抱きしめよう、わが子のぜんぶ: 思春期に向けて、いちばん大切なこと

著者 :
  • 大和出版
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804761268

作品紹介・あらすじ

不登校、いじめ、反抗……。思春期でつまずいてしまうのはなぜ? いずれその時を迎える子供に、どのように接したらいいのか。児童精神科医の第一人者が説く、今日から親子で笑顔になれるハッピーアドバイス

感想・レビュー・書評

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  • この方の本を読みたいなと思っていて最近手に取った
    著者の方は高齢の女性の方だと思っていたら、男性だった!

    こんなに母性のある優しい男の人がいるんだな

    不登校が増え、学校のよくないところや社会のよくないところが見えてしまう昨今だけど
    外に答えはなくて、やっぱり中に答えはあるんだなと思う

    自分や家族と向き合う事の大切さを教えてもらいました

    愛に溢れていてやさしい
    全ての親や教育関係者が読めばいいなと思った

  • ▼職場であれ、家族内であれ、学校であれ部活であれ。特に職場の上下関係とか部活とかに多いと思いますが、「お前のためなんだ」「だから俺がこうやって教えてやってるんだ」「今はわからないだろうが、後で絶対お前は俺に感謝する」みたいな傾向の人って居ますよね。説教が長い人。飲み会に後輩を誘って、結局説教と自慢話になる人。非常に面倒くさいですよね。個人的にも大昔、そういうタイプの人が身近にいなくなった状況で、初めて「仕事が楽しくなったなあ」、と思った記憶がはっきりあります。楽しくならないと、そりゃ上達もしません。人間ですからねえ。

    ▼「なんでもっと楽しめないんだ!楽しめよ!」というとんでもない人も居ますよね。そんなこと言われて楽しくなれると思ってるんだったら、根本的に世界と人間の把握の仕方を間違っています。

    ▼この本は、「自分が、自分の子どもに向かって、そういう面倒くさい存在になっていないか?」という話です。

    ~~~~

    【本文より】
    子どもがうまく育たない家庭の責任の80%は、父親のほうにある。

    【本文より】
    全面的に両親が、プライドを捨ててくださることがいちばんだと私は思っています。

    ▼なかなかにザックリとした分かりやすい物言いが魅力な佐々木正美(1935-2017)さんの本。「抱きしめよう、わが子のぜんぶ」2006年大和出版。タイトルのセンスはかなり疑問(というか、おいおい、という感じですね)。

    ▼佐々木さんは精神科医です。専門が児童精神科というものだったそうです。2000年前後、つまり65歳前後くらいから一般向けの本を多数書かれています。そもそもは、「子どもへのまなざし」1998という本の装丁イラストが「ぐりとぐら」の人だった、というささやかなひっかかりから、連れ合いが読んだのがきっかけで、読んでみたら面白くて、たまに手に取ります。

    ▼何が好きかと言うと、「こうすれば良い子が育つ」ということは書いてないことです。「良い子って、いったい誰がそれを決めるんや?」ということです。書いてあることはザックリ言うと、「良い子に育てようとか、そういうことを親が思うな!ありのままの子どもを受け入れてやればそれで良いんだ!(そしてそれがほとんどみんな、出来てるつもりで出来てないんだ!)」ということですね。コレは実は、大人同士にも大いに当てはまると思います。

    ▼この本は、たしか「思春期初期を迎えるこどもについて」という枠組みだったと思います。「まだまだ先だけど、今のうちに読んでおこうかな」ということで読んで、いろいろ「そうかあ、読んで良かったなあ」と思ったんです。思ったんですが読了して1年くらいで最早、中身をほぼ忘れています。まあ、仕方ないことですが。でも、ここまで忘れてしまうのならば、読んだ意味あったのか?というささやかな疑問もありますが、まあでも読んで、おもしろいなと思ったという体験はきっと何かの影響はあるのでしょう。分かりませんが。

    ▼以下、全て本文よりなんですが、改めて読むと「これは親子関係のことなんだろうけど、大人同士の人間関係でも全く同じなのではないだろうか?上司と部下とか・・・先輩と後輩とか・・・」と思ってしまいます。まあ、全ての人間はかつて子どもだったわけですから、当たり前と言えば当たり前・・・。

    【本文より】
    どんなに愛情のつもりであっても、子どものよくないところを指摘するのならまだしも、人格そのものを否定するようなことは絶対にしてはいけないことです。
    *子ども、を、新人、に置換すると!

    【本文より】
    思春期以降の精神的な危機の問題は、その最初のステップである乳幼児期に親のいうことを聞かせすぎた結果であることが多いのです。あるいは子どものいうことを聞いてあげながら育児をすることが不足した結果。
    *乳幼児期、を、入社1〜3年、と、置き換えると?

    【本文より】
    子どもの心は「自立したい」と「甘えたい」を行ったり来たりします。
    *新人も同じでは?

    【本文より】
    (事件を起こすような若者は)ほとんど病的と言っていいほど、みんな自分に関心をもってもらいたいと思っている。

    【本文より】
    親に対してどんな言葉を投げつけようが、先生に対してどんな態度をとろうが、あれこれ言わない方が良いのです。子どもはそれが必要だからしているのです。

    【本文より】
    本当の自立とは、他者と安心して依存しあえることです。つまり、相互依存できるかどうかによって自立は決まってくるのです。依存というのは「自分が望んだことを望んだとおりに受け止めてもらう」体験のことです。「安心して甘えられること」と言い換えても良いでしょう。

    【本文より】
    人間は相互依存の中で生きているということを、子どもは親の姿を見て、学び取っていきます、また、親が人を信じられなければ、子どももまた人に心を許せないまま育ってしまいます。親子関係とはそういうものなのです。
    *親、を、先輩上司、に置換すると?

    【本文より】
    人間はみんな相互依存によって生きているわけで、健全な相互依存をしている人を「依存症」とは言いません。

    【本文より】
    それは約束ではないんじゃありませんか?あなたが押し付けただけじゃありませんか?強い方が弱い方に向かってウンと言わせたことを約束と言っちゃいけないですね。それは命令しただけです。

    【本文より】
    自分の子どもに対してだけプライドを捨てれば良いのです。ほんの少しだけ、大らかに考えてみればできることではないでしょうか。問題行動というのは「子どものプライドを守るために、自分の顔に泥を塗られるなんてことは耐えられない親」に原因があるのかもしれません。
    *子ども、を、後輩部下、に置き換えると。

    【本文より】
    子どもの自尊心を守ってあげられるのは、親だけです。

    【本文より】
    過剰干渉と過保護を混同している人が多い。子どもの望んでいることを聞きすぎるのが「過保護」。子どもが望んでもいないことをやらせすぎるのが「過剰干渉」。

    【本文より】
    何事にも嫌なことを受け入れる忍耐力を、私たち大人がどんどん衰えさせているのではないでしょうか。利己的ないし自己中心的な生き方と背中合わせの感情でしょう。親が子どもに向けてこういう子どもじゃないといやだとか、こういう子どもになって欲しいという要求がどんどん強くなってきました。親の期待や支配が強すぎると子どもは、自立への一歩を踏み出す思春期を迎えると、その縛りから逃れようと親を受け入れなくなります。汚い言葉を投げつけたり、暴力をふるったりして抵抗するようになるかもしれません。

    ~~~~~~~~~~~~

    ▼うーん。
    でも実際そういう「間違い」を犯すことなく親稼業をずーっとできる人っているのかなあ・・・と思ってしまいますね。
    佐々木さん自身が、別の本では「そうやって失敗いっぱいしながらでも子どもと向き合ってる自分を、パートナーを、褒めてあげることがいちばん大事」というようなことは、ちゃんと言っています。
    やっぱりねえ・・・ついついねえ・・・。後で振り返って「うーん、あんなことをあんな言い方で言ったのは、良くなかったかもなあ」と反省すること、ありますよねえ。いくつになっても。(それも、子供に対してだけぢゃなく、仕事の後輩に向かっても、多分あるんだろうなあ…)
    ▼できるだけ、せめて、「良くなかった」と思ったら、見栄をはらずにきっちりと謝るように心がけたいものです・・・。(相手が、子どもや家庭内に限らず…仕事などでも…)

  • 子どもとの関わり方に不安を感じ、私はダメな親だ、と落ち込んでいた時に、この本を読みました。子どもを叱りすぎだ、と反省すべき点もありましたが、最も感銘を受けたのは、「子育て以上に価値ある仕事はありません。がんばっているお父さんお母さんに私は大きな拍手を送ります。」という言葉です。感動して涙が出ました。主婦で子育てを頑張っていても、なかなか評価してもらえず、虚しく思い、子育て以外のことに、生きがいを求めたくなる方も多いのでは?私もそうだったんだ、と気付きました。でも、この本から、拍手をもらいました。頑張ってるね、今のお母さんでいいよ、と言ってもらえました。私は、誰かに、そう言って欲しかったんだと思います。
    この本は、子どもへの接し方として書かれていますが、子どもは、一人の人間です。その人を、そのまま受け入れるという事は、子どもだけにすべき事ではなく、お父さん、お母さん、他の大人との接し方にも言える、人を尊重する、という基本的な事です。どんな人が読んでも、勉強になる本だと思います。

  • どこまでが親として必要な対応でどこからが過保護なのか?過保護にしすぎるとワガママな子になってしまうのではないか??など子育てに関する様々な悩みに、温かく寄り添って、導いてくれる本だと思った。著者曰く、子どもの望むことをとことん受け入れてあげるのが過保護で、過保護によって子どもが悪くなることはない、と。ただし、子どもの望まないことで子どもの人生に踏み込みすぎるのは過干渉で、これは良くない。たくさんの子どもたちを診てきた方だけに、とても納得感のある指針だと思った。

  • こどもに親の期待を押し付けてはいけない。こどもの主体性と尊厳を育てるのが親で金銭やものを与えるのではなく、時間と労力を注ぎましょうという本。主張に対する実証や統計的手法はなし。つまり、エビデンスゼロである。にもかかわらず何故か説得力があるのは、著者が佐々木先生だからだと思います。

  • 佐々木先生の子どもへのまなざしを読んできました。思春期になり改めて参考にしたいと手に取りました。

  • わかっちゃいるけど難しい

  • エリクソンが唱える無償の愛、これを字面を変えながら言っていると感じました。筆者の本には多くの場合このテーマが描かれており、この本も同様でした。特に新しい気付きというはなかったですが、気持ちが温かくなるそんな気持ちにさせてくれる本でした。

  • 泣けた。すばらしい助言。だが、反映させるのに、親としての現実はきびしい。

  • すごく読みやすい本。あっという間に読めた。
    話を聞く
    生まれてきてくれてありがとう
    あなたがいるから嬉しい
    あなたが喜ぶと私も嬉しい
    大好き
    そのままを認める
    子どもが失敗したら親が謝ってあげる
    あまり叱らないと、叱った時の効果は絶大
    確かに家の中で何しようと、そんなに怒らなくてもいいんかなー
    外で人に迷惑かけんかったらまぁいいよね。

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著者プロフィール

児童精神科医。1935年生まれ。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学留学後、国立秩父学園、東京大学、東京女子医科大学、ノースカロライナ大学等にて、子どもたちの精神医療に従事する。現在、川崎医療福祉大学特任教授。
日本で初めてTEACCHを紹介し、普及に努める、TEACCH及び自閉症医療の第一人者である。
近著に『子どもへのまなざし』『続 子どもへのまなざし』『完 子どもへのまなざし』(以上 福音館)『「育てにくい子」と感じたときに読む本』(主婦の主社) 『アスペルガーを生きる子どもたちへ』(日本評論社)ほか多数

「2011年 『出会いでつむぐ私の仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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