身近な人の「攻撃」がスーッとなくなる本

著者 :
  • 大和出版
3.97
  • (40)
  • (34)
  • (24)
  • (2)
  • (5)
本棚登録 : 466
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804762012

作品紹介・あらすじ

他人からの、こんな「攻撃」にお困りのあなたに。上司が自分だけ目の敵にする。先輩が嫌みばかり言う。妻(夫)は自分を責めてばかり。恋人にいつも「上から目線」で否定される。友達から仲間はずれにされた。近所の人が陰口を言っている。今すぐ、どんな問題もすっきり解決!「対人関係療法」の精神科医が教える「人づき合い」のヒント-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 相手は単に「驚異!」と感じるから「攻撃」してくるのだ。 23

    媚びるという行為は、相手の反応をコントロールしようとする態度。28
    …おなじ感覚の人にやっと出会えた!

    脅威1 相手の敷地に踏み込んでいる
    脅威2 知らず知らずのうちに相手を責めている
    脅威3 相手が大切にしているものを踏みつけてしまっている
    脅威4 相手が我慢していることをしでかしてしまっている
    脅威5 つい余計な一言を言っている

    「心が傷ついている人」「変化に弱い人」は「脅威」を感じやすい。

    「あなた」を主語にして話すと、相手は責められているように感じる。

    相手へ攻撃するということは、反撃の相手はここですよと相手に示すことになるから、相手への攻撃は自分自身への攻撃でもある。73

    相手がもっともだということを言っている場合でも、相手が困っているから攻撃してくると考えるべき。
    相手の言動を自分への攻撃と受け取ったまま、相手が伝える内容を素直に吸収することは難しいから。75

    罪悪感に打ちのめされている時、私たちは実は自分自身のことしか考えていません。悪いことをしてしまった自分のことばかり考えて、困っている相手のことを本当の意味で考えていないのです。相手に対して何かをしようとする場合にも、どうすれば自分の罪が許されるかというところに焦点が当たってしまい、相手は本当のところ何を求めているかという点には目が向かなくなってしまうのです。本当に悪いことをしたというときほど、相手のためになることをしたい。そんなときこそ、相手を困っている人として見ることが重要。 78
    …こうやって伝えればいいのか…
    これがいつもうまく伝わらなくてイライラしてた。

    相手との関係性に基づいてどうするかを決める。

    相手の言動に意味付けをしない。
    「相手が本当に言いたいことを読む」という姿勢が前提となっている人間関係ほど苦しく暴力的なものはない。
    相手が言葉で伝えてこないことは「なかったこと」にする 107

    嘘をつくのは人としても大変問題のある行動だし、裏切りのひとつでもあるのだけど、嘘をついた側からすると、苦肉の策であれ思いやりであれ恐れるあまりであれ、それぞれの事情の中「それしか選択肢がなかった」と感じている場合が多い。

    攻撃されないコミュニケーション
    ⒈嘘をついたと決めつけない
    ⒉ 相手の事情を聞いてみる
    ⒊「私」を主語にする
    ⒋要求ではなく依頼する

    事実だけを伝える 122
    安心させると攻撃はやむ 130
    あなただったらどうする?と聞いてみる132

    被害者にさえならなければ、自然と自分を大切にすることができるし、自分が本来持っている力とつながることができる。166

    相手の「今」を聴く 171

    すべての人がベストを尽くしていると知っておく 174

    沈黙に強い人は安定感を与える 180

    大切にされたいという思いにとらわれている人は、実は大切にされない 181

  •  「脅威!」と感じやすい同僚が身近にいて、少しの刺激に過剰に反応し理不尽な攻撃をしてくる(殆どモラハラ、DV体質)状況にありもう数度読み返しています。
     普段から僻み、妬み、嫉み、負けず嫌い、自分が注目されないと気が済まない、上から目線でのマウント、人によってコロコロと態度を変える(男性と女性、強い人、弱い人で態度を変える不自然でわざとらしい弱肉強食体質)、人が褒められると自分が否定されたと感じる被害妄想体質、自分は頑張っている、私を見て、大切にして、という押しつけ、暴言、意地悪、ガサツで言葉選びのセンスも悪い下品でたちが悪く手の施しようの無い同僚。私のお姉さん、お母さん病のお節介体質もあるのかも知れませんが、攻撃してくる相手に素行の悪さに気づいて欲しいと何処かで期待し、その同僚の目に余る態度を、世の中のよくある悪い素行の例として会話に出してしまう事があり、それを敏感に自分事と捉えて被害妄想を膨らませ心無い反撃をしてきます。
     この同僚とは仕事上の関係でもうこれ以上関係を深めなくて良いので今日不愉快にならなければ良い、とりあえず穏便に済ませれば良い、仕事に支障を来さなければ良い、を念頭に攻撃をスルッとかわす、攻撃してくる相手には期待しない、相手の敷地を尊重する=自分の土俵に乗せる、自分の言動に相手がどう思おうと相手の自由、ポジティブな思いを持って貰えれば嬉しいけれどもネガティブに思われてもそれも相手の自由、相手の「攻撃」を自分のせいだと捉え自分を責める続ける限り相手の土俵から降りられない、と自分の土俵に戻りさえすれば状況をコントロールすることはいくらでも出来る、等の記述が響きました。
     取り敢えずのその同僚への対策としては、攻撃してくる相手には期待しない(相手に良い人になって貰う事を期待しこちらが何か助言する等のエネルギーを割く価値もないし、これだけ傷が深いと相当の訳ありで私個人の力ではどうしようも無いレベル!)、私は被害者ではなく自由な他人、を念頭にその同僚には淡泊に接していきたいと思う。相手にどう思われても大丈夫な人!(かっこいい!)を目指します!
     人間関係に悩んでいるときには心強い味方になってくれる、そんな本です。
     
     

  • 本文174ページより

    人にはそれぞれ事情があります。
    持って生まれたもの、今までの人生で経験してきたこと、今現在抱えている問題など、いろいろな事情があって、その中で一生懸命生きているのです。手を抜いているように見える人であっても、今それ以上にがんばれない事情がなにかしらあるものです。

    今までの人生で否定され続けてきたためにやる気が出ないのかもしれませんし、失敗が怖くて前進できないのかもしれません。うつ病なのかもしれません。あるいは発達障害などの問題があって、普通の人には当たり前にできることができないのかもしれません。詳細は分かりませんが、それぞれの事情の中でベストを尽くした結果が現状である、ということさえわかっておけば充分です。


    水島医師の言葉は目から鱗だ。

    「攻撃」する人を、「困っている人」と見ることを習慣にしていくと、それが私自身を大切にすることに繋がり、自分が「被害者」の役割から解放され、苦痛から逃れられる。

    自分が悪いから、私が「攻撃」されるという認知を、相手は今困っている人なんだなと置き換ええるだけで、しのげそうな場面は日常にいくつもある。

    「攻撃」は人間が生物として「脅威」を察知した結果のもの。「脅威」を感じた生物は、「逃避」か「闘争」のいずれを選択する。サファリを思い浮かべよう。

    誰かから攻撃されたり、自分への反応が期待したものでないとき、私は自分に非があるのではと自責の念に苦しむのが日常。この癖から抜けきれない。

    さらに自己評価がとても低いので、他人に肯定してもらわないと不安定だという指摘は図星。
    だからこそ、他人の「攻撃」や叱責に過敏で脆弱。それ故事前に万全の態勢で準備するという悪循環の人生だ。

    他人の反応や評価に自分の人生のハンドルを委ねるなんて、もうやだな。

    自分の感覚、感情、行動選択の軸を自分でしっかり握っていることは、すなわち、自分と他人の境界線をはっきりと引き、怒っている人の土壌に引きずり込まれないことを肝に銘じよう。

    本著の表題はドキッとするけれど、実はこうした人間関係に日頃悩み、ストレスを抱えている。自分を抑え込んで、相手に合わせるのか、自分の居場所をしっかり確保できるのか、生活の質の大きな差になりそうだ。

  • ここ最近読んだ自己啓発本の中では一番参考になった。
    タイトルのように、「身近な人の攻撃がなくなる」というのにピンポイントで視点を当てているからかもしれない。
    これ一冊で人生が変わる!というような本は具体性がないけれど、こんな風にこの問題にはこう、と問題がはっきりしていれば答えも具体的になるのかもなぁ・・・と思った。

    この本で書かれている最も軸となる事は、
    攻撃している人は困っている人だと認識する。
    という事。
    そうする事によって、自分が攻撃されている、と感じるよりも、その人より少し上の立場で見る事ができる。
    なるほど・・・と思ったものの、その場になったらどうか?ちょっと自信がない。

    意外だったのは人に媚びる人というのはその人を支配しているという考え。
    媚びられると相手はひたすら気持ちいいものだと思っていただけに目からうろこだった。

    また色々書かれた後に、まとめとして人から大切にされる人はどういう人なのか、というくだりは参考になった。
    ・自分のことを大切にしている。
    ・媚びない
    ・他人のことを大切にしている
    ・一貫性がある
    ・沈黙に強い
    ・大切にされなくても気にしない
    ・自然体でいる
    これを見ていくと私のただ一人の友達の姿が浮かんできた。
    正に私の友達はこの通りの人だと思う。
    そして、私はその反対・・・。
    読んでいて沈黙に耐えられないのは何故か、と考えた時それは子供の時、何か人に言われて気の利いた事を返せないのに親がバカにしたり「暗い」と言ってたからだと思う。
    また、大切にされなくても気にしない、というのも出来てない。
    何故なら自己肯定感が低く、常に自信がないから。
    昔から被害者役を引き受ける事になってしまう。
    それはその場にそういう人間がいると、他の人間の団結力が高まり、場の雰囲気が良くなるというのが分かっているからだと思う。
    本当は傷つけられたくない、傷つきたくないのに、被害者役を引き受けてしまう。
    そして、自らそうなっているのに、周りの人間を恨む。
    これでは人に大切にはされないだろう、と自分ながら思う。
    この本は私のような人間には参考になるし、色々気づかせてくれる本だと思う。

  • とても端的に分かりやすく書かれており、心に刺さるフレーズが多かった。

    人間は「闘争か逃避」のモードを本能的に持っていて、言葉で攻撃してくるのは単に【困っている】からであって、その発言などに対して意味付けをわざわざする必要はなく、同じ土俵に立つことはない。苦し紛れの言葉が殆どだから。相手を尊重し自分の場所から対応をしよう。イライラしている時はスルーするのが一番。✌︎('ω')✌︎

    SNSについては「もしかしたら」「なんでだろう」というネガティヴな妄想が働くため、気持ちの割り切りが必要。確かにそう思う。ついつい「いいね」を気にしてしまう自分がいる。実際のところ真意が分からないので起こった現実を決めつけないことが大事。注意しよう。

    媚びることは相手の敷地内に侵入することだから気をつけよう。また、他人に対してあの人はあ〜だとかこ〜だとか決めつけないこと。それ自体が攻撃になってしまうから。今を感じることが最も大切。人を大切にすると自分も大切にされる。優しさは自分がしたいからすることをインプットしておこう。打算でするのとは違う。

    自然体とは「自分は自分、他人は他人。」相手のことは本質的には理解できないし違う人間だから。すべての人が今に対してベストを尽くしていることを認識すること。「自信家」の人は認めて欲しい、大切にして欲しいが強い困った人。

  • 「攻撃してくる人は、困っている人」という視点は目から鱗でした。

  • 人の攻撃を受け取るかどうか、それは自分の選択だ、それが自主性だというのは、自分でも感じていたことだが、整理して書いてあるので、分かり易かった。
    今に生きるという言葉に、深く動かされた。確かに、日々新しくと思いながら、過去のデータや思い出にこだわるのは、矛盾している。

    面白かった。人間関係が難しく思えた人は読んでみるといいかも。

  • 「攻撃」してくる人は困っている人
    お見舞いの言葉を添えれば良い
    こちらのことが脅威で、怖くてたまらないから「攻撃」してくる
    「攻撃」を受けがちな人が手にとる本だと思うけど、「攻撃」してしまいがちな人こそ読んで欲しい。

  • 周りの困る人との付き合い方
    まず、攻撃してくる人は困っている人と捉える
    相手が困っているだけであって、自分が悪かったとか思う必要なし。
    すみませんは相手のお見舞いのつもりで言う

    これを読んで、苦手な人と付き合うことへの負担が少し減ったとかんじた。
    きっとまた負担になるのだろうけど、その時はまた思い出そうと思う。

  • 人からたまたまもらった本だったが、なかなか面白かった。攻撃してくる人はそもそも自信のないことの裏返しというのは働いていて感じていたが、そういう人をどう自分の中で処理するか等の分析までは考えたことがなかったので、仕事や生活で役に立てるという意味よりも、人間観察的な点から非常にいい意味で面白い本だった。

    しばしば読み返したいです。

全47件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

水島広子【みずしま ひろこ】

慶應義塾大学医学部卒業・同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、2000年6月~2005年8月、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正などに取り組む。1997年に共訳『うつ病の対人関係療法』を出版して以来、日本における対人関係療法の第一人者として臨床に応用するとともに、その普及啓発に努めている。現在は対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、対人関係療法研究会代表世話人、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン代表。主著に『自分でできる対人関係療法』『トラウマの現実に向き合う』(創元社)、『拒食症・過食症を対人関係療法で治す』(紀伊國屋書店)、『怖れを手放す』(星和書店)、『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)、『自己肯定感、持っていますか?』(大和出版)、『「毒親」の正体』(新潮新書)などがある。

「2022年 『心がスーッとラクになる 世界の美しい文様ぬり絵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

水島広子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
チップ・ハース
松下 幸之助
稲盛和夫
ジャレド・ダイア...
デールカーネギ...
佐藤 優
清水 久三子
タル・ベン・シャ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×