アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム

制作 : 白澤 卓二  山口 茜 
  • ソシム
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784802611404

作品紹介・あらすじ

認知機能低下は治せる!防げる!9割が症状改善!UCLAの世界的権威がついに解明した、36の病因、回復と予防法。認知症治療のパラダイム・シフト「リコード法」、3つのタイプ別に有効な治療法を解説。

感想・レビュー・書評

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  • 最近、祖母が認知症になり困っていました。
    そんな中たまたま世界一受けたい授業に著者が出演され、「認知症は間違いなく治せる」と豪語していたので思わずポチッた一冊。

    【ざっと内容】
    アルツハイマー型認知症の疫学や診断と治療からこの病を治すことができると著者が提唱するリコード法の内容と従来法との違い、実際にリコード法で改善した人の症例が事細かに書かれている。

    【こんな人にオススメ】
    ・自分はアルツハイマー型認知症になりたくない!って人
    ・身近に認知症の人がいてなんとかしたいなと思ってる人
    ・認知の診断と治療に関わる医療従事者

    【感想】
    、、んや、これは無理や!一般人には到底実施しきれませんよ。
    リコード法による認知症治療の肝は「認知症の原因となってるモノが少なくとも36個あり、その中で不足してる物質一つ一つを患者毎に潰していく」というもの。
    当然、治療の第一歩として"各人に不足してるものの特定"がある。これがキツい!
    とにかく項目が多くてコアなものばかり。一つの医療機関で全項目の検査値を出してもらうのはかなりハードルが高い。本書ではこれらの検査を一括でやってるクリニックが一つだけ紹介されていたので、早速ネットで検索してみると、高い!高い!
    一通り検査、診断、フォローとなると数十万はかかる。しかもリコード法やるには院長を指名する必要があり、その診察料だけで追加で3万かかる。それが分かった瞬間、本書を読むペースが3倍に。もうこれは無理や、とにかくゴールに向かおうと。

    その後リコード法の詳細が書かれていく。気になったのは2つ。
    ①もう何も食えんくなる。
    →食べちゃダメリストにパン、肉、米、ソフトドリンク、ポテト、キャンディetc....いや、毎日全部食ってるよっ!!
    ②不足値に対する対処法の多くが聞いたことないサプリメント
    →どこで売ってるじゃそれらはぁぁ!!!聞いたことねぇ!

    ということで、明日から出来ることがたくさん詰まった本かな!と思って買いましたが、一般ピーポーには不向きなものばかりでした。
    ただ、今の認知症治療の問題点や認知症のリスク因子になり得るものを一通り、しかも一歩踏み込んで知ることはできるので、認知症に興味のある人は読んでもいいかも。

    最後まで読み見終わった後、ふと本のそでを見たら翻訳者が先程紹介したクリニックの院長で思わず
    お前かぁぁぁぁぁい!!と叫んでしまったのは言うまでもありません。

  • アルツハイマー病は癌などと違い、治療法がないとされていた。しかし、著者が示すリコード法は進行の予防や回復が見込めるという画期的な手法である。その中身は栄養、睡眠、運動に気をつけ、抗炎症するという所謂アンチエイジング、健康法の延長のように見え、また十二分な二重盲検試験なども行われていないため、医学界でも承認がされていないようだ。

    しかし、評価記載時点で薬物などで進行を食い止めることすらできない現実から考えると明らかに患者にとっては福音になるのだと思う。惜しむらくは、国内で受け入れられる医療機関が極端に少ないため、患者やそのご家族が本書を理解しないと進められない点かと思う。本書自体は栄養学用語がある程度理解できないと読み下せないかもしれないが、その福音に期待を寄せる方々、将来的な予防に興味のある方は一読をお勧めする。

  • 大仰なタイトルに半信半疑ながら読んでみたが、著者が提案する「リコード法」によって、患者の約9割に回復が認められたと報告しているのには驚いた。

    アルツハイマー病の治療に用いられるアリセプトは、コリンエステラーゼによるアセチルコリンの分解を阻害する作用を持つ。それによって、シナプスは少々長く機能する可能性があるが、アルツハイマー病の原因や進行を抑えることはできないし、脳はさらにコリンエステラーゼの産出するようになる。

    ApoE4はアルツハイマー病の遺伝的危険因子として知られており、日本人の9%が保有している。この遺伝子を持たない人のリスクは9%だが、ひとつ保有している人のリスクは30%、2つ保有している人のリスクは50%以上になる。

    アルツハイマー病患者の脳には、アミロイド斑と神経原線維の変化が見られる。アミロイド斑を構成するアミロイドβは、ニューロンの受容体と結合して栄養のシグナル伝達を阻害し、ニューロンを死に至らせる。アミロイドβは、ニューロンの依存性受容体であるアミロイド前駆体蛋白(APP)に由来する。APPがネトリン1によって1か所で切断されて2つのペプチドができると、シナプスとニューロンの健康を促進し、アルツハイマー病を抑制する。APPにネトリン1などの栄養が供給されなかったり、アミロイドβが結合すると、3か所で切断されてアミロイドβを含む4つのペプチドができて、アルツハイマー病を進行させる。つまり、アミロイドβはプリオンのような悪循環を作り出す。脳は、生き残るために必要な機能を保存し、必要ない記憶の形成にはエネルギーを費やさないようにする。APPは、新しい記憶を維持するために必要なシナプスを形成するための栄養素が十分ではないという情報を受け取ると、自分自身のシナプスを削減する。そのため、新しい記憶は犠牲になりやすく、最も古い記憶が削除されるのは最後になる。

    アルツハイマー病は、炎症、栄養素の欠乏、毒物への暴露に対する防御反応であり、不要になったシナプスの破壊と、現状のシナプスの維持や新しいシナプスの生成のバランスが悪くなった状態である。APPがアミロイドβを含む4つのペプチドに切断される要因を脳に与え続ける生活を送ることによって発症する。したがって、アルツハイマー病を誘発する要因を最小限にすることによって予防できるし、進行を止めることも、回復させることもできる。

    高インスリンと高血糖は、アルツハイマー病の最も重要な危険因子。人間の体は、1日に15g以上の砂糖を処理することはできない。グルコース高値は、慢性定期なインスリン高値をもたらす。働き終えた後にインスリンを分解するインスリン分解酵素(IDE)はアミロイドβの分解も行うため、インスリンが慢性的な高値の状態ではアミロイドβの分解ができなくなる。また、グルコースは多数のタンパク質に接着して、その機能を妨げる。ヘモグロビンA1cは、そのような変性した分子を測定したもの。グルコースが生化学反応によって終末糖化産物(AGE)を産生すると、それが接着したタンパク質が異物とみなされて抗体がつくられ、炎症の引き金になる。また、血管を傷つけたり、フリーラジカルを生成してあらゆるものにダメージを与える。空腹時血糖値は90以下、インスリン値は4.5以下、ヘモグロビンA1cは5.6%未満にすべき。

    コレステロール値は低いと認知機能低下に関わる。総コレステロール値が150未満になると、脳萎縮を患う可能性が大きくなる。

    ビタミンDは、900以上の遺伝子のスイッチをオンにする。その中には、脳のシナプス生成と維持に不可欠なものもある。銅が過剰で亜鉛が少なすぎることは認知症に関係する。亜鉛不足になると、インスリンシグナル伝達が低下し、自己抗体値を上昇させて炎症の原因となる。ビタミンEは、フリーラジカルを除去して細胞膜をダメージから保護する。臨床試験でも、多少ながら認知機能低下を遅らせることが示されている。ビタミンB1は記憶の形成に必須だが、紅茶、コーヒー、酒、生魚によって低下するおそれがある。

    マグロ、メカジキなどの体が大きく長生きする魚には、神経毒である水銀が大量に含まれる。養殖魚よりも天然魚の方が、オメガ3/6比が優れている。

    腸内細菌の餌となるプレバイオティクスとして、クズイモ、タマネギ、ニンニク、長ネギなどがある。

    睡眠によってアミロイド形成が減少し、成長ホルモンが増加して新しい脳細胞が産生される。また、細胞内で損傷した部品をリサイクルする自己摂食プロセスが細胞の健康状態を改善する。

    <リコード法>
    炭水化物が足りなくなると、肝臓が脂肪を分解し、ケトン体を産生するケトーシス状態になる。軽いケトーシス状態が認知機能には最適であることが明らかになっている。ケトーシスを促進するには、低炭水化物食、適度な運動、12時間の絶食を組み合わせる必要がある。中鎖脂肪酸オイル、オリーブオイル、アボカド、ナッツなどの不飽和脂肪でもケトーシスが促進される。

    緩やかな菜食主義として、非でんぷん質の彩り鮮やかな野菜を、調理しないものと調理したものを混ぜて摂る。タンパク質は、体重1㎏あたり1gを摂るとよい。

    夕食と翌日の朝食の間を12時間空け、就寝前3時間は何も食べないようにする。以上が「ケトフレックス12/3」

    運動は、インスリン抵抗性を減少させ、ケトーシスを促進するほか、海馬を大きくする、血管機能を改善する、炎症の引き金となるストレスを軽減する、睡眠を改善するなどの効果がある。1日あたり45~60分は取り組みたい。一方、座ることは、認知力や心血管系の健康に致命的であるという研究結果がある。瞑想やヨガは、コルチゾールを低下させ、海馬の委縮を防ぎ、大脳皮質の厚みを増やす働きがあるほか、強力なストレス軽減法でもある。

    アイスクリームの代わりに、ココナッツミルクアイスならGIが低い。ダークチョコレートもGIは低い。

    監修者の白澤氏は、アルツハイマー病患者のホモシステイン値とビタミンDの値が低い人が多いことを指摘している。ホモシステインは、ビタミンB6、B12、葉酸の摂取で治療でき、改善すると生まれ変わったようになる患者が多いと報告している。

    <考察>
    昨年読んだ『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』より詳しく、取り組む項目も多いが、高血糖がもたらす高インスリンが最も危険であるという点で同じ方向の内容と理解した。大規模な臨床試験は現在実施中のようだが、多数の回復例があるとの報告は朗報だ。リコード法のプログラムのすべてを実行するのは難しいだろうから、ケトフレックス12/3と運動から始めて、少しずつ項目を増やしていけばいいのではないだろうか。

  • 身近な人が認知機能の低下に苦しんでいて、症状や治療法について学びたいと思ったのが読み始めたきっかけでした。内容は素人の私には専門的すぎましたが、食事や住環境に気をつけるべきという事は理解できました。今すぐできそうな食事から変えていこうと思います。

  • 非常に画期的なことが書かれている本だということは分かるが、読者層は一般市民ではないような…
    相当な専門知識が必要です。
    とりあえず理解できたのは、パンを食べすぎず野菜をちゃんと食べること、カビなどの有害物質を取り込まないこと、ちゃんと運動すること、…で合ってますか…?

  • 2018/5/10 Amazonより届く。
    2018/5/19〜7/1

    話題の本、ということで購入。内容が本当なら、アルツハイマー病に苦しむ患者さん達には朗報であるが、あまりにも複雑で(それだけアルツハイマー病が複雑でありということなんだろうが)、本書を読んで理解出来る人はよっぽどの知識と見識を持った人であろう。

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