一枚のハガキ (Linda BOOKS!)

著者 :
  • アース・スターエンターテイメント
3.65
  • (2)
  • (9)
  • (9)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 44
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803002645

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みやすかったです。
    戦争の話だけど、血がたくさん流れるような戦闘の描写や空襲で無惨に死んでいく場面はありません。
    でも、残酷じゃないかって聞かれたら残酷です。
    赤い血液はほとんど流れないけど、心の傷は相当です。
    私自身が結婚したばかりなので、美江と友子 対照的な2人に感情移入して読みました。
    …どっちも強いよね。
    お義父さんに手を出す神経も信じられないけど、夫の弟と再婚するのも理解できない。


    最後まで読んでからプロローグにもどると、「ほほぉっ!」となります。笑。
    とりあえず2人が幸せに暮らしてめでたしめでたしで良かったですよね。じゃないとこの話誰1人として幸せになれない、虚無感しか残らない話になっちゃいます。
    定造も恨んでないと思います、2人のことを。
    手紙を託すときに、"死んだら妻をよろしく頼む"とは思ってなかったでしょうけど。

  • 戦争で仲間や家族を失った男女を描いた作品。
    失意の中、命ある限り懸命に生きる2人に「生きる」ことの意味を突きつけられた気がする。
    読み易いです。

  • 戦争、生き残った男啓太と、夫と家族を次々と失った知子、一枚のハガキが二人をつなぐ。「今日はお祭りですがあなたがいらっしゃらないので何の風情もありません」短い手紙が印象的。

  • クジの公平さと、死の公平さは同じだと思った。
    平等で残酷。

    日頃の行いや年齢や財産も関係なく誰にでも平等で為すすべもない。

    それに向かうのが戦争で、国民をその恐怖に突き落とした御国。

    経験者の真摯な思いが聞けたことを、そのまま受け取りたい。
    為すすべもない恐怖に、心を奮い立たせる意味と価値。
    世界から見たら無意味無価値でもそう生きるしかない、一人。

  • 当たり前の幸せを感謝したい。

  • 戦争ほど理不尽なものはないのね。
    つらい。生きることは。
    戦争は本当にまだほんの前のことなのだ。ぜいたくだ。いろいろと。
    なのに今は、違う戦争が起こってるのか。
    時代は違うのだから、比べることも違うと思う。でも、やっぱりぜいたくだ。もっと生きることに真摯に貪欲に切実に。

  • この夏に公開された映画の小説版。
    新藤兼人監督の遺作にあたる。

    主題は、「それでも生き抜く命」といったところだろうか。舞台は戦中戦後。中心で描かれているのは、様々なかたちで生き残(ってしま)った人物の姿見だ。

    映像化されたものを土台に書かれているので、情景が想像しやすく、読みやすい。
    文体としては平易なので、中学生にも読めるだろう。ただし、大人向けの映画なので、微々たるものだが性的場面が含まれており、配慮が必要。

全9件中 1 - 9件を表示

新藤兼人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×