- Amazon.co.jp ・本 (739ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806020448
作品紹介・あらすじ
精神医学の未開の領域に挑んで、久作一流のドグマをほしいままに駆使しながら、遺伝と夢中遊行病、唯物化学と精神科学の対峙、ライバル学者の闘争、千年前の伝承など、あまりにもりだくさんの趣向で、かえって読者を五里霧中に導いてしまう。それがこの大作の奇妙な魅力であって、千人が読めば千人ほどの感興が湧くにちがいない。探偵小説の枠を無視した空前絶後の奇想小説。
感想・レビュー・書評
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読む人をあっと言わせてやろうという作者の気迫をすごく感じる作品でした。
途中学説的なところで読み進めるのがキツかったけれどラスト200ページくらいはとても引き込まれました。
途中で読むのやめたくなるかもですが途中でやめたらもったいない!…と思います…。
普通は物語の基礎となる部分、登場人物、時間軸、空間軸が最後の最後まであやふやでまさに読んでる方も五里霧中を彷徨う感じ。
先が読める人もいるかもですが私には先が読めずワクワクしながら読めました。
構成の巧妙さと心情やグロテスクの表現はすごいなぁと感じました。
まさにキチガイ地獄…
終わった後また始めから読み直しそうになりました。でもその根気はなかった…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでみようと思っていてコツコツ読んでいた一冊。時間かかったけどやっと読めた。
でも、2回目を読もうとは思わない。疲れた。
何回も読むことによって新たな発見があったり、さらに理解が進むのかもしれないけど、これはしんどい。 -
とても面白かったです。
ある種のエンターテイメント性すら感じました。
最後の辺りは読むのが止まらなくなりました。
読者に物語の先を予想させ、手の内を見せてくれているようで、
謎はもっと複雑に絡み合っていて・・・
百色眼鏡のように、刻々と変わる物語に惑わされ、
戸惑面喰の如く、時間の概念がなくなっていくので、
足下が覚束ない不思議な感覚になりました。
文体がいろいろと変わるのも面白かったです。
ちょっと、言葉などが難しく感じましたが、
そのうちに慣れていきました。
地球上全体が、狂人の解放治療場という発想も、
胎児の夢も面白かったです。
映画もあるそうで・・・
これを、どう映像化したのだろう?
と、そちらにも興味を持ってしまいました。 -
生きる時代を完全に間違えた異人、夢野久作が
その潜在能力の全てを注ぎ込み仕上げた世紀の快作。
オチを一言で言ってしまうのは簡単。
でも、そこに至る迄の過程が秀逸。
映像化(した物もあるらしいが)が
困難というのも充分に頷ける。
日本三大奇書の一角を担う。
読んだ者は精神に異常をきたす、と言われている
この小説の内容はまさしく奇抜の極致!
小説を読んでいるのに
難解な論文と格闘しなければならないし、
奇抜な表現に目眩を催し
部分部分で理解が及ばず消化不良を引き起こした。
間違いなく今までで読了するのに一番苦労した作品。
相当の根気と集中力が必要!!
でも読んできたすべての本の中で一番魅力的。
現在の日本でのNGワードも(特に木魚の場面)
読んでいると段々脳内からアドレナリンが流れ
どんどん物語に入り込める。
巨匠江戸川乱歩も絶賛したという -
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』と並んで、日本探偵小説三大奇書に数えられている。
その常軌を逸した作風から一代の奇書と評価されており、本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす、と称されている。 -
森博嗣さんの本のなかで紹介されていて、読みました。
正直あまり印象にないですが、不思議な世界でした。
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怪