- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784802510417
作品紹介・あらすじ
プロダクト/サービス開発において最初に取り組むべきは、ストーリー作りです。ストーリー(物語)は、世界とコミュニケーションをとるための最古にして最強のツール。ウェブサイトであれアプリであれ、オーディエンスからエンゲージメントを獲得できるか否かは、そこに優れた物語があるかどうかにかかっています。
本書では、ストーリーを「第一印象づくりのためのコンセプトストーリー」「ユーザーになってもらうためのオリジンストーリー」「価値を体験してもらうためのユーセージストーリー」の3種に分け、それぞれのプロットポイント(物語の転換点)ごとにユーザー体験をマッピングすることで、製品を成功に導くための考え方と手法を、iPhone、Slack、Twitterなど優れたプロダクト/サービスを例に挙げながらやさしく解説します。UXデザイン初学者にまずおすすめしたい入門書です。
感想・レビュー・書評
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プロダクト・サービスを提供するときに、ユーザーを掴むためにはストーリーが必要。そのストーリーの組み立て方が体系化されていて面白い内容。
ストーリーの種類とその役割はおおよそ以下の通り。
①コンセプトストーリー:ワクワク感を引き出してユーザーを取り込む
②オリジンストーリー :潜在顧客にプロダクト・サービスを利用してもらう
③ユーセージストーリー:サービスから離反しないように世界観を提示し引き込む
①はiPhoneの例がわかりやすかった。
③はTwitterの例がわかりやすかった。いかにTwitterの世界観とメリットをチュートリアルの段階でユーザーに物語として体験してもらうか。
単なるメリット・ベネフィットが提示されていても、ストーリーがないと多くのユーザーを、深く引き込むことはできない。その方法を知るための良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストーリーでプロダクトを語る。
人の体験は常に過去でナラティブである。
その前提に立って物語をさまざまなストーリーラインにのせて
定性的に定量的に判断するポイントを解説している。
著者の映画作りの視点からプロダクトの視点に重ねてストーリーというツールで解説に挑む方法は理解しやすい。 -
ストーリーマッピングの大まかな理解と活用法は理解できた
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UXは大事。潜在顧客は感情でものを買う。パーセプションチェンジを起こさなければならない。
でもどうやって!?
この問いに答えてくれるのが同書。答えはストーリー。基本的なフレームに沿ってストーリーを描き、プロダクトをそれに合わせることで定性的にも定量的にも発展させることが出来る。
もちろんこれを読んだだけではスキルを会得できないが、事例も紹介されているのでスキルに一歩近づくことができる。 -
ストーリー化することで、課題を浮き彫りにするというアプローチには共感できるが、Webサービスに特化したような事例紹介が多く、その他のビジネスプランに対するヒントになるのか懐疑的にはなった。
著者はストーリーを意識することが大事だと書いており、登場人物にキャラクターを持たせ、目的を定義し、障害を設定することが重要と説いている。つまりはどの要素も、物事の本質(課題)を見極め、ベクトルを浮き彫りにする手段ということだろう。
ストーリーの中に、クライマックスや障害を仮定することで難しさと向き合わせるというアプローチは応用できるかもしれない。 -
何らかの売りモノ・サービスを顧客に効果的に(人間が本来的に持つ性質を活用して)遡及する為に、"物語"を使わないでどうするの!?、ということを具体的に細かく、文章や図で示した書籍。
何気に他の手法で利用するキーワードも散りばめられているが、とりあえずこの本をしっかり読んで実践すれば、恐らくはそれなりの結果が付いてくる!...のではないかな?、と思える本だ。
とにかく実践してみないと話にならないので、1冊は傍に置いておきたい。 -
モビリティ・マネジメントのプレゼンを考えるヒントに。ストーリーのゴールっていうのが、自分の予想と違ったので、面白かった。買う(買わせる)、使う(使わせる)、の前の段階をどうデザインするかがあるんだなー。とても参考になりました。
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読了
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プロダクトにストーリーを与える。
ひとはストーリーをこそ理解するからだ。
ストーリーは、ある状況下で、はじまって、盛り上がって、クライマックスを迎え、オチを得て、終わる。クライマックスをピークに大きな弓なりのかたちをしている。ストーリーアークと著者は呼ぶ。
状況説明
事件や物語の発生
盛り上げる行動
危機
クライマックスと解決
落とし込み
エンディング
この7段階のステップからなるストーリーは入れ子の構造をなしている。
全体をなす、コンセプトのストーリー。
ひとつひとつの経験がおこる場面ごとのストーリー(ユーセージストーリー)。
人をプロダクトの中に入ってもらうために特に重要な、きっかけのストーリー(オリジン ストーリー)。
ストーリーはひとつの文で簡潔に示されねばならない。その文は、以下のようなかたちをとる。
【ニーズ】を持つ【ターゲットユーザー】を対象とした【プロダクト名】は【市場の分類】のプロダクトで、【重要な価値】がある。その中で、【競合】とは異なり、このプロダクトには【他にない差別化要因】がある。
ストーリーは、9コマのストーリーボードに書き下すことができる。2コマ目が事件の発生、7コマ目がクライマックスである。
序破急とか起承転結とか言われるストーリーの型を、プロダクト開発に寄せて丁寧に説明したもの。サンプルがやたらiPhoneばかりなので、そこはちょっと物足らないかな。