白蟻

著者 :
  • 沖積舎
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806021254

感想・レビュー・書評

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  • 『白蟻』
    迫害さた馬霊教の教祖・一家が棲みついた。怪しげな土地。その長女・滝人の夫・十四郎の秘密。落盤事故で容貌・性格が一変してしまった十四郎。生まれて来た畸形児の稚市。落盤事故で同僚の鵜飼と入れ替わったのではないかと滝人の疑惑。一族に訪れた悲劇。

    『完全犯罪』
    辺境の地で人と離れて暮らすローレル夫人。中国での戦闘の為駐屯するソ連軍。司令官ザロフ以下将校6人の将校と娼婦。ヘッダ夫人の顔を見て驚く軍医ヤンシン。密室の現場で殺害されたヘッダ。ヘッダと一夜を共にしようとした汪。泥酔状態で風呂につかったヘッダ。ベッドで発見された遺体。犯行時間に聞こえていたオルガンの秘密。

    『夢殿殺人事件』
    法水麟太郎シリーズ

    寂光庵で起きた密室殺人事件。推摩居士と呼ばれる男の死。曼荼羅の孔雀に切り刻まれたような死体。2階の浄善尼の死体。少なすぎる遺体の出血。遺体をつかった密室トリック。

    『聖アレキセイ寺院の惨劇』
    法水麟太郎シリーズ

    ロシアからの亡命者たちの作った聖アレキセイ寺院での事件。法水の聞いた寺院の鐘。寺院の前で出会ったルーキン。堂守ラザレフの娘ジナイーダとの結婚の夜に呼び出されたルーキン。寺院の中で発見されたラザレフの遺体。ラザレフの2人の娘の秘密。

    『後光殺人事件』
    法水麟太郎シリーズ

    住職・胎龍の死。仏像に向かい合掌する遺体。頭のちょうど真ん中につけられた致命傷の謎。被害者がともした提灯の秘密。

  • 近いほうの図書館(11.09.24)

    やっぱこれは紙の本で読んだほうがいいわ。
    青空文庫でも読めるけど、
    出ない記号が全部*になっててわけわからんのよ(涙)

    「白蟻」は怖かった。
    完全犯罪のはずが、ちょっとした偶然から・・・・
    ラストは計画が、そして主人公の心が、崩壊する音が聞こえそう。

    それにしても法水は、ありえんくらい博識やなあ。
    そこが面白いんやけど。

  • <font color="#008000">「堰近くにあったのだが、どうだ良い匂いがするだろう。タパヨス木精蓮という熱帯種でね。此の花は夜開いて昼萎むのだよ。そして、閉じられた花弁の中に蛭がいたとすると、犯人が池の向岸で何をしたか解る筈だがねえ」</font><p>

    「白蟻」に収録の「後光殺人事件」について。<p>

    小石川の高台にある劫楽寺の住職が、合掌したままの姿で頭蓋骨に細い穴を穿たれて殺されると言う事件が起こります。
    場所は寺内の薬師堂。密室殺人。左目を潰された押絵、天人像の頭上に現れる後光、赤い筒提灯。そして名探偵、法水麟太郎。
    蓮の中に蠢く蛭から、法水の怒涛の謎解きが始まります。<p>

    小栗というと「黒死館殺人事件」が有名ですが、いきなりそんな長編を読むよりも、比較的読みやすいこの「後光殺人事件」あたりから読むことをお薦めします。
    芝居のようなセリフ回しにまず、うっとりするはず。かなりのキレ味です。
    そして、ヤミツキになったところで、どうぞ、黒死館へ。<p>

    読みやすい、と言ってもこの作品は決して軽い作品ではありません。しっかり味が滲みています。
    怪しげなアイテムやエピソードが点呼盛りで、詩的な上に口舌爽やか。そして畳み掛けるような衒学趣味。
    中野美代子が「カニバリズム論」の「虚構と遊技」で彼の衒学趣味を「虚実取り混ぜただまし絵」と述べているのですが、まったくもってその通り。
    幾ら眉に唾をつけても足りないような情報をちりばめている所が不思議な遠近感になっているのです。
    それは単なる知識や想像力という言い方では括れません。

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プロフィール

小説家。1901年東京生まれ。本名、小栗栄次郎。1927 年、「或る検事の遺書」を、「探偵趣味」10月号に発表(織田清七名義)。1933年、「完全犯罪」を「新青年」7月号に発表。「新青年」10月号に掲載された「後光殺人事件」に法水麟太郎が初めて登場する。1934年、『黒死館殺人事件』を「新青年」4~12月号に連載。他の著書に、『オフェリヤ殺し』、『白蟻』、『二十世紀鉄仮面』、『地中海』、『爆撃鑑査写真七号』、『紅殻駱駝の秘密』、『有尾人』、『成層圏の遺書』、『女人果』、『海螺斎沿海州先占記』などがある。1946年没。

白蟻のその他の作品

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