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- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784805002698
感想・レビュー・書評
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無茶苦茶のようでいて、筋が通っている家族。
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岡本かの子をテーマにした演劇を見に行くに当たっての予習本その2。
岡本一家の神秘性は、かの子が芸術家であった点に加えて、
それを身近で見ていて、語れる人物が、
やはり芸術家の岡本太郎である、ということによって増幅されているようだ。
本書は岡本太郎が方々に書いたエッセイの集合体なので、
たびたび同じ内容が繰り返されたりもする。
幼い太郎を柱に縛り付けて書き物をしていた、ユーレイのような母の後ろ姿。
芸術に関して、生きることに対して、妥協を許さない母の姿勢。
純粋で、外での皮肉や罵倒にすぐに傷つき、泣きじゃくる母の痛ましさ。
そして、そんな母を陰日向になって生涯支え続けた父の生き方。
追っていけば演劇が1本できてしまう家庭なのだから、
まったく「普通の家庭」ではない。
それでも、ただ一途に生きる親の姿勢というのは、
子どもに届くものなのだなぁ、と思う。
誰でも真似のできる育児方法だとは言えないが。