一平かの子: 心に生きる凄い父母

著者 :
  • チクマ秀版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805002698

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  • 無茶苦茶のようでいて、筋が通っている家族。

  • 岡本かの子をテーマにした演劇を見に行くに当たっての予習本その2。

    岡本一家の神秘性は、かの子が芸術家であった点に加えて、
    それを身近で見ていて、語れる人物が、
    やはり芸術家の岡本太郎である、ということによって増幅されているようだ。

    本書は岡本太郎が方々に書いたエッセイの集合体なので、
    たびたび同じ内容が繰り返されたりもする。

    幼い太郎を柱に縛り付けて書き物をしていた、ユーレイのような母の後ろ姿。
    芸術に関して、生きることに対して、妥協を許さない母の姿勢。
    純粋で、外での皮肉や罵倒にすぐに傷つき、泣きじゃくる母の痛ましさ。
    そして、そんな母を陰日向になって生涯支え続けた父の生き方。

    追っていけば演劇が1本できてしまう家庭なのだから、
    まったく「普通の家庭」ではない。

    それでも、ただ一途に生きる親の姿勢というのは、
    子どもに届くものなのだなぁ、と思う。

    誰でも真似のできる育児方法だとは言えないが。

著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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