないかについてのみ話すことではない。長所についても話すこと
    ・ 批評において大事なのは、常に全員が同じ心理プロセスにあること
    ・ 批評セッションを行うときには、分析対象であるデザインの要素に適用される目的や原則、シナリオ、ペルソナをチームに必ず意識させること
    ・ 役に立つとはいえないフィードバックをする人が皆、卑怯な、世界征服の野望に突き動かされているわけではない
    ・ 人に反応型フィードバックの段階を超えて、先に進ませるためのただ1つの方法は、反応だけではなく、こちらが分析してほしいものについても相手に考えさせるような質問をすることだ
    ・ 強みを見つけるための例:ソリューションについて機能していることを2つ、心配なことを2つあげてもらう

  • 先輩から紹介され読んだ。
    たしかに、と思える良い内容だが英語を訳しましたーって感じの読みづらい文章。冗長だったりもする。
    横より縦組みの方が読みやすい気がするかも。

  • 自分はファッション系のコンテンツ制作の編集をやっています。今までなんとなく感覚的にデザインの良し悪しについて、人とコミュニケーションを取っていたのですが、この本を読んでより具体的に話すことができそうです。ただ結構内容が難しいので、何回か読まないと、きちんと理解できないかも。

  • 骨太。。。
    でも、自分の伝え方が悪かったなと思うところもあれば、チームで話し合いがうまくいってなかった原因もわかった気がする。繰り返し読みたい。

  • デザインを改善するために、批評がどのように行われるとよいか、について、批評を受ける側、批評する側、グループにおける進め方、組織における批評のありかた、というそれぞれの立場から解説する。

    本書でいう批評とは、一言で言えば、アウトプットが目的に沿っているか、それはどのような理由からか、について分析することである。

    それに対して、陥りがちな間違いとして、批評と問題解決を一緒にしてしまう、ということを挙げている。問題解決をするための創造的な思考と、批評をするための分析的な思考は分けるというのは、特にグループで批評を行う際に重要だ。なぜなら、グループの中の誰かが問題解決の方法を話し始めると、その方法について批評する人が現れはじめ、グループ内のメンバーの着目している点がばらばらになってしまうからだ。

    本書はデザインにおける批評と題しているが、本書で述べられている、どのようにすれば適切なフィードバックが得られるか、ということはデザインのみならず、すべての目的を持った作業に対して当てはまることであり、創造的な仕事をする際に常に実践するべきことである。

  • Webデザインに於ける批評(英語原題ではDISCUSSING)の実践に関するナレッジ本。
    既存のものでは”レビュー”が比較的近いが、”デザイナー以外の人達(デザイン経験値の無い人も当然のように含めて)からの、目標を見据えての意見・分析をデザイナーにフィードバックする”、”各デザイナーの育成的な面も多分に含んでいる”点が特徴かな、と読んだ。
    ”対象はデザインに限らず、人生の全てに適用可能だ”との言葉も有るが、一読の価値はあると感じた。
    ありがちな”付き合い辛い人”への対応策なども幾つか書かれており、要点が分って面白い。

    ただ、英訳書籍に有りがちな(非常に)冗長な表現、とてつもなく長い文節、日本人が書いたら半分以下の量で済むんじゃないかと思わせる部分も多々あり、適宜で読み飛ばすことがお勧め。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784802510202

  • 今まさに必要な書籍でかなり学べる書籍。
    というのも今の組織でも伝統として残るデザインレビューにはいつも頭を悩まされている。デザインの統制を取るために必要な機関ではある反面、反応的なフィードバックをしたり、指示的なフィードバックをしたりしてしまいプロダクトチームやデザイン担当者にとって必要なものなのかどうか、感情的にはよろしくないだろうなど、いつも頭を抱えてしまう。

    しかし批評するには必要な批判的思考が批評を受ける側もする側にも基盤として必要なことがわかった。
    まずは批評をうまく機能させるためにこの本にかかれている4つのプロセスを、書籍タイトルに倣ってまさにみんなで意識することから軌道修正をはかりたい。

    1.デザインの目的は何か。
    2.目的に関連するデザイン要素は何か。
    3.それらの要素は目的達成に効果的か。
    4.それはなぜか。

    以上。アクショナブルなネクストステップに繋がるとても良い本でした。

  • なかなか良い

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