一平 かの子―心に生きる凄い父母

著者 :
  • チクマ秀版社
3.09
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本棚登録 : 29
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805002698

作品紹介・あらすじ

岡本太郎の目がとらえた生身の両親。未発表の原稿と写真を多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • 両親のことを書いた岡本太郎さんのエッセイ集です。かの子作品から想起される岡本一家のイメージを確かめたくて手に取りましたが、鷹揚な夫と繊細な妻が芸術を通して深い絆で結ばれていたことがよく伝わってきました。一方でかの子の小説が「決して私小説ではない」というのも何となく理解でき、また太郎氏が特異な育ち方をしながら、ひねくれもせず豪放に生きたのに驚異を覚え、親子関係もまた独特の結びつきであったと感じました。雑誌等にばらばらに掲載されたものをまとめてあるので、同じような話が重複しているのは残念でした。

  • 岡本太郎は「太陽の塔」「芸術は爆発だ」のイメージしか持ち合わせていなかった。論理が通った美しい、気持ちの良い文章を書くなあと驚いた。芸術に対して誠実で探究を止めず、感覚的な天才肌ではあるんだろうけども、なんだかとてもまっとうな人間像が浮かんでくる。
    かの子、一平、岡本一家について、息子視点の記述は興味深い。でもそれより、岡本太郎の考えが詰まったエッセイとしてすごく面白かった。川端康成のエピソードなど、当時の空気に触れる感覚が鮮明だし、温かい。

  • 岡本かの子をテーマにした演劇を見に行くに当たっての予習本その2。

    岡本一家の神秘性は、かの子が芸術家であった点に加えて、
    それを身近で見ていて、語れる人物が、
    やはり芸術家の岡本太郎である、ということによって増幅されているようだ。

    本書は岡本太郎が方々に書いたエッセイの集合体なので、
    たびたび同じ内容が繰り返されたりもする。

    幼い太郎を柱に縛り付けて書き物をしていた、ユーレイのような母の後ろ姿。
    芸術に関して、生きることに対して、妥協を許さない母の姿勢。
    純粋で、外での皮肉や罵倒にすぐに傷つき、泣きじゃくる母の痛ましさ。
    そして、そんな母を陰日向になって生涯支え続けた父の生き方。

    追っていけば演劇が1本できてしまう家庭なのだから、
    まったく「普通の家庭」ではない。

    それでも、ただ一途に生きる親の姿勢というのは、
    子どもに届くものなのだなぁ、と思う。

    誰でも真似のできる育児方法だとは言えないが。

  • 最後の「川端康成さんのこと」は必見。

    繰り返し唱えられる父母へのことばは結局、藝術を文章化するという行為の一端であり、本人も苦心している様子が窺える。
    それならば、別の方の感想に触れるほうが、太郎氏の心情そのものを見れるように思う。

    そかし、どういってもこの家族がのこしたものは、いろんな意味で大きいなぁ。

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プロフィール

芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。

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