- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803001662
作品紹介・あらすじ
東京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするのだが-。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。
感想・レビュー・書評
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読みやすくて、兄弟の思いあいが優しい作品だった。お互いあまり器用ではないけれど、良い家族だと思う。
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両親を早くに亡くし、古い一軒家で暮らす、超〜不器用な姉弟の話。
たまたま古本屋で手にとって
冒頭読んで、好きだなと思って買って読んだら大ヒット。
益田ミリさんの 『僕の姉ちゃん』 も大好きだけど、この二人はサイコーでした。
ひとつひとつのエピソードが面白すぎて何度も声出して笑うほど。
より子さん(姉)と進くん(弟)のそれぞれの視点で語られるエピソードの回収話がまた見事。面白いのにお互いを思いやる気持ちが温かくて何度も泣きそうになって、最後はほんとしみじみと幸せの涙を流しました。
酢味噌の栞の話があって、本当に酢味噌の絵が描かれた栞がついているのも嬉しい。
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確か映画であったよな、面白かったけどでも映画化するほど山あり谷ありでは・・・と思ってたら作者が監督されてたのか。映画は観たことないけど、片桐・向井姉弟をイメージしながら読んだ。お互いに気配りしてることを気づかれてないテイ、気づいてないテイで生きているという優しさがここそこから伝わってくる。読んでて終始ほのぼのできた。
30冊目読了。
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姉と弟2人暮らしの日常は続く
このまま暮らして、ゆくゆくは赤毛のアンのマリラとマシュウ(こちらは妹と兄だが)みたいになって…アンみたいな女の子をひきとって…なんて妄想をしてしまった -
40歳の姉と33歳の弟。早くに両親を亡くした二人が20年近くたった今でも一つ屋根の下でお互い独身で過ごしています。近くにいながら干渉しすぎずそれでも十分に相手を思いやる二人の関係が、視点が交互に入れ替わることによって読み手には手に取るようにわかります。他人から見たらいい年をして、という状況かもしれない。でも二人の関係がすごく良かったのです。最後のシーンの封筒にじんわりとして、ラストの一行にほろっと涙がこぼれそうになりました。こんな優しい姉弟ならきっと明るい将来が待っていると信じたいです。読後気づきましたが、筆者はドラマ「魔王」や「怪物くん」さらにはタイバニのアニメ脚本まで手掛けた脚本家でいらっしゃったのですね。さすが、舞台や映像にぴったり、という感じです。キャストを先に知ってしまっていたので脳内は彼らが動いていましたがとても良かったです。映像化されたものも是非見てみたいです。
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冴えない兄弟愛物語大好きなんです。江國香織の「間宮兄弟」とか最高。本としての出来以上に僕の心にジャストフィットです。
本作は映画を先に見たんですよ。片桐はいりと向井理でしたが弟がちょっとイケメン過ぎてなんだかなあという感想でした、でもここで弟まで冴えない男じゃ誰も映画見に行かなくなっちゃうでしょうから仕方が無いですね。
早くに両親を亡くし、弟を愛情深く育ててきた、見た目イマイチ、高身長、全てにきっちりした世話焼きの姉。姉に守られ、甘えん坊な部分が残る、コミニュケーション能力が標準をかなり下回る弟。
普通にケンカしながらお互いを想い合っている姉弟。お互いの幸福を願い合っているがゆえにそこから動けなくなっている部分もあり、読んでいて歯がゆくも有り、ほんわかした気持にもなります。
映画は少し刺激が必要なので、恋愛方面に針を多めに振っています。本の方が姉弟の生活をがっつり書いていて僕としては本オススメ。
映画の配役を個人的に考えるのが僕の最近の楽しみです。
小野寺姉⇒これは片桐はいりは外せない
小野寺弟⇒滝藤 賢一(もう少し若くして) -
おもしろかった。
TIGER&BUNNYの脚本書いている人の本ということで、興味を持った。
読んでみて、この人はトラウマのある人(弟)の描写がうまいなあと思った。
姉と浅野さんとのくだりはベタすぎて、先が読める展開でつまらなかった。
ところで、とうとう最後までなぜ姉弟二人きりの生活なのか、はっきりと語られなかった。
弟の方がまだ幼いときに姉が親代わりになっているようだが、姉と弟との年の差は4歳か5歳くらいでしょ?とすると、親がいなくなったとき姉も未成年のはず。
その辺のところはわざと語らないことでごまかしているのかもしれないけど、実生活で子どもを育てる苦労をしている身には、現実離れしているように感じて違和感がぬぐえなかった。
でも、ユーモアにもあふれていて、くすくす笑いながら読めたので満足だ。 -
姉弟のリズミカルな会話が面白いが、それといった山場も、考えさせられる場面もない。エッセイを読んでいるような錯覚すら覚える。映画になったイメージが強く、雰囲気を楽しむものなのかなと思う。映画版キャストと同じく、向井理と、片桐はいりの会話を想像しながら読んだ