アクリリックサマー

著者 :
  • 沖積舎
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 3
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806006381

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 青空がアイスキューブ状に分離して眩しい。目を開けていられないほど眩しいから、つないだ手を放してしまう。あらゆる方角に飛び散ったおとうとのコピーは破片のスタイルで悔恨の断面を見せつける。「まっさらでいたかった」とエコー。燃え上がる夏の海は、潔癖ゆえに接着剤の入り込む隙間がないのだ。熱可塑性のぼくらが琥珀を気取ってみたところで、甘い感傷は眠りに溶けずに涙で変質するだけ。(不完全な永遠の存在証明をした。) 季節のリサイクルを諦めて、塵の積もる海岸にソーダ水で地図を書く。未分化の地に分け入るのか、含まれていくのか。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1964年、石川県生まれ。2001年、第47回角川短歌賞受賞。著書に歌集『眼鏡屋は夕ぐれのため』『薄い街』『モーヴ色のあめふる』、詩集『新集 月的現象』『アクリリックサマー』、掌編集『うたう百物語』、共編著『短歌タイムカプセル』などがある。歌人集団「かばん」会員。

「2020年 『世界が海におおわれるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤弓生の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×