面白い! を生み出す妄想術 だから僕は、ググらない。

著者 :
  • 大和出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804718613

作品紹介・あらすじ

くだらないこと、考えていますか?パソコンにしがみつくより、こんな“頭の中で遊ぶ癖”さえあれば、アイデアがどんどん湧き出てくる!元NHK「中の人」で、作家として活躍中のユルいクリエーターが、発想のヒントを大公開。

感想・レビュー・書評

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  • CMの企画を考えたり、ポスターを考えたりクリエイティブな発想が求められる仕事をしている浅生さん。
    そんな彼がどうやって他の人にはないアイデアを生み出しているのかを綴った本。

    大きく分けて【発想するときの考え方】と
    【具体的な発想法】がある。
    私にはこの【考え方】がとても良かった。
    気持ちが楽になったし、こうやって仕事ができたら楽しいだろうなとワクワクした。

    -----------------------------------------

    ◉自分を押さえ込まないで
    ものを考える事は植物の栽培に似てる。
    どれだけの実りがあるかは考えず、まず種をたくさんたくさん蒔く。
    その種が「アイデア」であり、その後はアイデアを選別し、調べ、とことん磨き育てていく。

    私たちがまずすべきなのは種をたくさん持っておくこと。
    日頃からささいなことをメモしたり、興味を惹かれたことから空想を膨らませたりして、自分の引き出しにたくさん種をしまっていく。
    そうすればその種が役立ちそうな仕事が来たときにはすぐ蒔くことができる。

    1番の敵は現実、常識、周りの目、自分自身。
    こんなことは出来っこない、こんな馬鹿らしいこと…と自分自身をいじめる事は絶対にしてはいけない。
    そういったものは脇に置いて
    心のままに自由に、イメージの枝葉を伸ばしていく。それはきっと楽しくて、夢中になって気持ちいいこと。

    浅生さんはそうやって仕事をしている。

    ◉浅生さん、レベルが違いすぎる
    浅生さんのメインの発想法は「言葉から連想する」というもの。
    【発想】という言葉から
    発送、八層、八艘、8頭、動物…
    着想、発着、飛行機、国内、海外…
    と、どんどん連想を広げていく。
    そうして出てきた言葉と発想を結びつけて、面白いものを生み出していく。

    『台風一家』の妄想は笑えた。
    台風一過を一家とイメージしてしまうのは誰もがやる。が大概そこで終わる。
    浅生さんは台風一家の家族構成、父の心理描写、一家が担っている運命にまで空想を広げていく。

    ここまで読んで「ああ、これは他の人が敵わないわけだ…」と白旗を揚げることになる。
    何より楽しそうだ。


    ただ、この人はすごいで終わらせるだけではなく、自分達の仕事にも活かせる方法を考えないといけない。
    どんな仕事にもアイデアが必要な場面はある。
    私は一つポケットサイズのメモを用意して、キッチンに置くことにした。
    料理しながらぼーっとすることが多いので。

    早速浮かんだことを膨らませて
    【塾でメダカを飼う】【目標クリスマスツリー】などと書いてみた。
    このアイデアが日の目を見ることを夢見て…

  • 私はなんでもネット検索しちゃう。でも結局は自分が欲しい答えを探していることが多いような気がする。映画を見たらレビューをググったり、面白いニュースを見たらみんなの反応をググったり、そういうときはまさに答えっぽいものを探しているとき。でも本書には「答えがないほうが面白いよね」「無駄に見えるものが素晴らしいアイデアになるかもしれないよ」ってことが書かれていて、日々正解ばかりを見つけようとするのは、少し休んでみようかなと思った。

  • 元nhk中の人の、妄想からアイデアを出すために普段からやっていることをまとめた本。
    天才的な妄想手法が綴られていて呆気にとられる(凄すぎて)。真似できるかどうかは横に置いといても、全く新しい視点に触れることのできる本。
    「調べる前に、とにかく妄想する。」にはグッとくるものがある。

    ★妄想の仕方
    ・違うものを並べてみる
    ・擬人化してみる
    ・順番や因果関係を逆転させる
    ・オスとメスの話
    ・接続詞の順接と逆接を交互に使う
     だから、しかし、そこで、けれども、なので、だが
    ・なぜ?なぜ?

  • タイトルにやられて手に取りました。
    「ググらない方法なんてあるの?!」とドキドキしましたが、すでにその方法は表紙に書いてありました。
    そう、副題の「面白い!を生み出す妄想術」です。

    ググる前に、妄想を膨らませば、探さなくても自分のなかからアイデアは浮かんでくるよ、だからネットでアイデアをあまり探さないから、まわりまわって「ググらない」にしたのです、というのがタイトルの真相のようです。

    副題の通り、この本は著者が日ごろから自然としてしまっている妄想の方法について記した1冊です。
    オトナになり、常識にガチガチに頭がおさえられてしまい、妄想術をほぼ忘れてしまった方にとっては、ナナメ上からモノを見る視点を教えてくれる本かもしれません。
    しかし、すでに妄想術を心得ていらっしゃる方には「もうこれ、毎日してるよ」という本なので、その場合はそっと本を閉じてください。

    それにしても、妄想の方法だけで1冊できあがってしまうなんて、すごいですよね。
    この本に載っている妄想術のうち、数個くらいは、すでにやっている人もいそうですが、1冊できるくらいの妄想術をもっている、となるとレベルが違います。
    その差は将棋の「歩」と「と」くらい違います。
    もしこの本を読んで、「オレにも妄想術の本書けるかも」と思われた方は、今一度自分の妄想レベルがどのあたりにあるのか、ぜひご確認ください。

    しかし「妄想術」よりも「ググらない」の方に惹かれて手に取ったわたしには、肩すかしをくらった気持ちになったため、☆2つにさせていただきました。
    また副題までしっかり見ることが大事だな、とあらためて思いました。

    最後に一言。
    「だから僕はググらない」というタイトルはまさに「つかみはOK」な、すんごいタイトルです。やられた!

  • 考えろ!もっとよく考えろ!と言われて困って買った本。
    妄想する、書きとめる、連想する、誰かに話す...
    わかっていたけど、ここまでやるのか!
    誰でもすぐに実践できる。ググる前に妄想しよう。

  • アイデアの種をいかに広げて形にするか、手法のひとつひとつはそんなに珍しくないのかもしれないけど、その発想が自由にぶっ飛んでいく。途中、とんでもないところに連れて行かれた気分にもなるが、実際に形になった仕事を知ってホッとするとともに感心する。
    柔らかい言葉で書かれているが、最後まで読むと若者への熱いメッセージのように読めてくる。

  • オーディオブックで

    例えば、電車を待つとき、
    スマホでSNSを眺めるのよりも
    自分の頭の中を検索していくほうが
    おもしろい

    これには同感

    そして私はこの連想妄想ゲームみたいなのが
    けっこう好きなんじゃないか?
    と気づいてしまったから
    ますます脳が休まなくなる

  • 妄想力が高い人の妄想術について。落書き、声に出してみる、人の頭をかりる、人に見せて恥をかく、シンプルな答えを求める、のあたりは本当にそうだなと思った。このアイデアはイケてるぞー、と頭の中で考えているだけではそのアイデアは世の中に存在してないということだし、だいたいは自己満足なものなになっていることが多い。明日からまたやってみよう。

  • ぐぐった結果は今覚えているか?
    自分の身になったか?

    その検索に価値はあるのか?

  • 妄想とアイデアについて書かれた本。

    ビジネス書とエッセイの中間くらいの内容で、なかなかゆるくて面白かった。

    もっと肩の力抜いてくだらないこといっぱい考えたらいい、という気持ちになれた。自分の頭の中を楽しめる人こそが、強いんだってことかな。

    「僕たちは気を抜けばすぐに『盛り』たくなってしまう」という一文にハッとさせられた。変に人によく見せようとか、「俺はこんなこと考えられるんだぜ(ドヤァ」みたいにして出したアイデアや文章は、逆に滑ってしまうことが多い。感じたまま、シンプルに自分を表現しようと思った。

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著者プロフィール

作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に、広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『伴走者』、『どこでもない場所』、『ぼくらは嘘でつながっている。』『すべては一度きり』『たった二分の楽園』など。近年、同人活動もはじめ『異人と同人』『雨は五分後にやんで』などを展開中。座右の銘は「棚からぼた餅」。

「2023年 『浅生鴨短篇小説集 三万年後に朝食を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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