消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。

  • ビー・エヌ・エヌ新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802510301

作品紹介・あらすじ

情報科学分野の気鋭の若手研究者たちがたちあげた消極性研究会がお届けする、コミュニケーションとモチベーションをデザインするための術(SHY HACK)。研究会の色濃いメンバーが、最先端の研究成果、はたまた自身の奥深い経験談を語り尽くします。積極的になれないことややる気が湧かないことに悩む方、またはユニバーサルなシステムやサービスを設計したい方とって、大きな学びが得られる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  •  著者の属性(情報科学分野)に偏った視点ではあるけれど、いわゆる陽キャ/陰キャの2極ではなく刺激の求め方と耐性の違いという論点についてはなるほどと思った。
     消極的な人のための「この場ではこうしましょう」をしてもらえると心強いな、と感じる描写がいくつもあった。パワハラ対策と同じく、理解力のある人が場を支配する立場にあれば尚更のこと。
     著者の消極性には全面的に共感できた。一方で、善意の積極的な人が単なるデリカシーのない人として扱われるリスクにも配慮が必要なのでは?とも感じた。過度に守られるのではなく、多様性を認める方向に進めば世の中もっと平和になると思う。

  • <シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190

  • 東女生の消極性に寄り添うデザインのお話かも.

  • 消極的な性格は欠点ではなく、環境の方を変えてしまえば誰もがストレスなく共存できるようになる、という提言。第一章が一番面白かった。アイデア次第で誰もがもっと生きやすくなる、という可能性を感じさせてくれた。消極的な人にも積極的な人にも読んで欲しい。

  • 第1章 「やめて」とあなたに言えなくて 一対一もしくは一対少数のコミュニケーション[栗原一貴]

    第2章 考えすぎを考えすぎよう 人が集まるイベントなどにおけるコミュニケーション[西田健志]

    「儀式で『みんな』を作る」
    「みんなの空気」が作り出された状態になった後は、そこから抜け出すのに積極性が必要になるので、消極的な人たちもどんどん参加し始めるようになる。

    傘連判状チャットシステム
    小さな善意を集める、入力はできる限りシンプルに


    第3章 共創の輪は「自分勝手」で広がる 複数人でのコラボレーション[濱崎雅弘]

    ニコニコ動画、初音ミクの事例、「〇〇ってみた」文化、やりたいことをやりたいようにやる。

    第4章 スキル向上に消極的なユーザーのためのゲームシステム[簗瀬洋平]

    「やる気がないなりに何ができるか」

    何事にもポジティブになれなくても、いつも最大限の努力ができなくても、自分の持っている最低限のやる気、そして「楽にできること」で、それなりの結果が残せれば、次はもう少しだけ頑張ってみようと思えるかもしれない。

    第5章 モチベーションのインタラクションデザイン[渡邊恵太]

    アプローチャビリティ
    使おうとしやすさ、やめやすさ
    使っているときだけでなく、使われていないときのデザインが大事

    消極性を利用したデザイン戦略
    「ついで」の原理
    起動(開始)の概念をやめる
    美しいこと(汚くないこと)
    やめやすいこと
    行為をとめない、動きの中を意識する
    「出会う」ような体験にする

    まとめ:シャイハックのススメ[西田健志]
    やる気が出ることに期待するのはギャンブルのようなもの

    付録 座談:使えないのは人間ではなく、デザインが悪い

  • 「消極性に配慮するとは、人間そのものではなく人間をとりまく環境をデザインによって変えること。」

  • 「SIGSHY 消極性研究会」の本。5名のメンバーそれぞれが、各々の専門分野を交えながら、消極性に関するトピックとそれをどう扱っていくかについて書かれている。
    各章のおわりに、小野ほりでいさん描き下ろしの、キャラ対談形式のまとめも!!巻末には座談会の書き起こしが記載。



    --
    「消極性は悪いこと、直すべきこと」という昔ながらの考えはもう捨てなければならない
    「社会」が好きな人、「人」が好きな人、「自分」が好きな人に人間を分類
    「なんでもマナーに押し付けるのは、社会の仕組みを作る側や技術的解決を目指す側にとっての敗北」
    不当に発言する人を自滅させ、「みんなが平等に発言できる世の中を目指そう」と訴えたのが「SpeechJammer」
    ウィザード・オブ・オズ方式
    アプローチャビリティ:「使おうとしやすさ」

  • shy hack.
    行動経済学的なアプローチで、なめらかな社会を目指し、その敵と戦う研究者とデザイナー。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784802510301

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著者プロフィール

津田塾大学学芸学部情報科学科准教授、Diverse技術研究所上席研究員。
物議を醸すシステム開発を得意とする情報科学者。2012 Ig Nobel Prize winner。
多感な青春の日々を男子校と硬派体育会系で純粋培養させた彼は、もはや消極性研究者としての宿命から逃れることを許されなかった。それから幾星霜。何の因果か"秘境の女子大"こと津田塾大学でリケジョ育成に邁進中。
Twitter : @qurihara
Website : http://unryu.org

「2016年 『消極性デザイン宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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