指揮官の決断: 八甲田山死の雪中行軍に学ぶ極限のリーダーシップ

著者 : 山下康博

• 樂書舘 (2005年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[masazumiさんの感想 · 2014年3月29日]

小説や映画で有名になった八甲田山雪中行軍の悲劇。実証を基に、史実を丁寧に説明されており、文章も読みやすくてスイスイ読める。青森隊と弘前隊の成否の分かれ目を組織論に持っていくのは一つの視点としては分かりやすくて良いが、そこだけに帰着しても良いものか？甚だ疑問。スペシャリストとしての視点、ゼネラリストとしての視点という部分からも見直すことで、更なる教訓が得られるのではないかと感じた。本書を読んで得る物もあるが、その先に、そういった視点から自分自身で見直すことで、更に教訓が得られると感じた。

[qingxiuさんの感想 · 2006年4月9日]

　八甲田山雪中行軍の悲劇は有名で、あれはあくまで自然災害のように思われているふしがあるが、同じころ別のルートで八甲田山雪中行軍に成功した弘前部隊があった。一方があれほどまでの悲劇を生み、一方が成功した理由はなにか。著者は高校教員から実業界に転じた人で作家ではないか、その筆致は力強く、臨場感に満ちた描写はすばらしい。